表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/54

第12話 儀式乱入

「紳士淑女の皆様方、どうぞお集まりください。」



アモルト神父はそのようにアナウンスをすると、それと同時に神官のうちの何人かは、参列者にグラスを渡し始めた。


中身は聖水、もしくはこの日のためだけに作られた聖水で作られたスパークリング。


聖女が神への挨拶を終えた後、みんなで乾杯するためだ。


元々はお清めの意味が含まれているので、儀式前に乾杯を行っていたのだが、今ではお祝いの意味を含むため、このような流れになっていた。


そしてそれを受け取った参列者たちは、レッドカーペットの両側にあるパーテーションの後ろ、所定の位置に集まった。


一列目は皇族、二列目は公爵……のように並んでいる。


そしてグラスを渡し終えたのちに、神官たちは両脇のパーテーションの内側に一列で並んだ。


ちなみに私は、いざという時にアモルト神父のせいにするために、列の先頭、アモルト神父の一番近い位置に立った。


おかげさまで二列目の奥の方にいるフィリックの顔がよく見える。

多分向こうも気がついたのだろう、私のことにすぐに気づいてこれみよがしにため息を吐いて呆れた表情を浮かべる。


ちなみに、騎士のクロウは入り口付近で警備をしていた。


アモルト神父はというと、その最前列から少し離れた場所、だいたい5メートル先、レッドカーペットの終わりの場所、神が眠ると言われる滝の前にいる。


リイナが入場したらレッドカーペットを歩き、神父から盃を受け取る。


小さな滝の奥に、少し窪みがあるらしいので、そこに盃を備える。

すると盃に変化があるそうなので、その時に神様と話ができるとかできないとか。


そして、神との対話が終わり、聖女と認められたら、リイナがそれを宣言し、みんなで聖水の入ったグラスで乾杯する……というのが今日の流れだ。


そして、その儀式の開始の合図が、アモルト神父によってなされた。

右手を軽く上げると、神官たちは一斉に頭を下げる。

そして私もそれに倣って頭を下げると……



りんっ



といった鈴の音が聞こえてきた。

それは、リイナを会場まで連れてきた、神官たちが杖を付く音。

つまりは聖女の入場した合図を意味した。


チラリと視線を挙げると、淡い水色のシンプルな聖女のドレスを着て頭に飾られたラインストーンが黒い髪によく映えていた。



「……綺麗」



思わず言葉に出てしまう。


悔しいな……せっかくのリイナの晴れ姿……ちゃんと見られなんて……。


まぁ、でも、ここまで何もなくてよかったわ。

リイナはレッドカーペットをゆっくり歩き、だいぶ前の方まで歩いてきた。


無事、列の先頭、私の前を通り過ぎ、あと数メートルで神父の元に辿り着く。


もう、ここまでくればロベリアの心配はする必要ないかもしれない。


私は心底安心して、ホッと息をついた


その時だ




パリン




「え……」




グラスが割れる音に驚き、私はパッと顔を上げる。


そしてその音の後、今度はジュッという、何かが一瞬で沸騰したような、そんな音が聞こえてきだ。


直後



「誰だ!」



という声男性の太い声が聞こえた。


その声に反応してザワザワという声が聞こえて、そのザワザワは会場にいる人間にどんどん伝染していった。


声の聞こえた方角、だいぶ奥の方を見ると、小さな悲鳴と、何かを避けるように動いているのが見えた。


そして、15列目あたりにいた神官が何かに押されたようで、「キャッ」という小さな悲鳴を挙げると、ばたりと音を立てて転ぶ。


その後ろからは……、見覚えのある黒いローブを着た誰かがぴょこっと現れた。


ピンクの髪……!



それを見た瞬間、私は反射的に叫んだ。



「誰かその子を捕まえて!!聖女を襲うつもりよ!」



ここまで読んでいただきましてありがとうございます!m(_ _)m


もし、面白いと思っていただけましたら、ブックマーク、星評価、感想、レビューいただけると制作の励みになります★



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ