雨の降る帰り道
小さな 穴のあいた 傘 を さしていた
上を みると 大きな 世界 が 広がっていた
黒い 傘 の さきっぽ に 白い 世界 が ひろがった
周りは 大雨 なのに 穴 からは 雨粒 ひとつ おちてこない
「おはよう」
ともだち が 声を かけてくる
あっ
世界から雨が降ってきた
白い世界は消えた
僕の世界は終わった
独りだけの、子供のうちだけ見られる
僕の世界は終わった
終わってシマッタ
雨はやまない、僕が大きくなっても大人になっても
もうやまない
僕にはもう 空 は見えない
世界は キエタ