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獣人の求婚  作者: 花ゆき
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獣人の休息

 最近、ライルは新居のために奔走していることが多い。仲間と相談しながら建てているらしい。そのため、家に帰ってきた時はぐったりしている。


「お疲れ様」


 ソファに横たわる彼が私を見上げ、もたれるように抱きついてきた。随分疲れているようだ。彼を労るように頭を撫でていると、私の肩に頭をのせてスリスリとしてきた。子どもの頃を思い出すような甘え方に、思わずクスリと笑う。


「しばらく、こうしていてもいいか?」

「いいよ」


 どんなに逞しくなっても、根幹は幼いころと変わらない。優しくて、それでいて甘えん坊。だからわざわざ聞いてくるのだろう。彼をたっぷり甘やかすために、背中に手を伸ばして受け入れた。



 しばらく抱きしめていると、二人の体温で暖かくなってきた。ライルは最後にと強く抱きしめて離れた。少し寂しいなと思っていると、彼が頭をわしわしと撫でる。親に頭を撫でられなくなって久しく、弟のライルが生まれてからは彼の特権だっただけに、懐かしい思い出が蘇る。


「リーシャもお疲れ様」

「ありがとう。久しぶりで気持ちいい。ね、もっと別の撫で方がいいな」

「どんな撫で方がいいんだ?」


 記憶に蘇った父の撫でる手を思い出したのだ。あまり話さない父ではあったものの、撫でる手は優しかった。言葉にするのが恥ずかしくなって、俯いてしまう。それでも、彼の視線に負けて言葉にした。


「ぽんぽんされるのがいい」


 声は自然と小声になってしまった。彼は間をおかず、言葉通りにぽんぽんと撫でてくれた。その手が、記憶の中の父に重なる。ライルは父親似だなと思って彼の顔を見ると、彼は優しい目で見ていた。その目に彼への愛しさがこみ上げる。


「ライルの手、優しくて好き」


 手のひらに頬ずりすると、彼の腕がピクリと震えた。顔は無表情を装っているが、腰を見下ろしてみるとシッポが喜びを表したかのように揺れていた。微笑ましくなって彼の目を見つめて笑うと、彼はバレたかと照れくさそうにしていた。


「それだけ?」

「……全部好き」

「よく言えました」


 ライルの広い胸に抱きしめられる。今は一番安心する場所だ。彼の温もりに瞳を閉じる。

 抱きしめ合って、互いに充電する。今日は休息日和。


ライルの頭を撫でてみると、こちらの肩に頭を乗せてしばらくこうしていてもいいかと甘えてきた。わざわざ聞かなくても、いいに決まっている。 http://shindanmaker.com/458063


リーシャの頭を撫でてみると、撫で方が違うと言われた。どんな撫で方なら気に召すのかと尋ねると、恥ずかしそうに俯きながらぽんぽんされるのがいいと小声だが答えてくれた。よく言えました。 http://shindanmaker.com/458063


診断メーカーの結果から、書きたいと思いまして書きました。

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