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イケメンはご遠慮いたします。  作者: 紫野 月
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 それから一生懸命お仕事をしたので今日は定時に終わりました。奥村さんはもう少し残って文書作成をしたいということなので、鈴木さんと二人で上がらせてもらいました。グッドタイミングです。

 連チャンで外食はお財布に痛いので駅前のカフェでお話しすることになりました。

「時間はたっぷりあるからね。千葉さんの言いたいことみんな言っちゃっていいよ」

 ここで問題です。

 総務での出来事を暴露しちゃっていいものでしょうか?

 総務は会社のあらゆる雑用を請け負っています。営業部だって少なからず接点があるはずです。

 ここで松木先輩の悪口を言って巡り巡って本人の耳に入らないとも限りません。いや、鈴木さんを信じてないわけじゃないですよ。いい人そうだなぁ…という気はするんです。それに今更松木先輩を怒らせたからって実害はほとんどないとは思います。(いや、あの人のことだから廊下で足を引っかけるくらいしそうですが)

 でも、総務でイジメにあってましたって言うのはちょっと……ね。社会人になったというのにそんな事も対処できない情けない奴だと自分から言うのも…ごにょごにょごにょ。

 なので詳しくは話さず大まかに、そしてオブラートに包んでお話しすることに致しました。


「なるほど。三大イケメンの一人、五十嵐さんと関わったばかりにいろいろ面倒くさいな事に巻き込まれちゃったってわけね。イケメンの周りにトラブルありか… どこも一緒ね」 

 鈴木さんの言う通りです。イケメン=トラブルメーカーです。これはもうこの世の真理と言ってよいでしょう。

営業部ここではそんなに神経質になる必要はないわよ。さっきも言ったけど、仕事上一言も喋らないってできないしね。お局様もそんなことで不機嫌になったりしないから」

 世間一般的にはそうですよね。ええ、分かってます。分かっていますが、イケメントラブルに巻き込まれない為には念には念を入れたいわけです。


「確かに水嶋さんが絡むといろいろ面倒くさい人だけど、それを仕事に持ち込んだりしないわよ。そこのところはちゃんと分別があるみたいだし」

「でも鈴木さん言ってましたよね。ライバルの足を引っ張る意地の悪い人がいるって」

「ああ、あれは別の人よ。お局様じゃないわ」

「そうなんだ。奥村さんの事じゃないんだ」

 そうか、そうなんだ。よかったぁ。そこがすごく心配だったんです。

 奥村さんと松木先輩、色々似ているところがあるんです。

 女子力の高い綺麗なお姉さんで、自分に自信があって、自分の意見をはっきりと言えちゃうとこ。

 だけど、そうですよね。雰囲気が似ているからって性格も一緒なんてことないですよね。

 嬉しくてついニマニマしていたら急にポン!と、疑問が頭の中に浮かんできました。このまま保留なんかにすると気になって仕方ないし今のうちに聞いておこう。


「あの… 一つ伺いたいことが」

「何?」

「私の前の人が突然辞めたのは水嶋さん絡みで何かあったからですか?」

「ああ斉藤さんのことね。違うわよ… あっ、でも元をただせば少しはあるか」

 それから鈴木さんは斉藤さんがいきなり辞めた顛末を熱く語ってくれました。

 要約すると、水嶋さんに思いを寄せ告白したものの見事に撃沈した斉藤さん。失恋で弱っていたところを広田さんに付け込まれ一夜の情事を… それが広田さんの彼女にバレちゃって事務所で大喧嘩。結果居づらくなってある日突然サヨウナラ。

 うわっ、何ですかその展開は!

 広田さん彼女がいるのに浮気……

 それも失恋で落ち込んでいる人を……

 っていうか彼女がいるのにデートしようって誘ってきたの?


 これは水嶋さんより広田さんの方が危険人物ですね。というより女の敵です。

 広田さんに対して怒りがフツフツと込み上げて参りました。

 今朝、コピー機での出来事は突然だったのでうまく対処できませんでしたが、これからばっちり対策を練ってやります。

 甘い言葉に惑わされて弄ばれるのはごめんです。

最後までお読みいただきありがとうございます。

感想、評価、ブックマークでの応援とても嬉しく思っています。

えー申し上げにくいのですが、ここでまたしばらく更新をお休みさせて頂きます。

膨らみすぎた妄想を整理整頓してなるべく早く戻ってこれるよう頑張りますね。

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