オープニング
2016年12月1日
今年は例年に比べて明らかに寒気が訪れるのが早い、それは間違いないのだ。
寒い寒い、寒い寒い寒い・・・
俺は今日も学校での平穏な生活を終え、家路についていた。
「あぁ、コンビニで揚げ物でも買うべきだったなぁ・・・」
ブツブツと念仏のように愚痴を唱えながら家にたどり着いた
「ただいまーっす!・・・・って誰もいないか」
そう、俺はこの広い屋敷にたった一人で住んでいる、というか今は一人だ。
なんでかって?
「そりゃ俺の家族は(俺を除いて)2ヶ月間も海外旅行に行ってるからさ・・・はぁ・・・」
常人からみたらかなり異常なことを俺は呟いているのだろうが、残念ながらもうこんな事には慣れっこだ。俺は幼い頃に両親を亡くし親戚の家へ引き取られた。
もちろん同情や哀れみなどではなく俺の両親の莫大な遺産が目当てであった。
"新しくなった"両親はろくに俺に愛情を注ぐことは無く、自分たちの一人娘の面倒ばかりみていた。
この娘は"月城 愛"。俺の"妹"にあたり、幼い頃の唯一の話し相手でもあり、理解者でもあった。彼女だけは自分に平等に接してくれた為、彼も彼女とだけは仲がいい。(唯一今回も妹だけが俺を連れていくよう頼んでくれていたみたいだった)
それにしても―――
今日は本当に寒い日だ
俺の名前は 月城 猟
とある田舎町の高校に通う17歳。
これは、”戦争”などとは無縁であったはずの俺が激戦に身を投じる物語である。