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序章
序章です。
次回より本編突入予定です。
あいつとの出会いはまだ小学校にあがる前だった。
短い髪はぼさぼさ、服は泥だらけ
何故だか、周りには目もくれず、まっすぐにこっちへやってきたあいつは、
両手で作ったピースサインをおでこにひっつけて前歯の抜けた口を気にも止めないとびっきりの笑顔で
よろしくおねがいしますっ
とおもいっきりあたまを降り下ろした。
直後ばらばらばらと背負っていたリュックからあめ玉が降ってきたのが、やけにゆっくり見えた。
人生で初めて「引く」という体験をした瞬間だった。
まさかこんなに長く、「よろしく」されるとはおもいもしなかった。