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イケメンはご遠慮いたします。  作者: 紫野 月
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新連載を始めます。宜しくお願いします。

このお話の主人公は手酷く振られたり、社内で孤立させられてたりと不幸が続いています。

主人公は脳天気であまり深刻に悩んではいませんが、虐めなどの表現が出てくる可能性があると思いますので、苦手な方はご注意ください。

「あっ、千葉さんごめん。今日締めの伝票まだあったみたいなの」

 そう言って私のデスクに伝票が積み上げられました。

 現在の時刻はpm5:18。これは残業決定ですね。

 今日は花の金曜日。お友達と食事の約束してたけどお断りの電話してこなきゃですね。

 これでドタキャンは何度目でしょう。そのうち誘われなくなりそうです。

 そんなことを思いながら伝票を見つめていると松木先輩が仰いました。

「仕方ないじゃない。ここに上がってきたのさっきなんだもの。文句があるなら営業に言ってきて」


 ……先輩。私、知ってます。

 この伝票、朝から先輩のデスクに置いてありましたよね。

 しかも頼まれたの、あなたですよね。ハッキリ言って私の仕事じゃないですよね!

 ……でも、入社一年目の私はそんなこと言えません。

 先輩は私に押し付けると、いそいそと自分のデスクを片付け始めました。

 おそらくこの大量のお仕事、私一人でするんですね。誰も手伝ってはくれないんですね。

 あたりを見まわしましたが、みんな私と目も合わせてくれません。同期も知らんふりです。

 そりゃそうですよ。金曜だもん。皆さん楽しい予定がありますよね。早く帰りたいですよね!


 でも、理由はそれだけじゃありません。

 実は 私 今、私が所属する総務課の中で微妙な立場にいるんです。

 ここ数ヶ月程前から女子社員の皆さんより地味な意地悪をされているんです。



 

 突然ですが、私の勤めている会社には、とても有名なイケメンさんがいらっしゃいます。

 それも三人も!!

 その三人のイケメンさんはタイプは異なりますけど、顔は極上、仕事は優秀、おまけに独身なんです。

 人間、外見より中身だってよく言いますけど、やっぱり外見がいいのに越したことはありません。

 彼氏にするならフツメンよりイケメンがいい!

 なので、この三人の彼女の座を狙って、日夜激しいバトルが繰り広げられているらしいのです。

 さて、察しのいい方ならここでピンときたことでしょう。

 私が職場で浮いてしまったのはこのイケメンさんの一人と不用意に接触してしまったからなのです。

 しかも、運の悪いことに総務課の首領ドン)こと松木先輩が思いを寄せている人、システム課にいらっしゃる五十嵐 真さんだったのです。

 女子社員の人気者 五十嵐さんと、入社したてのペーペーな事務員わたしに接点などなかったのですが、とある出来事がきっかけで知り合いになり、そしてその後も必要以上に気にかけて下さったおかげで、私は松木先輩の逆鱗に触れてしまったようなのです。


 今更ですが自己紹介させてください。 

 私の名前は千葉 美鈴。23歳 (株)成瀬興産 本社 管理部 総務課に勤める一般職の事務員です。

 この春入社して約半年。仕事にも慣れ、職場の上司や先輩方とも打ち解けてきて充実した毎日を送っていました。

 仕事中では厳しい先輩方ですが、休憩時間には雑談とかできるようになってきて、いろんな話を聞きました。もちろん、三人のイケメンさんの噂話も。

 三人のイケメンさんとは課が違うので本人と直接会ったことはありません。

 五十嵐さんとだって、遠目で見たり写真を見せてもらったくらい。

 そんな近くて遠い存在だった五十嵐さんと出会ったのは偶々の偶然。なのに、並み居る先輩方を差し置いて、私が五十嵐さんにラブハントを仕掛けたと勘違いされてしまったのです。

 そんな度胸私にはないのに……


 松木先輩ソームのドンがお怒りになったのならば、下っ端社員はそれに従うしかありません。

 なので、今私はちよっと辛い職場環境に置かれているのです。

 ボッチ 淋しい

 仕事  大変

 人間関係 難しい

 どうすれば、この二進も三進も行かない状況から抜け出せるのでしょうか。

 そんな事をつらつら考えながら伝票を眺めていたら松木先輩が帰り際に一言仰いました。

「余裕ね千葉さん。でも早くしないと主任の機嫌が悪くなるわよ」

 そーでした。

 早く仕上げてハンコを貰わないといけません。

 これが終わらないと主任も帰れないわけだし…

 私は慌てて伝票をめくった。



 


最後までお読みいただきありがとうございます。

感想、意見などございましたらお気軽にお寄せ下さい。作者は大変喜びます。



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