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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

警備4種 2

作者: コロリア

秋本慎也は拘置所に居た。


慎也「・・」


警官「203番、出ろ」


厳重過ぎる警戒網の中、SWAT隊に取り囲まれながら、ゆったりと歩を進める、姿が見えた。


白いカッターシャツに、灰色のスーツズボン、黒の目隠し、手は後ろ、手錠。


秋本慎也「これが、結局運命、か」


SWAT隊長「・・進め」


SWAT隊長が出る幕が減ったのは、彼のお陰だと、SWATの誰しもが理解していた。


皆悔しそうな顔だ。


日本で一番凶悪犯罪者が収容される場所。


北海道、札幌刑務所へ今。


豪華な設備護送車が、出発した。








中国マフィア。

頭である烏龍ウーロン痩せた若い男性「間違いないのか?」


ゴツい男秘書「はい、チャンスですよ、社長」


東京。


銀座で外国人グループによる普通より、少し余裕があるレベルの民家を昼間に襲う事件が多発。


最初は月に3件あれば多い印象だった。


翌月前半には12件、翌々月には日に5件発生。


東京から脱出する民が増加。


政府はコレを受け、AIによる発生予測パトロールやドローン監視プログラムを開始。


結果は大当たり。


大量の移民逮捕者が急増。


そんな中。


そんなー。


喧騒の世の中に紛れー。


本物が。





2028年、3月5日。


午前05:47。


公園でランニング帰り、公衆トイレに寄った男性、56歳が、第一発見者。



二名、どちらも幼い子供、二人共男性、顔をめちゃくちゃに潰された状態、裸、そして、他に外傷は無かった。




本物が、動き出した。







警察本庁。


捜査本部設置。


AIプロファイリングにより、犯人はホモ、ゲイで、ショタコン、しかし社会的地位がある為それを発散出来ないでいる、家庭持ち、身長170より上、190は無い、日本人、体格は太め、声は太く、低い、顔は美形寄り。


という事が上がった。


コレを元に犯人聞き込みを開始。


世間は犯人は直ぐに捕まるだろう。


そう楽観視していた。


南方歳三副長官、この男以外は。


南方「この犯人は本物だ!分かるだろ!!北条!!」


北条長官「何が言いたいんだね?副長、あと長官と呼べ」


南方「直ぐに彼の意見を聞くべきだ!!秋本慎也に!」


長官「いい加減にしろ!君は彼を特別扱いし過ぎている!この件はもうすぐ片が付く!見てろ!」


南方「この犯人は猟奇殺人鬼だ!被害者はこの程度では〈ピ〉


机、固定電話が鳴った。


固定電話〈ピルルルルルル、ガチャ〉


長官「はい、私だ・・・・なにい!?それで?さっさと厳戒態勢敷かんかあ!!さっさとしろお!!」


電話を切り、上着を羽織る。


南方のスマホにも着信。


北条は部屋から出ていってしまった。


南方「はい、私だ、・・ああ、そうか、は?今度は空き家で?」


被害者、4名。


子供二人、母親?らしき女性1名、父親らしき男性1名、いずれも顔がぐちゃぐちゃに潰れていて、身元特定出来る物は何も持っていない、全員裸、全員手を繋いだ状態で畳の上に寝ている格好。


子供2名を挟む形。


女性はまだ若かった。


つまり、女性は処女であった。


他人同士を家族として手を繋いだ事が後に判明。


この異常事態に、北条は、正式に民警にも依頼。


民警の上司は公安だ。


公安からの返事は断固拒否。


それもその筈。


貴重な人材を奪われたばかりなのだ。


秋本慎也の再雇用。


それが、この事態解決の唯一の手段だと、公安から意見書が提出された。






時は遡る。


2027年3月1日。


札幌刑務所。


〈ガラララララ、ピシャ、ガシャ、ガチャン〉


厳重な扉が閉まった。


此処には。


秋本慎也自身がぶち込んだ数多くの犯罪者達が居る。


元々の慎さんというあだ名で親しまれていた空気は微塵も無い。


刑務官らも大半、いや、殆んどの顔が変わっている。


何と、刑務官に中国人や、タイ人、ベトナム人が居るではないか。


警察官も人材不足と聞いて居たが、移民犯罪者を扱うのは、同族に任せようという国の判断か。


秋本慎也、午後14時01分、刑務所内、現着。


牢屋、部屋割り。


ロシア人マフィアの巣窟の塔、通称冷凍庫。


此処には、かつて慎也がボコボコにした凶悪犯罪者らがひしめき合う地獄。


ロシアンマフィアらは、今か今かと待ちわびていた。


そうー。


待ち侘びて居た、 筈  だった。


この男の体臭を嗅ぐまでは。


〈ガララララララララ、ガシャン、ガチャガチャ、チリン〉


秋本慎也、66歳、体格ゴツい、身長179cm、体重120kg、見た目は細く見えるが、芯、体幹、筋が普通の人より遥かにデカい。


部分鍛錬を毎日欠かさず行う生真面目さ。


コンクリートの壁を殴る蹴る、突く、が日課。


刑務官達は、噂だけを聞いていた。


だから知らなかった。


嫌がらせには、チンピラではなくー。


特殊部隊で、最 低 ラ イ ン だという事に。


〈オオオオオオオオオオオオオオオオオ〉


ロシア人達『・・・・ゴクリ』


今まで想像していた獲物より、遥かに強そうだ。


どうやってこの獲物を殺そうかー。




慎也「どうした?来いよ」


その一言で、火蓋が切られた。


屈強な男性8人が慎也に襲い掛かる。


慎也の左足の膝が一気に力が抜け、縮地、一瞬で一番後ろに居たロシア人の横へ。


ソイツが一番油断していた8人の中のボスだった。


一番の強者と自負。


獲物が疲れたらゆっくりとーという油断。


煙草を取り出し始めのポケットに手を入れ、少し前屈みに寄った体重。


その『間』


目の前に敵が迫ると認識。


手をポケットから抜く、咄嗟に頭をガードし始める。


金的蹴りが来る。


本能的に膝を曲げ、ガード、成功、だが、膝の皿が割れた。


頭が下がる。


ロシアボス「(やばい、今度こそ頭だ)」


目を4本指、突きではなく、触り。


ロシアボス「くお!?」


反射的に顔を上に逃がす。


顎を掌底で上に押しながら、後ろに回り込む動きに入る。


ロシアボス「やろ!!」


居ない。


ロシアボス「!?」


後ろは壁という認識、それが後ろに回り込まれない無意識となる。


膝下、裏側には少しだけ、スペース。


カニバサミ。


ロシアボスは転げる、体重が向かう方向、逆に足首を思い切り捻る。


〈ボキンポキポキキ〉


ロシアボス「あぎい!?〜〜〜」


か細い叫び声を上げた。


本当に痛い時、人は声を出せない。


2.3秒経過。


慎也「どうした?怖いのか?」


ロシア人達は、お互いに見合い、頷き、今度は慎重にリズムを取り出した。


慎也「本当に、 や り や す い よ、中途半端な馬鹿は」



ロシア人看守が通りかかる風を装い、終わった頃だと見に来た。


ロシア人看守「!?!?®¢£€℃®№®™!!!!」


慌てて他の刑務官に無線連絡している。


一人を除き、首を折られている、目は潰され、耳は取れ、腕、指、足は勿論骨折で曲がり、胸骨は凹んでいる。


ボス以外死んで居る中、慎也は熟睡していた。





慎也は、3日間懲罰房行きとなり、出てきた。


元々死刑囚だ。


殺しても大した罪にはならない。


命が軽い民警という組織がある現代では尚更だ。




運動時間。


中庭。


ロシア人達、整列。


全員が、土下座し、慎也を迎える。


ロシア人ボスが、松葉杖をつき、慎也と共に現れた。


ロシア人ボスが煙草を差し出し、火をつける。


慎也「すーー・・・・はあああああ・・」


ロシア人ボス「お疲れさまです、キング」


新たな秋本慎也のあだ名であった。


慎也「しんさん、って呼べ、殺すぞ?」


ロシア人ボス「し、失礼しました、し、しんさん」


慎也「おう」



12秒で慎也は札幌刑務所内、冷凍庫区画の王となった、それは実質的に、刑務所内の王と同義。


慎也「すー、はああああ」


煙を吐く。


ロシア人ボス「(何を考えていらっしゃるんだろう?脱獄かな?もし脱獄なら一緒にロシア帰れ

ば、俺がNo.2!?いよっしゃあああ!!)」

 

慎也「(白井加奈子さんと、皆と鉄板お好み焼きが食べたい、皆、俺が居なくて生きてるかなあ〜?、心配だ)」







2028年3月28日。


桜満開の夜公演。


ライブ会場。


大勢の観客。


ブルーシートが舞台に吊るされ、舞台が見えない。


観客達は今か今かと待ち侘びている。


公園の大規模駐車場には消火用噴水車が何台も止まっている。


その内の2台が動き出した。


隊長らは全て動いていない。


ガソリン運搬車が、後方に着いた。


水を捨て、タンク中にガソリンを入れる。


入れ終わった。


序曲が始まった、まだブルーシートは降りない。


観客達はとりあえず乗り始める。


サビが始まる10秒前。


ライブ会場に向かって、2台の消防車から噴射され始まるガソリンの雨。


火が連なり、引火して来ないように、噴射は一瞬ごとの間隔を空ける。


観客達「!?やだ!?これ水じゃなくない?これガソリン!?嘘!?」


煙草を咥えた男性、女性が大勢居るのは、当然の、デスメタルライブ会場だった。


《ボ、あぎゃんああああああああああああああああああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアア》


サビが始まる。


この曲のサビは雄叫びから始まり、というかずーと雄叫びである。


〈バァサ〉熱でブルーシートが落ちた。


バンドやバンドマネージャーらのバラバラ死体で組まれたタワー。


後ろにはデカい看板〈皆で一つの炎になろう!〉






周囲の民家の人々はフェンスに囲まれた公園でのイベントを知っていた。


警察、消防隊も中にも外にも居る。


だから わ ざ わ ざ 通報なんかしなかった。


中の警官、警備員も焼かれ、通報が遅れ、外の警備員や警官らは流石に気付いたが、あまりのスケールの火事に、一瞬呆然。


したが、直ぐに気を取り直し、各所に通達、見ると消防車が既に水を掛けてくれていたが、その消防車にどんどん火が引火していき、最後は大爆発。


ほぼ同時に2箇所で消防車が大爆発を起こした。


刑事「駐車場のやつ!!呼べはよお!!」


他の消防車は、タイヤパンク、水は抜かれ、隊員らは全て毒殺されていた。


弁当や飲み物全てに毒物が仕込まれていたらしい。


完全に宛が外れた警察は、直ぐに違う消防署に連絡、だが、今は花見の夜桜シーズン中、近いの方面の消防車は渋滞で動けなくなった。


ならばと、反対方面の消防車に連絡。


だが。


刑事「30分だあ!?んな待てるかあ!?コッチは大火災だあ!!分かってんのかあああ!!!!」


《カボドオオオオオオオオオオオ!!!!》


皆『う!く!キャアアアアア!』


《カボドオオオオオオオオオオオ!!!!》


皆『いやああああ!!』


刑事「んどは何だああああ!?」


警察官「第1、第3駐車場が爆発、いえ、大爆破しました!!多分爆弾です!!警部!あそこが使えないとなると、消防車が来ても、こっちまで通れません!!第2駐車場は無事なようですが、駐車場として孤立しています、どっち道消防車は来れません!犯人の狙い通りかと!!どうしますか?警部!指示を!」


警部「な、な、な、なんて、、なんて事だ、、、なんて、、、ななななな」








夜が明け、泡剤鎮火された現場を歩く。


被害者、 多 数 。


ざっくり見積ると、約6000人。


公園に止まっていた満車状態の駐車場にも爆弾が仕掛けられていたから、車の通り道が寸断。


完全に動線が遮断され、高いフェンスに囲まれた公園内には煮えたぎる池しか逃げ道が無かった。


深い水深の池だった筈なのに。


多数の死体で埋め立てられていた。






テロ。


全てのイベント、中止。


映画館、モール閉鎖。


戦時下という認識をニュースやネットでバンバン放送。


敵の人数、組織名、一切不明。


警察の威信にかけ、血眼になり、狩りをする。


あらゆる暴力団や、マフィアに対し、遠慮無しの暴力による鎮圧を実施。


市民の怒りは悪に対して見境なく通報案件となり、外国人というだけで見境なくリンチにかけた。


日本国は第一級事態を宣言、自国民は家に避難し、絶対に外出は近場のスーパーやコンビニまで、車は出来るだけ使うな、点検だけし、異常があるなら、直ぐに通報するようにと相なった。


外国人らはそれを受け、続々帰国。


帰国しない外国人らは日本人らと文字通り殺し合いになり、日本人に次々殺されていった。


日本混迷期というニュースが流れ、外国人には一時でも帰国して欲しいという願いが放送されている。



AIは数多くの殺人事件が起こったせいで、猟奇殺人と、テロと、普通の殺人と、区別が出来なく、現場は混乱している最中。


2028年4月28日。


題名、大家族という血で描いた文字。


東京都内にある田舎。


東京の上の地域でそれは起こった。


被害者らは11 人。


例のごとく顔を潰されていた。


その地域の大地主の家から半径100mの関係ない家に住まう人々が、大地主の家に裸死体として手を繋いで飾られていた。


95歳〜1歳の、全員が顔を潰されていた。


北条「何故だあ!?あの男を封印した途端に何故これほどの事件が連続する!!?」


南方「分からないか?」


北条「・・南方」


南方「これが本当の移民国家の成れの果ての姿だ」


北条「・・」


南方「彼が活躍していたお陰で、本当の姿が封印されていた、それだけの話よ」


北条「彼を解き放てば、解決するのか?奴はスーパーヒーローかよ!?んな訳ねえだろ!?」


南方「試す事は出来る」


北条「駄目だ」


南方「何故だ?そんなに出世が欲しいか?市民よりもか?」


北条「警察には、原則がある、その原則が、奴が居れば破られる事になる」


南方「民事不介入の原則」


北条「そうだ、彼が居なければ全て順調だったのに!奴のせいで!」


南方「話せ、何があった?彼のお陰で治安が保たれていた、犯罪は減ったじゃないか?」


北条「違う、違うんだ、全てが違う」


南方「何が?」


北条「奴は犯罪者を減らし過ぎたんだ」


南方「????どういう事だ?」


北条「お偉いさん方はこういう考えだ、4名の暴力だけでこうなるんなら、もっと沢山の遠慮ない暴力組織を作れば、都民はまともになるに違いない、と」


南方「な!?」


北条「これでは全く話が違う!!これでは赤い国と何が違う!?完全に押さえつけられた自由が無い国となってしまう!違うか!?」


南方「・・お前の考えを聞かせろ」


北条「・・今更遅い、あの男がこれほど優秀だとは思わなかった、直ぐに死ぬ、そう思っていた、だが、奴が手柄を上げる度に、私は身が震えた」


南方「・・」


北条「私にはこの流れを止める事はもう不可能だ、彼の釈放、再就職が、ついさっき決まった」


南方「では!?」


北条「・・覚悟しろ、南方、警察はますます権力を持ち、市民を空気で脅すようになるだろう、その結果がどうなるのか、俺には想像出来ない」


南方「・・そうだな、じゃあ、こうしようぜ+¢£++№©©℃℃™™№€¢¢£✪✜︽」


北条「!?」


南方「〈ニコ〉」


北条「もうお前が長官やれよ」


南方「ははは、いーや、お前が丁度良い、俺の、いや、良い日本種の隠れ蓑だ」


北条「・・寿命が削れてんだぞ?」


南方「おう、どんどん削れや、日本の為だ、きっと死んだら天国の特待生だ」


北条「はは!ソイツは良いな!はははは」















秋本慎也が居なくなってからの民警。


メナルムア、女、白井加奈子、女、平塚幸助、男、高井茂、男、福井有紗、女、高島省吾、男、鳥居恵、女、横山正和、男、武井力、男。


この9名で秋本慎也の穴を埋めようとしたお偉いさん方。


配属初日。


中国系マフィアの巣、通称マフィア団地に入り、銃、手榴弾、ロケットランチャー、狙撃により、鳥居恵、武井力、頭を撃たれ死亡。


高島省吾、精神に異常、辞職、異動。


横山正和、片足を失い、異動。


高井茂、ククリナイフと戦い、重傷、療養中。


福井有紗、拳銃ごと連れ去られ、行方不明。


白井加奈子は責任を負わされ、減給処分。


メナルムア、平塚幸助は恋人同士となり、毎日sexする間柄になっていた。


仕方ない事である。


明日死ぬかもしれない。


そんな状況では、惹かれ合う男女に歯止めは無意味。


白井加奈子はますます戦いが激化する日常に耐え兼ね、辞職を考え始めていた。




が。


そんな時、ライブ会場テロが発生。


白井加奈子「もうー、駄目かなー」


自信、やる気、未来、全てが崩壊した。


そう確信した。


筈なのに。


まだメナ、幸助に命令している自分が居る。


何故?


何故?


何故?


何故?


夜中。


車中。


一人待機。


煙草の煙が充満する車内。



白井「慎也さん…!?!?」


ボソッと呟いた自分の言葉に驚愕する。


あの逞しい肉体美、引き締まりすぎた重く、身軽な肉体美。


何度か風呂で見せつけられた肉体美。


白井「・・慎也さん・・慎也、しんや、し、、、、ん、、んん、し、ん、や、、は、、ん、、、ん、、あ、、ああ、んあは」





2時間後。


メナ、幸助と合流。


何とか片付けたと報告が入る。


ベトナム不法移民、それぞれ近いアパート3部屋の毎晩どんちゃん騒ぎの件。


全員ナイフで襲って来た為、15名中、8名射殺、3名ナイフで鏖殺、残り4名はナイフや銃で足や腕、脇に重傷を負い、投降。


警察に引き渡した。




そんな3人で頑張っていたら。


異常犯罪の件で、秋元慎也が再び戻って来るという通達。


メナ、幸助は大層喜んだ。


しかし、白井は複雑な表情。


慎也。


秋元慎也。


あの深い、深い香りがする男が、戻って来るー。


どこまでも。


深い闇の香り。


慎也のあの香りで迫られたらー。


白井は生唾を飲み込んだ。












ロシアボス「北海道は寒い所で良い場所でしたね、慎さん、暑いっす」


半袖、膝下半ズボン。


東京の西、静岡県浜松にて釈放され、これから東京に向かう最中、新幹線車内にて、ロシアボスが慎也に話しかけた。


慎也「口を閉じろ臭いんだよ、悪人」


ロシアボス「はい、すんません」


しゅーんと落ち込む屈強な2m超えの男性。


ロシアボス、名前、警視庁から授かる、タルコフ、身長2m20cm、体重160kg、システマの使い手。


慎也が釈放される際、条件として、このタルコフも採用する事を願い、それが通ったのだ。


タルコフは一から日本文化の授業を受け、日本語を学び直し、今に至る。


二人には脳にマイクロチップが埋め込まれている。


いつでも政府は二人を殺せる。


だが、駅弁を買い、ビールを飲む。


新幹線車内は平和そのもの。


慎也「胃に入れば臭くないだろ、喋って良いぞタル」


タル「あざっす!美味いっすね!弁当!ビールは薄いけど」


慎也「40超えの酒で薄いと感じるなら、そうだろうな、流石ロシアンだ」


タル「あざっす!」


慎也「?何が?」


タル「自分をあの時、生かしてくれた事っす」


慎也「あの中でお前が一番 良 か っ た 、それだけだ、特に意味は無い」


タル「なんで俺を採用したんすか?」


慎也「お前は程々強いし、度胸もある、そして闇を感じるセンサーが付いてる、コレが付いてる人間は珍しい、だから採用した、だが、裏を返せば、役に立たないと判断したら、頭爆発させるからなあ、おい」


〈オオオオオオオオオオオオオオ〉


タル「うっす!頑張ります!うす!」


敬礼。


慎也「・・まあ、俺達に自由は無い、諦めろ、因みに電子レンジとかで壊せると思うなよ、むしろ電子レンジからは離れろ、爆発するからな?」


タル「うっす!研修受けてます!うす!」


慎也「なら良い、食え」


タル「あざます!〈ガツガツ〉」


慎也「それとな、女性に対しては外国とは扱いが違うからな?研修受けたな?」


タル「はい!」


慎也「内の課は、闇を抱えた女性ばかりだ、強いしな、俺の大事な大事な仲間達だ、手を出したら・・・・お前の言い訳なんか聞かないからな、即殺してやる、お前が一言目を発生させる前にな、俺はお前を駒としか見ていない、だが、俺の大事な仲間達は違う、価値が違うんだよ、お前はただの使える悪人だ、理解したか?」


タル「うす!絶対に従います!死にたくありません!」


慎也「安心しろ、お前が従順な内は殺さない、約束するよ、俺は約束は必ず守る、か な ら ず、な」


タル「〈ごくん〉う、うっす」


静岡県に一度向かった理由は情報漏れによる、秋本慎也、タルコフに対する襲撃事件が起きたとしても、対策のしやすさという点だった。












白井加奈子「慎也さんが今日、来る」


昼風呂。


髪のケアをいつもの倍時間を掛ける白井であった。


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