4 結婚を前提に
プシュケは、神官の支持どおりにエロスの神殿に来ていた。
「ったく・・・
まるで、嫁入りじゃないのよ・・・」
プシュケの姿は、ごてごてに飾られ、花嫁衣裳のようだった。
祭壇に、光の柱が顕れ、そこからエロスが現れた。
「ごめーん!
母さまや眷族を撒いて出てきたもんだから、少し遅くなった!」
やたらフランクに、エロスは声をかけてきた。
「なんの御用でしょう?」
「結婚を前提に、つきあって!」
プシュケは固まった。
「本気で言ってます?」
「本気。」
「マジ?」
「マジ。」
プシュケは、エロスにいきなり抱きついた。
そして・・・
「な・・・
ちょ・・・
翼撫でないで・・・」
なんと、プシュケはエロスに絡みつき、全身をなでまわしている。
「・・・・・・」
「私・・・
惚れちゃいました。」
言うと、エロスの矢筒から金の矢を抜き、腕に刺す。
「あのバカ息子ーッ!
仕事さぼっていちゃいちゃと!」
神殿でわめくアフロディーテ。
ゴンッ!
いきなり彼女のどたまをどつく者がいた。
「母上・・・
うるさいよ。」
そこにいたのは、アフロディーテと戦神アレスの長男フォボスだ。
「まったく・・・
父上が言ってたよ・・・
いいかげんにしろって・・・」
フォボスは、ため息をついた。