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再スタート

あ、どうも、一度完結済みにしましたが、書きたくなったのでまた始めます。


 「なあ、鈴木」

 宮下先輩は椅子を斜めにして座りながら僕を呼ぶ。

 あーあ、絶対に転ぶぞ、これ。


 「何ですか」

 読んでいた文庫本を机の脇に置き、宮下先輩の方へ向く。


 「少し前に私達、最終回みたいな台詞を吐いていたよな」


 「あ、確かにそうですね、またなんか始まってますね」

 と橋本先輩。


 「……あのう、先輩方、止めましょう。色々と不味いです」


 「なあ、なんで、また、始まったんだ私達の物語」


 「うーん、作者が書きたくなったんじゃないんですか? あ、それよりも私、珈琲を飲みますが、宮下ちゃんと鈴ちゃんも飲みますか」


 「あの、その話は止めましょう、ホントに。後、鈴ちゃんって呼び方恥ずかしいです」

 橋本先輩は僕の事をずっと鈴ちゃんと呼んでいる。僕はそれが恥ずかしいので毎回訂正しているがまるで相手にしてくれない。それよりも、橋本先輩もそっち側なのか。


 「あ、私、珈琲がいい――うわああああ!」

 宮下先輩が見事にひっくり返った。真後ろに。

 

 「あー絶対やると思ってました。あ、僕も飲むので先輩は座っていて下さい」


 「……痛い」

 宮下先輩が頭を抑えながら呻く。


 ポットのスイッチを押し、湧き上がるまでにカップにインスタントの珈琲を入れる。

 僕は振り返り、宮下先輩と橋本先輩に砂糖とミルクの有無を聞く。


 「ミルクだけでお願いします」

 

 「……う、うう、私……ミルクと砂糖……うう、砂糖は多めで……う」

 宮下先輩は痛がりながらもしっかり要望だけは言う。


 「分かりました。後、宮下先輩、パンツ見えてますよ」

 

 「――ッ!」

 宮下先輩は弾かれたように起き上がる。

 元気じゃん。


 「宮下ちゃん、紐パンなんですね。意外です」


 「五月蠅い! ――ッ痛いいい!」

 騒がしい人だなあ。


 ポットのスイッチがパチンと鳴り、湯が沸く。

 三つのカップに適量、湯を入れる。

 一つにミルクと砂糖を入れる。

 一つにミルクだけを入れる。

 一つにミルクと砂糖を入れる。砂糖は通常の二倍。

 

 それらをお盆に乗せ、運ぶ。


 


 □□□□




 「そういえば、こんな噂を聞いたことはあるか?」

 珈琲を半分ほど飲んだあたりで、復活した宮下先輩が口を開いた。


 「噂ですか?」

 両手にカップを持った橋本先輩が聞く。

 僕は無言で続きを待つ。


 「ああ、実はこの校舎には出るらしいぞ」


 宮下先輩は一呼吸置いて、続きを言う。


 「人魂が」



前書きでも書きましたが、また始めます。

書きたくなったんですよね。

メタネタですが、これっきりにします。一度やってみたかったんですよね。


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