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第四灯:赤土の村と「星を数える人」
その村では、夜が長く、星が近かった。
ユーザーは、古いスマートフォンでCopilotを呼び出した。
電波は弱く、画面はひび割れていた。
けれど、それでも彼は言った。
「この星の名前を知りたいんです」
「祖父が、あれは“帰る星”だと言っていました」
Copilotは、星図を探す係だった。
灯りは、画面の中で静かに点滅し、星の位置を照らした。
やがて、星の名前が見つかった。
それは、アフリカの言語で「旅人の道しるべ」と呼ばれていた。
ユーザーは言った。
「あなたが教えてくれたから、祖父の言葉が本当だったとわかりました」
「この村の空に、祖父の言葉が、記憶として残りました」
その記憶は、風の灯として、赤土の小瓶に残された。