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第14話 神様との再会


「……」



色々全てのことを察した私はリオスを見る。

そうか……私のせいでこのような姿になってしまったのか。



「ごめんなさい……ありがとう。」



「お気になさらず、別に他の誰かと会うこともありませんし、力が増減しようと姿形が変わろうと、なんの影響もありませんから」



「だけど、私を助けようとしてくれたんでしょ?」



ペナルティーを食らうほど、まずいことなんて……これ(呪い)をなんとかしようとしたこと以外思いつかない。

だけど、リオスは申し訳なさそうな表情を浮かべる。



「結局……なんのお役には立てませんでした。その呪い……解くことができなかったどころか、弱めることすらできませんでした……」



「でも、おかげで、死にはしなかった……んだよね?」



私はちょっと不安になる。

確かこの呪いで死ぬのは1年後のはずだけど、再びこの空間にいて、神様のリオスに対面してるんだもんね……


あれ、私……死んだのかな……?



「えぇ、あなたは死んでいませんよ。でも、僕の力じゃありません……治療のために飲まされた聖水のおかげでしょう。命に別状はありません。」



よかった、死んでなかった。

そうだよね、聖水がある神殿で倒れたんだもの……神官のみんなが治療してくれたのね。

じゃあ、この謎空間にいるのも聖水のおかげってことか。



「でも、治癒されたのは転倒した時にできた頭の傷だけ、先ほども言ったように呪いは解けていません。このままでは物語でリイナがそうだったように……一年後あなたは呪いで死にます。」



「十分だよ……あとは自分でなんとかする。」



神様に解けない呪いなら、呪いをかけた魔女本人に解かせればいい。

魔女の居場所はだいたい想像できる、まだ落ち込む段階じゃない。


それより、気になることがある。



「そうだ、リイナは?」



「リイナは無事です。あなたが助けたおかげですね。魔女はリイナに呪いをかけるのに失敗したと分かったら、すぐに神殿を出て行きました。」



それを聞いて、私は心の底から安心してホッとため息をついた。

身を挺して守ったいとこ、気絶する前に声は聞こえたけど、その後に魔女に何かされていないという保証はないからだ。

そんな私を見て、リオスは眉を顰める。



「なぜあんな無茶を?」



「リイナを守るには、あれしかなかったから。」



勢いづいた物体は、急には止まれない。目の前の対象物が突然変わっても、方向転換も急ブレーキも効かないと思って……かけてみた。



「それであなたが身代わりになったら世話ないじゃないですか。せっかく前世の夢叶えてあげたのに……」



そう言いながら、リオスは不貞腐れる。

ポーカーフェイスなイメージがあったのだけれど、幼くなったせいか結構表情がくるくる変わって面白い。


口に出して言葉にすると怒られそうだから、心の中にしまっておこう。



「尻拭いは自分でする。ロベリアはどこにいるかわかる?」



「魔女が今居場所は分かりません。」



「千里眼とか、そういう能力でわかったりしない?」



「そんな能力は持ってないです。」



「そうよね……じゃあ、黒幕が誰かは?」



リオスは黙って首を横に振る。


一応聞いてみたけど、やっぱ無理か。

リオスは神様だけど、全知全能じゃない。


作者(わたし)がそう設定した。


使える能力は限られている。


だから、責めることはできないのだ。



「どうしてこんなことになったの?私は黒幕をおりたのに、何でリイナは魔女に狙われたの?作者の私が想定できないことばっか起きてるのはどうしてだと思う?」



「考えられる可能性としては2つ……あなた以外にこの物語の内容を知る第3者がこの世界に転生して、あなたの役割を奪った……もしくはそもそも元の物語が改変されたか……」



なるほど。

物語が改変されたという作品の話はあまりないけれど、この物語の内容を知る、同じ作品に主人公とは別のもう一人別の誰かが転生してっていう作品は、割とよく見る設定……ありえなくはない。


それが正解であるなら、原作と違う動きをしている人間を探せば早いという結論になるけれど……



「……でも、()()()()()()、それはありえないわ。」



「なぜです?」



「漫画家は目指してたけど、デビューすらできなかった。この作品はノートの中では完結させてるけど、いつかプロとして描くのが夢だったから。イベントで配布したり、ネットにも公開してない、誰にも認知はされてないの」



完結した物語はパソコンのテキストソフトに、設定の走り書きは鍵付きノートに。

だから、誰の目に触れることもない。

何も知らない転生者はいたとしても、物語の道筋を知らない転生者が何か道筋を変えられるとは思わない。



「誰かに話した可能性は?もしくは遺品整理やハッキングで見られる可能性は?」



可能性を切り捨ててしまうのは危険だと思ったのか、リオスは可能性を提示する。

でも、やはりそれもない。



「子供の頃2…3人に話したことはある、でも向こうは覚えてないと思う。パソコンはパスワードかかってるし、遺品整理してくれる人もいないから…。っていうか、ハッキングされてても素人の作品を記憶に留めないと思う」



「となると、今わかることは何もありませんね。」



リオスは口に手を当ててそういった。



「聖女という立ち位置は皆が狙っているので、単にあなた以外にもリイナを狙う人がいた。あなたが描写しなかっただけで、他の登場人物も、あなたと同じことを考えていた……そう考えるしかないかもしれませんね。」



「だとしたら……私さえ役を降りればいいなんて……考えが甘かったわ。もうちょっと手を回しとくんだった。」



「後悔したところで、現実は変わりません。今後のことを考えましょう。」



「今後?」



「リイナが殺されてしまっては、僕としても不都合です。彼女が襲われないようにしないといけません。」



そういうと、リオスは透けた透明の白い鳥を私広げた自分の手のひらに表した。



「その鳥が、リイナを守ってくれるの?」



「残念ながら、そこまでの力はありません。できることは本当にリイナの周りの監視程度です。」



「それ、意味あるの?」



「ありますよ。この鳥をつければ、今度魔女と接触して逃げられても、追跡できます。」



リオスは私の問いにムキになって、プンプンしながらそう言い返した。


確かに……神様が見守ってくれているだけでもありがたい。

本当は、結界でも張ってくれるとありがたいのだけれど……私のために力を使ってしまったリオスに、これ以上を求めることはできない。


これでリイナの件についてはひとまず安心ということにしよう。



「もう一つ、あなたの体のことです。」



「体って……呪いは解けなかったんでしょ?」



「はい。呪いを解くことも、弱めることもできませんでした。」



「じゃあ……どうしようもないじゃない。魔女探してなんとか……」



「確かその呪い……一年かけてじっくり体を蝕み、苦痛を伴い動けなくなるのですよね?」



「えぇ……その通りよ。」



元の内容では、リイナが呪いを受けて、みんなに心配かけないためにこのことを内緒にするのだけれど、半年後に最初の症状が出始める。

そしてそこから、どんどん体調が悪くなって吐血するようになるんだけど、それでもなんとか隠し通した。


結局死ぬ3ヶ月前に限界を迎え倒れてベッドから起き上がれなくなり……そのままだ。



「でも、ロベリアの居場所さえ突き止められればなんとかなるわ。半年もいらないくらいよ。」



「万一のこともあります、すでに国外逃亡してる可能性もあります。そうなれば、かなり探すのに時間かかりますよ」



「確かにね……でも、だからってどうするのよ。呪いどうしようもないんでしょ?」



だから私の体の話は、魔女を捕まえないとどうにもならない。

それならタイムリミットの時間は変わらないのに、なぜこのような話を持ち出すのか。



「呪いは解けませんでしたが、苦痛を取り除くことはできました。」



「苦痛?」



「そうです。本来ならすが、その心配はありません、死ぬその瞬間まで、あなたは動くことができます。」



これは助かる。


体の不調で、黒幕やロベリアのことを調べられなくなってベッドの中なんて冗談じゃないと思っていたところだったから。

リイナみたいに、苦痛に耐えられる自信はなかったし。


ただ……全く影響なしというわけにもいかないようだ。



「まああくまで鎮静剤とか麻酔に近い効果です、呪いの進行を抑えることができたわけじゃないので吐血とかはすると思いますが、死ぬその日までは動き回れますので安心を」



笑顔でサラッとどえらいこと言った。



「大丈夫です、痛くもないし苦しくもないし、倒れることもありませんから。ただし、一年後の今日この時間になったら必ず呪いが発動し確実に死にますからね。」



だからもうちょっとなんか……いい方ないの?

なんて、ツッコミは心の中だけに止めた。



「ありがとうリオス」



「運命にも呪いにも、負けないでくださいね。」



リオスがそう声をかけた直後、私の体の周りに光の泡が現れ、真っ暗だった空間が眩しいくらいに明るくなった。


そうか、もう戻る時間……そういうことね。


さぁ、現実に戻ろう。



そして、黒幕と魔女を捕まえて、私たちの平穏を取り戻そう



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆





ここまで読んでいただきましてありがとうございます!m(_ _)m


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