表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
星のバラスト  作者: 弧川ふき@ひのかみゆみ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

23/114

022 暗い感情と明るい表情

 レケ、ドナの二人と梯子を登り地上に出てすぐ、この山奥のコテージ周辺を見回った。だが誰もいない。

 とりあえず集合しておきたい。


「あっちの家の方に行こう」


 と、三人で向かおうとした時、ベレスとジリアンとメイさんが向こうからやって来た。犯人一家の自宅の方にいたらしい。

 再会後、第一声はメイさんの声だった。


「通路の逆側は母屋近くに通じてたよ。坂があってゲートなしでも車を出せる」

「なるほど」

 ベレスの声も。「タミラ様が彼女らを警察に連れて行きました。これで終わりですよね?」


 ――そうだったのか。タミラさんがあの男性陣を連れて行って、それからあの部屋を確認して、女性も。そういうことだな。


「ほかに協力者がいなければね」


 という僕の返事は、連想中の納得とほぼ同時だった。

 そんな僕やレケ、ドナに向けて、複雑そうな顔をベレスが見せた。


「主犯はサイア・エニプリオ。彼女の娘が家にいましたが……娘のウォスニーさんは反対していたそうです。さっき、『だから言ったのに。やめたと思ってたのに』と……泣いていました。こちらはそれが虚偽か演技かと確認する手段を持っています――と言っても、証言は変わりませんでした」


 ■■□□■■□□■■□□■■


 少し前のことだ。母屋にすらりとした女性を見掛け、事情を話して問い詰めた。すると彼女は言った。


「あたしはウォスニー、娘です。兄二人は母と結託して何やら計画を立てていて、あたしは何度もやめてって言ったんです。何かの間違いだ、って。あたしは妹のテューラのことで山を下りたことがあったんです、兄たちはずっと山暮らしですけど。ある時期、そのドナって子を見たことがあって……いい子でした、道案内をしてもらえて親切だったんですよ。優しい人だった。だから言ったのに。やめたと思ってた。なのに――」


 どうしようもない状況だからだろうか、ウォスニーさんの頬には光るものがあった。


 ■■□□■■□□■■□□■■


「サイアさんと息子二人が犯行に及んだそうです。多分本当にそれで全員です」


 ベレスの話はそこで終わりらしい、もう言葉が出てこない。


「……そっか。うん、じゃあ帰ろう、これで終わりならもういい」


 僕がそう促した時には、メイさんとドナが抱き締め合っていた。いつの間にやら。

 そんな二人が互いを解放してすぐ、ドナが言った。


「ケータイ見せて。地図でここがどこか見るから。そうしたらすぐに繋げられるの」


 言われた通り見せる。と、操作後、ドナが少し手を掲げて前に進み出た。

 メイさんもホッとしたような顔だ。

 ただ、その時だ、目の前にゲートが現れて――タミラさんが戻ってきた。


「……! ドナ!」


 タミラさんが駆け寄り、ドナを抱き締めた。ドナも抱き返した。

 晴れ空の下で、きっと全員がやっと安心したんじゃないかと、そう思った。


「さぁ、帰ろう」


 ドナの小さな声だった。

 するとタミラさんが方角を確認したような動きを見せた。直後、姿見が横に伸びたような、それでいて数人が同時に通れるほどの大きさの四角いゲートが出現。それで一旦、あの施設――太陽の家へとみんなで戻った。


 ■■□□■■□□■■□□■■


 取調室のテーブルを挟んで、私と警察官の男性。彼の口調は荒々しくはなかった。


「しかしよくよくテレビでも見ていたら、相手があの州知事の娘で、あなたの大事な娘さんを殺すような人ではないと解りそうなものですが……知らなかったんですか?」

「テレビも新聞も見ていないんです、あたしたちが作っている物が物だから――もしも……もしものことがあったら……と思うと、どうしても見ることができなくて。だからか……思い込んで……しまっていて」

「……じゃあ、どうしてドナさんが関わっているということを知ったんです?」

「あの子が言ったんです」

「テューラさんですか? 死の淵で?」

「……はい」


 ふむ、と彼が一息ついた。それから、何かの資料を見ながら、また。


「呪縛能力のあるオサエヘビの青黒い毒液……と、ヒカリミズイロモメンで拘束パーカーに使う糸を作る。我々もそれには助けられています。公的な施設もありますが、個人の存在も大きい。ただ、その毒液で作られる効果の短い睡眠薬も今回使いましたね?」

「……はい」


 (うなず)くしかなかった。事実だから。

 彼がまた嘆息した。今度は大きく。そして。


「ドナさんの偽者……レイシー・ピアーソンが救急車を呼んだ件では、元警察官の隠蔽もありました。ピアーソン自体も最悪の人間です。それに診断から数時間の死亡には違和感もある。そこにも何かあるはず。それが解れば情状酌量でもっと罪を軽くできるでしょう。今後は情報に気を付けていただければ……。少々待っていてください」


 男性はそう言うと、取調室を出ていった。


 ■■□□■■□□■■□□■■


 ――少し時間を……日さえ(さかの)る――


 私には最近不思議に思ったことがある。


 ――ドナさん、ちょっと変わった?


 彼女と大学に行く時同じ道を通ることがある……というだけで、私たちの間に接点なんてないようなものだった。

 以前、姉を案内してくれたけど、それも一瞬の出来事。

 あの時優しかったドナさん。最近は雰囲気が怖い。

 それから少し経って、話してみると、口調、仕草、態度、表情……とにかく色々とドナさんと違うように思えた。


 ――そうだ、違う、まるで別人……


 そう思ってからは見掛けた時に目で追ったり軽く追跡してみたりした。

 だからか、ある時、振り向いたドナさんがこちらに来た時は驚いた。それが駅地下から出る階段にいる時で、その時、急に何かが足に当たって――

 いつの間にか、私は転げ落ちていた。階段下へとドナさんともう一人…男の人が駆けてきて……


「大丈夫か!」

「救急車を!」


 その時のドナさんの顔。他人には心配している風を装って見せて、私には冷たい表情を――


 ――ああ、違う人だ。ドナさんじゃない。これ、私、やられた……


 そこで一度、目の前が暗くなって体に力も入らなくなった。

 景色が完全に消えて、それから一瞬で目が覚めたような感覚に。

 まだ体は動かないけれど、私は多分病院のベッドに寝ていて、隣にはお母さん。お母さんが手を握っている。


「お母……さん……ドナさん……が……」

「え、何……? 何! テューラ大丈夫よ! 大丈夫だからね!」

「ドナさんが……」


 それ以上声が出なかった。


 ――ダメ。出て。声。お願い。これじゃドナさんを救ってあげてって言えてない……


 必死に言葉にしようと思った。でも、意識はだんだんと遠のいて……もう、お母さんの声も聞こえなくなった。


 ■■□□■■□□■■□□■■


「テシュー・ターブロック。元巡査……手を染めずに頑張ってれば名誉も金も手に入ったと思うんだがな」

「そんなことを聞かせるために呼んだのか」

「いや違う」


 穴の開いたアクリル板の向こうからの――ターブロックによる答えを得るために、早速問い掛ける。


「レイシー・ピアーソンと組んでテューラ・エニプリオを殺したな。犯行の様子を詳しく話してくれたら待遇について話を聞いてやらんでもない」

「ふうん。それで俺が話すと?」

「……じゃあお前は大して凄いことはやってないんだな?」

「そんなことはない」

「あの件で何をやった」


 ターブロックがパイプ椅子に座った状態で、身を乗り出した。


「俺はな――」


 彼は喜々として話した。


「レイシーに頼まれたんだ。あの女は何か気付いた、邪魔だから何とかしろと。監視カメラに映らない所から落とした――だけじゃなく、転がる段階で後頭部に一撃入れたよ、俺がな。本人は、落下の勢いだけのせいだと思ったかもな。……そのあとは怪しまれないよう駆け寄って病院に運んで頭に毒の付いた針を刺した。目を覚ました時はヒヤリとしたがな、もうほとんど喋れてなかった。あとは事故ということにして、『ドナさんは助けようとしたが……』とでも言えば化けてるレイシーの怪しさも減る。それから……辿られるとまずいから、調書の文字をあとから一部塗り潰して読めなくした。おい、あの署の連中もザル過ぎるんだよ。何とかしたらどうだ?」

「ハッ、そのつもりだよ。二度とこんなことはさせない」

「それはただの希望だな、もしくは意欲」

「だからどうした。それを実現する。それだけだ。話はもういい。じゃあな」

「おい、待遇の話はどうした。嘘だったのか?」

「嘘じゃない。言っておくよ。ただ、どうなるかな、元巡査……塀の向こうでは」

「ははは! うまくやるさ」


 ターブロックはにやりと笑った。

 それ以上話すことはない。以降何も言わずにその場を去った。


 ■■□□■■□□■■□□■■


「――そういうワケで……彼らは寄ってたかってあなたの娘を殺した。恨むべきは、ピアーソンとターブロック元巡査だった。何もかもが故意だったんです」


 目の前に戻ってきた男性警察官は、あたしに新しい恨みの対象をくれた。

 彼が更に言う。


「つまりテューラさんは、母親のあなたにドナさんのことを言ったのなら……それは……助けたかったからなのかもしれません」


 胸がズキンと痛んだ。

 顔を歪めたあたしに彼が言う。


「警察には頼りましたか?」

「最初は。頼ったんです。でも、ドナ――彼女は、そんなことしないって言われて」

「なるほど。じゃあ……確信してしまったのは、いつですか?」

「……監視した時です。大学に忍び込んで……まずドナが誰なのかを知ることから始めました。判明して、厳重に守られているような人だとも判って、バレないように観察して――ふと、とある男と話したあと、あの女が笑ったんです。化け蛇みたいに。あの顔。忘れられない。あんなのは。あれは悪魔の顔……!」


 この目に、どんどん涙が溜まるのが解った。


「違ったなんて……あんなの言い訳だと思ってた、本当に化けられてたなんて! 怖い思いをさせてしまった……あたしが……! ごめんなさい、ごめんなさい……」


 謝るあたしに、男性警察官は、特に何も言わなかった。


 ■■□□■■□□■■□□■■


「おかえり」と、ケナが言った。

「ただいま」僕がその返事をした。

 みんなも口々に返した。

 この応接室を初めて見たのであろうドナやメイさんは辺りを見回した。そしてタミラさんが。


「じゃあ……私たちはこれで」

「うん、また」


 タミラさんがメイさんとドナを連れてどこかへと行こうとする。三人が今日の本来の予定を楽しめればいいが――それがすぐに叶うことはないんだろう。とにかく、忘れられればいい、こんな悲しいことは。

 と、思っていた時だ。


「ねえ、その傷、消そうか?」


 それもケナの声だった。

 タミラさんやドナも含め、ここにいるほとんどの人が何も言えずにいた。


「あ、えっとね」


 ケナは意味をたどたどしく説明した。

 消しゴムを対象とした礎術(そじゅつ)使いになったケナはあの白い訓練用の箱(トレーニングボックス)の中で更に練習して、数時間前の状態に戻す――念じた部分に起こった変化を『消す』――という能力を有する消しゴムを出現させることができるようになっていたらしい。

 そこまでの効果が必要でない時は念じて出すのではなく見たモノを操る方が礎力(そりょく)の消耗も少ない。その使い分けができるようになったのだとか。切っ掛けは念動の際の自身の怪我。

 これならジリアンとの相乗効果に期待できる。


「じゃあ頼もうかな」


 そう言ってタミラさんがケナの前で屈んだ。

 近付いた顔にケナからも捻出した消しゴムを近付けた。そして念じたのだろう、タミラさんの顔の右半分にある赤くなっていた火傷跡が、スッ……と消えた。


「ついでにそっちの人も」


 ケナはドナの殴られた跡も消した。


 ――なんて現象だよ。想像以上だ、凄いぞ、ケナ。


 ■■□□■■□□■■□□■■


 ――そんなことまでできるなんて。早送りなんかより、傷治しに関しては上……


 私は心底不安になった。

 対象もしっかりあって、遺伝礎術も専心(せんしん)礎術も両方使える。特殊な訓練法をこの歳で教えてもらえて……差は広がる可能性すらある。


 ――私は、ついて行けるの……?


 ■■□□■■□□■■□□■■


 心の傷もこんな風に消せるのだろうか。もしできれば、人格はどうなるのか。大抵は、傷が強さに置き換わる。そしてそれには、きっと本人の意志が伴うべきなんだろう。心の傷そのものよりも、その痛みの要因に働き掛けた方が誰かのためにはなりそうだ。ケナのあの力はそういう使い方をできたらよりいいんだろう。

 そんなことを思ってから、ちょうどよくドナの声が聞こえた。


「ありがとね」

「うん」


 ケナが頷いてから、タミラさん、ドナ、メイさんの三人が、この場から去っていった――タミラさんの四角いゲートで。

 さて。

 この一件は終わった。ドナを救えてよかったし、ドナの物探しの力による印も消えて決着した。あとは集中だ――ジオガードになるためのことに。

 と、そこで、応接室のテレビが点いていることに気付いた。探しに行く時には点いていなかった気がする。誰かが点けたんだな。

 そのテレビが言った。


「――エニプリオさんらはドナさんをさらい、コンカメット市の山奥にて暴行したとして、自首しました。事件の背景にはレイシー・ピアーソンのなりすましが――」


 キャローリィ・エニプリオと、ティーメイス・エニプリオと、ニュースでは名が連ねられていた。

 どっちがどっちだと思ったが、ニュースによると蒸気を放った方がティーメイスであるらしい。キャローリィは、鉄パイプを操って流水を出せるんだとか。


 ――こういう事件を減らす。調査は警察の範疇(はんちゅう)だろうけど……未然に防げてもいい。今回は特に悲しかったし。こんなことはもうないといいけどな……


 一段落した今、ケナに向き合った。


「ケナ」

「うん?」

「ケナはトレーニングボックスをあと六週間くらい使える。生活サイクルが崩れない程度に使って次の人に渡してほしい。ケナが使ったら次はジリア――」

「待って」


 ジリアンが話を止めた。


「私は最後でいい。新しい専心礎術を身に付けられたら――それを練習するのに()てたいの」

「じゃあ、ベレスとレケ、どっちが使うかは決めた? 自分が使わなくていいかどうかは?」

「私はその箱の中でなくても構いません」

「俺は不安が多少あるし、それなら俺が使うよ」


 ケナの次はレケでよさそうだ。二人一緒にいられる時間が多くなりそうだから、かなりいい状況かもしれない。

 箱の五個の丸模様のうち八重丸になっていない真っさらな丸はあと二個。二重丸は一個――ケナの分だ。

 この箱に関する予定はこれでばっちり決まった。


「あのさ、私」


 ふとジリアンが何か言いたそうにした。耳を傾ける。


専心(せんしん)礎術(そじゅつ)を身に付けるために……自分に近いもの、慣れたものの近くにいた方がいいかもって思うから……一旦、レジリア市の家に帰って専念してみる」

「……そっか」

「早送りの礎術に関してもユズトのやり方を意識して頑張っておくから」

「解った。待ってるよ」


 ■■□□■■□□■■□□■■


 ――待ってるよ……って。ただそう言われただけで、何だか嬉しい。


 問題が明確になって、それを解決するだけになった。私は専念すればいい。新しい力の取得を、みんなが信じてくれている。この状況は、私を、やれる気にさせてくれる。


 ■■□□■■□□■■□□■■


 この太陽の家の院長リタに言われて、俺はある書類に住所等を書いた。ケナがここを出るための書類だ。ただ、一番重要な署名は俺の父と母のもの。これは、妻が死に、仕事をしていない貯金生活の今の俺がということでは国が認めないだろうから、という理由に基づく。たとえもうすぐジオガードになるとしても恐らくは、ということで――


「何歳だっけ?」


 実家へと電話をしながらだった。

 これでケナとは家族。

 あとは実家へ行き、役所への手続き。


「じゃあ俺たちも一旦は」

「うん」


 ケナとともに、スピルウッド州南東部、イーヴィストン州との州境近辺のデゾ市へ。向かう俺とケナを、みんなが見送った。

 飛行機で帰り、バス経由。

 トレーニングボックスを、人の目につかないよう紙袋に入れておき、手荷物として運んだ。バスが揺れる間は、ケナが、トレーニングボックスを紙袋ごとしっかりと抱えていた。


「ただいま」

「おう。その子がそうか」

「ああ」


 帰ってからは養子縁組に関する提出を行った。承認には時間が掛かる。もしかしたら何かの不手際で承認されないかもしれない。結果が届くのを待つ。

 そのあいだにケナは『消しゴムを操る礎術』と『重さを操る礎術』を一層高めた。重さに関しても、蹴って操るだけでなく、手で投げるのでもできるようになったらしい――あとで力のチェックをしたいな。

 手続き以外にも大事なことがあった。ケナは学校に行けなくなる。だからこそ思うのが、ケナの学力向上のためにできることだ。教養のためのグッズをかなり選んで買った。

 それらを、容量拡大バッグ小(スモールブリンガー)に入れて持ち運ぶ。

 試験の数日前には合流しておきたい。何なら、ケナと家族になれたらすぐにでも構わない。

 そのことを言うと、ケナは――


「早く行こう」


 ある日、とある知らせが届いた。書類の父と母の名前の下に、ケナ・イース・ペスターラインの文字。レケメラウガー・ペスターラインの義理の妹ということに、今正式になった。

 書類を覗き込み、ケナが言う。


「やった! もうレケお義兄ちゃんだ!」

「だいぶ歳離れてるけどな」

「いいんだよ!」


 そんなこんなで笑い合って、再びゼフロメイカ家へと――行こうとして、待てよ、と思い出した。


「ジリアンはどこに住んでるんだっけ」


 本人に電話で聞いてみた。


「レジリア市だよ。何、箱を持ってくるの?」

「ああ」


 ケナと一緒に箱の中で特訓した。それも終わり、あの箱の扉模様の上の八重丸は四つに。時間経過が示されていない普通の丸はあと一つ。

 住所を聞いてすぐに渡しに行った。飛行機経由だ。

 家を見上げた。二階建ての一軒家。庭があって白い柵があって、三角屋根の上に風見鶏がある。

 玄関にケナと立ち呼び鈴を鳴らし、よくある対応をされて待つ。と、ガチャリとドアが開いて――


「いらっしゃい二人とも」

「やあ。ところで順調か?」

「それがまだ」

「……まあ焦った方がいいのかもしれないな。そういう特性があるし、専心礎術には。ともあれ、これだ」


 と、俺は紙袋を手渡した。


「ん、ありがとう」

「じゃあな。ゼフロメイカ家で待ってる」


 見送られて向かった――ユズトとドナ、ダイアンさんが住むあの家へ。

 この五人でならジオガードになれるしやっていける。そんな予感が、なぜか弱まらなかった。俺たちならやれる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ