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白銀陽翠は楽しみたい

「陽翠、今日仕事が終わった後用事ある?」

「ないよ。」


あの独立魔物を倒して三日がたった日。


「一緒に遊びに行こうよ!!」

「へ?」



──────

「ここ、ここ!昔来たことあったんだよね~!変わってないなぁ!陽翠は来たことある?」

「あるよ。出帆と来たんだ。」 


連れてこられたのは出帆と来たことのあるショッピングモール。


「まずはここでしょ!!」


連れてこられたのはゲームセンター。こんな所あったんだ。


「どれか欲しいのある?私とるのうまいんだよ!!」


たくさんのクレーンゲームの中、一つに目がとまった。


「あれかわいい。」

「あれね!よーし任せろ!お揃いでとっちゃおう!!」


私が指さしたのはクマのぬいぐるみ。ふわふわした白い生地とちょこんと飾られた茶色のリボン。きらきらしたまんまるな青い目は出帆に少し似ている。


「見てて見てて!あとで陽翠ちゃんもやってみてよ!!」


麗奈が百円を投入してクレーンゲームを動かす。横に回って位置をチェックしたり、奥行きを確認したり。


「いけー!!!」


アームはぬいぐるみをがしっと掴むと、るーという音と共に動いてぬいぐるみを落とした。


「はい、これどーぞ!!陽翠ちゃんもやってみてよ!」

「うん。」


店員さんに麗奈が「あれがいい!」と言った黄色にオレンジのリボン、茶色の目のクマをだしてもらって、狙う。


「もうちょっと左!!そうそう!多分そこ!」


奥行きを2人でもうちょっとかな?ここだと思う!といったように確認して、いざアームを下ろす。


「麗奈!掴んだよ!」

「がんばれー!!」


クマのぬいぐるみは一発でとれた。


「やったー!!お揃いだよ!」


2人でクマのぬいぐるみを持って写真を撮った。その後にもメダルゲームをしたり、プリクラっていうのを撮ってみたり。


「えっ、これ凄くない!?」

「陽翠、目が大きいから宇宙人みたいになってんじゃん!!!」


麗奈いわく「盛れてる」写真をゲットして2人で雑貨屋さんに行った。


「ねぇ、これかわいくない!?お揃いにしようよ!」

「最高!いいじゃん!」


うさぎのマスコットを2人で買って、アイスを食べに行った。


「陽翠、何にするの?」

「えーと、」


前回は余裕がなくて選ばなかったけどこうしてみると種類が多い。抹茶、緑色に赤や青の粒が入ったやつ、チョコレート、メロン、小豆、コットンキャンディ、前に食べたラズベリーチョコレート、、、


「これかな。美味しそう。」


緑色に赤や青の粒が入ったものが見たことない色味で美味しそうだったからそれを選んだ。


「いいねー!私は、、、コットンキャンディにしようかな!」


2人でフードコートの席に着く。


「!?なにこれ!?」


私のアイスは口に入れるとぱちぱちと弾ける粒が入っていた。


「あはは!陽翠かわいー!」

「かっ、かわいくないし!!」


ぱちぱちするアイスは食べたことない味で美味しかった。麗奈のコットンキャンディはほんのり甘くて美味しかったけど、色味が紫と青で


「何でこの色にしたんだろ」

「ね。」


という風に思ってしまった。


「そうそう!私の弟すっごいモテるの!!かっこいいし頭もいいんだー!!見て!これ写真!」


そう言って見せてくれた写真にはそっくりな双子の兄弟。麗奈に似ていて艶のある茶色の癖っ毛と大きな目の美少年だった。


「この前なんか弟が『好きな人できた』とかいっちゃってさー!お姉ちゃんかなしいよぉ。ねね、陽翠は好きな人とかいないの?」


好きな人。いる。家に。今は会社か。


「いるよ。世界一かっこよくて、優しくて、ちょっと抜けてる大好きな人。」

「ええー!いいなー!写真とかない?」

「写真、、、」


あったっけな、と思い返すと出帆が私とのツーショットをアイコンにしていたのを思い出した。


「この人。」


出帆のプロフィールを開いて麗奈に見せた。


「えっ、かっこよ!すご!モデル!?この2人めっちゃくちゃ破壊力あるじゃんか!」

「えへへ。一緒に住んでるんだ。」

「住んでる!?どういうこと!?」


事情を説明すると麗奈は


「そうなんだ!なにそれヒロイン!?ていうかもうそれ彼氏じゃんか!」


ときらきらした瞳で言った。彼氏。彼氏!?彼氏!!


「彼氏なんかじゃないし、、多分出帆は私のこと何とも思ってないよ」

「なんともってさ、そんなわけないじゃんか!だって毎日一緒に居るんだよね!」

「麗奈!アイス!」

「あっやばっ!忘れてた!!」


二人して溶けて液体になったアイスを流し込んだ。


「甘いー!!」

「美味しかった!」

「また食べに来ようね!」


そろそろ帰らないといけない時間で名残惜しくショッピングモールを後にしてバス停に並んだ。


「陽翠、今日はありがとね。私、普通の女子高生になれたみたいだったよ。」

「普通の?」

「私、両親死んじゃったって言ったじゃん。お父さんが二歳の時に死んじゃって、二年前にお母さんも亡くなっちゃったの。だから中学卒業してすぐ働き出したからこういうの小さいときしか行ったことなくて。」

「でもさ、麗奈。」

「ん?」


「普通じゃなかったからこそ、普通じゃないくらい幸せになれるでしょう?」


「私ね、お母さん死んじゃって、お父さんによく殴られてて。本当に嫌で、辛くて、死んじゃいたいって何回も思ったけど、出帆が言ってくれた言葉を支えにして生きてきててさ。それで、今その出帆と生きれてるんだから私は最高に幸せなの!!」


「そうなの。」


ふふっと麗奈は笑って。


「ありがと。今のに救われた。そうだよね、普通じゃないくらい幸せになれるもんね!私達!」


夕日が燦々と降り注いでいて、一等星が顔をだした。なんとなく、届きそうで手を伸ばしてみる。届くわけがないけれど。


「ねえ、次ここ行こうよ!」


そう言って見せてきたスマホの画面にはプリン屋さんのホームページ。ネコプリンっていう流行の物があるらしい。


「そうだね!行こう!」


優しい光が私達を照らしている。この幸せが、いつまでも続きますように。










おまけ


玲・蓮「「姉ちゃんそれどうしたのー?」」

麗「友達とお揃いにしたの!かわいいでしょう!」

玲・蓮「姉ちゃん友達居たの!?」

麗「いるわ!!」

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