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イケメンはご遠慮いたします。  作者: 紫野 月
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 私の歓迎会も兼ねての初女子会ということで、お洒落な居酒屋にやって来ました。

 こんなお店初めてです。私の知ってる居酒屋さんと全然違うし… やっぱり素敵女子は行きつけのお店までグレードが高いです。

 とりあえずのビールと先付で乾杯してから自己紹介が始まりました。


 奥村 理子さんは三人の中で最年長の29歳。シックなスーツも華やかに着こなしてしまうプロポーションで、肌も髪もつるっつるのつやっつやな女子力の高い綺麗なお姉さん。

 鈴木 こももさんは白いリボンにポニーテールが似合いそうな溌剌とした女の子。私より年上なんだけど「可愛い」って思っちゃう。

 女三人和気あいあいと食事とお酒と会話を楽しんだ。

 私はもっぱら聞き役に回った。二人のマシンガントークにうまく乗れなかったし、二人の会話は営業さんの話題が多くてついていけなかったのだ。だけど奥村さんが時々私に話を振ってくれて、その気遣いがまた嬉しかった。

 二人の話しがひと段落した頃、奥村さんが質問してきました。

「ところで千葉さんは我が営業のイケメンツートップ、水嶋さんと広田君どちらがタイプ?」

 奥村さんと鈴木さんの目が興味でキラキラと輝いて見えます。

 やっぱり女子はこういう話題が好きですよね。


 水嶋さんと広田さんですか……

 見た目は水嶋さんです。

 黒いサラサラの髪に切れ長の目。これは和製の騎士様じゃありませんか。武士… というより剣士様。剣道とかの袴姿が超似合いそう。

 小林に会った時の何倍… いや何十倍もの衝撃が身体中に走ったよ。そのせいでしばらく意識飛ばしてたもん。さすが三大イケメン、小林なんかとレベルが違う。

 広田さんは三大イケメンに数えられてはいないけど、その噂がフロアの違う総務にまで聞こえていたくらい(まっ私は知らなかったけどね)格好いいです。

 何より彼の素晴らしいところは人当たりの良さ。クールで無口な水嶋さんと違って明るく話しやすい広田さん。私もそこを好ましく思っていたけれど、さっきの『女の子なら見境なく口説くイタリア人モドキ』だと知って若干引いております。

 

 ということで、二人限定でタイプはどちらと聞かれたら、一も二もなく水嶋さんですがそれを素直に言っていいものか……

 五十嵐のことが好きすぎて何回か立ち話をしていただけの私を目の敵にした総務の松木先輩ように、この二人のどちらか若しくはどちらも水嶋さんのことが好きで変にライバル心を待たれたら困るしなぁ__

 なので、ここは

「二人ともとても素敵ですよね。どちらかを選ぶなんて私には無理です」 これでどうだ。

「えっ、そうくる?」 と鈴木さん。

「そこを敢えてどちらかというと?」 と奥村さん。

「そうだよ。あの二人全然タイプが違うじゃない。陰と陽、静と動なみに。どっちがより好きなの?」

 ううう…… ぐいぐいきますねぇ。

 私の好みなんか知ってどうするんですか。 はっ、これはやっぱり探りを入れられているのでしょうか。

 このまま有耶無耶にはさせてもらえない雰囲気ですね。ならば、

「……そうですね、どちらかっていうと」

 奥村さんと鈴木さんの目が「それでそれでっ!」って訴えています。そこまで興味があるんっでしょうか?

「……広田さんかな」

 途端、二人から喚声が上がりました。

 もうこれは女子高生のノリですよね。

「そうだったんだぁ」「じゃあさっきの悪い事しちゃったわね」なんて、大層盛り上がっています。


 先ほど広田さんが話し掛けてきた時、奥村さんは鈴木さんに「広田さんと付き合えば」って言ってたし、鈴木さんは「こいつとだけはありえない」って言ってました。なので、大丈夫そうな広田さんを選びました。より確実に安全そうな方を選んだのです。

 今の私は水嶋さん広田さんそのどちらもタイプではありません。

 もう二度とイケメンを好きにならないことにしたんです。

 たとえ水嶋さんが『私の好みドストライク』だろうとです。

 イケメンに近寄るとロクなことがない。

 私は学習したのです。




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