遺跡の秘密
扉を抜けたエイレンとリリスは、目の前に広がる光景に息をのんだ。彼女たちが立っていたのは、広大な地下空間に造られた古代の図書館のような場所だった。壁一面には古びた書物が並び、中央には巨大な石のテーブルが設置されている。その上には、光り輝く古代の文献が開かれていた。
「信じられない…」リリスが小声で呟いた。「これほどまでに古い知識が、まだこんなにも残っているなんて。」
エイレンは周囲を警戒しながらも、リリスの興奮を共有した。「ここには、森がどうやって生まれたのか、その秘密が隠されているのかもしれないね。」
二人は文献を調査し始める。多くの書物は時間の経過とともに読めなくなっていたが、中には魔法によって保護されているものもあった。リリスがその一つを手に取り、ゆっくりとページをめくった。そこには、古代の森が生命を宿すようになった経緯と、森を守るために生まれた精霊の存在について詳細に記されていた。
「これを見て、エイレン!」リリスが興奮して叫んだ。「この文書によると、古代の森はある大いなる精霊によって創造されたんだって。そして、その精霊が最後に残したのが、『光と闇の子』に託された秘密らしい。」
エイレンは思いを巡らせる。「光と闇の子…それは、私たちのことを指しているのかな?」
その時、図書館の奥から謎めいた声が二人を呼ぶように聞こえてきた。「エイレン…リリス…」
声に導かれるように二人は奥へと進んだ。やがて、彼女たちの前には古代の精霊の像が現れた。像は優しく、しかし力強い光を放っており、二人を見つめているようだった。
「私たちを待っていたの?」エイレンが尋ねると、像からさらに優しい光が放たれ、彼女たちの心に言葉が響いた。
「はい、私はこの森を守る精霊、アルディア。あなたたちがここに来ることを、ずっと待っていました。『光と闇の子』よ、森が直面する危機を救う鍵は、あなたたちの中にあります。」
エイレンとリリスは互いを見つめ合い、新たな決意を固めた。彼女たちの手には、森を守る使命が託されているのだ。
「アルディア、私たちはその鍵を見つける。この森を、そしてこの世界を守るために。」
古代の図書館で得た知識と、精霊アルディアからのメッセージは、二人の冒険に新たな目的を与えた。そして、その冒険はまだまだ続くのだった。