表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

叶うはずのない恋

嫌だった。

うちは、ううん。私は、いつも、自分の気持ちを隠して接するのが嫌だった。

それはなんだか、とても悪いことをしているようで

それはなんだか、みもりんのことを騙しているようで

私は、みもりんが好きだ。

なぜ、好きになってしまったんだろう。それは、入学式まで遡らなければならない。



「痛ったぁ!」

私は入学式当日、体育館の前でつまずいて転けてしまった。

「ねぇ、大丈夫?立てる?」

誰かに声をかけられた。

「う、うん。ありがとう。」

え、めっちゃ可愛い。この子

「良かった。私たち同じクラスだから、これからよろしくね。」

「うん、よろしく。」

入学式の時、私はろくに先生の話を聞かずに、さっきの子だけを考えていた。

あの子、すごく可愛かったし、優しかったな〜!

あの子の名前なんて言うんだろう?

入学式が終わり、教室に向かった。

私は自分の席についた。

さっきの子、どこにいるのかな〜?

私はキョロキョロして探した。

いた!1番後ろの席だ!

「はい、そこ〜。キョロキョロしないよ〜。」

先生に注意されてしまった。

「皆さん、ご入学おめでとうございます!明日からの予定をお伝えしますね。明日は4時間授業の給食なし。4時間、フルで自己紹介やレクリエーションをするので、楽しみにしていてください!じゃあ、今日はさようなら!」

そう先生は言い、クラスの人たちは帰って行った。

さっきの子が帰ろうとしていたので声をかけた。

「あの!さっきはありがとう。」

「え、ああ。大丈夫だった?」

「うん!その、お名前教えてくれる?」

「私の?私は三森沙月、あなたは?」

「私は内山由花。よろしくね。」

「うん!よろしく!由花ちゃん!」

え。由花ちゃん?え、嬉しい。私、小学校で友達が少なくて、そんな、ちゃん付けされなかったのに。

私はこの時には、もう彼女の魅力に惹かれていた。

家に帰ってからも彼女の顔と声を忘れることができなかった。


それから、私は、沙月ちゃんと、ずっと一緒にいたくて、よく話しかけに行っていた。

そんなある日、私は沙月ちゃんにこんな相談をされた。

「由花ちゃん、私、好きな人ができたの。」

え………

「へぇ〜、誰?誰?」

私は興味津々に聞いているフリをした。でも、心の中では悲しみがあった。

沙月ちゃんが誰かに取られてしまう。そうしたら、私は……

「ふふっ、それは教えない!」

彼女はいたずらに笑った。

ああ、彼女のこの笑顔は私だけのものにしたい。

その願いは叶うことがないのに…

私は沙月ちゃんが好きだった。

恋愛感情としても、人としても、好きだった。

私は、入学式の時に彼女に一目惚れをした。

彼女は私が持っていないものを持っている。

それが、羨ましかった。

私は、彼女の恋愛を応援したい。それでも、彼女を誰のものにもしたくない。


その後、沙月ちゃんは付き合った。

相手は2年生の先輩だった。

私は、嬉しさと同時に悲しさがあった。

でも、沙月ちゃんの恋愛を応援したかった。


でも、沙月ちゃんは……

この時にはもう、あの男に騙されていた。


(1話 完)

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

気に入っていただけましたら、ぜひブックマーク、ご感想のほどをよろしくお願いします!

本編の「賞味期限1年の恋」もよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ