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【蘇生スキルで世界最強へ】 無能だと思っていたスキルが進化して最強になりました 〜蘇生スキルを手にした俺は蘇った仲間たちと共に冒険者ライフを楽しんでいく〜  作者: ああああ
第二章 叛天の黒覇龍

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忍び寄る災厄


夕暮れ時、ギルドの三階にて──

会議室よりも広いその部屋は、他と違って豪華な調度品に彩られていた。

ギルド長室と呼ばれるそこは魔道具を使った照明器具が天井から吊り下がり、美麗な意匠を施された骨董品が部屋の四方に飾られている。壁にある本棚には歴史書などが所狭しと並んでおり、その隣には初代ギルド長の絵画が立てかけてあった。会議に使用されるであろう長机に、魔物の革で作られた長椅子もある。そしてその光景を見渡せる窓際の黒机──現ギルドマスターの仕事場所であるそこに、ジールニアが夕日を背にして険しい表情で座っていた。


白髪混じりの茶髪に鋭い眼光を放つ黒眼。彼の顔には小さな傷跡がいくつもあり、それは体まで続いているようだ。齢四十二という歳でありながら少しの衰えも見せておらず、現在でも王都最強のSランク冒険者として名を馳せているらしい。



「つまり、魔王戦線に動きはないということですか?」



『ああ、今のところ魔族が動いたという情報はない。それは本部が保証しよう』



「しかし実際に見たという報告がありますが?」



眼前に浮かぶ通信用の魔法陣にそう発言するジールニア。どうやら声の相手はグルニプト帝国を拠点とする冒険者ギルドの本部のようだ。



『まだ確定ではないのだろう?こちらもクェゼノン連邦に問い合わせてみたが、そのような変化はないと言っている』



「信用できるのですか……」



『今更であろう。共同戦線は今に始まったことでは無い。余程大きな隠し事がない限り、あちらも無闇に嘘はつかんだろうしな』



その返答にジールニアは小さくため息をついた。



「わかりました。引き続き何かあれば報告します」



『ああ、それとこちらからも報告がある。シエトレシアが魔王戦線から帰還する事が決定した』



その言葉に彼の眉がピクリと動く。机の上に乗せていた手に力が籠った。



「何故帰還するのですか?その抑止力がなければ戦線が危ういのでは?」



『最近は魔族の動きも極端に減っている。彼女にも休息が必要であろう?冒険者の数も増やしているので戦線に問題はない』



「それは本部の独断でしょうか?皇帝の判断でしょうか?何かあればそちらの責任問題になると思いますが」



『皇帝の判断だ』



「であれば何も言うことはありません」



『ふっ、こちらからの報告は以上だ。通信を切断する』



プツンという音とともに消えていく魔法陣。その光景を見ながらジールニアは再び大きなため息をついた。



「エルメニコ、聞いていたとは思うが今代の【覇王オーバーロード】が帰ってくるらしい」



「ええ、しかし本当に戦線は大丈夫なんでしょうか」



「本部が言ってるんだ。俺たちが気にしたところでどうしようもない」



彼はそう言いながら傍らに置いていた水を飲む。



「そういえば<死の森>に出現した天龍級のドラゴンについてはどうなっている?」



「カザリック支部の報告ではキールトン近郊に龍人族の目撃情報が相次いでいるらしいです。今のところ目立った動きは無いようですが、今回の件と何らかの関係があるかもしれません」



「わかった、引き続き動向を探っててくれ。それとこの情報を王城に持っていくように」



「わかりました」



エルメニコはそう言うと一礼して部屋を後にした。彼が出ていくと、ジールニアは窓辺に立ち、眩しいほどに輝く夕日を眺める。



「嫌な予感がするな。水面下で何か大きなものが動いているような、そんな違和感が……。戦線が均衡しているとはいえ、平和な時代はそう長く続かないということか……」



意味深な発言をしながら、ジールニアはしばらく黄昏ていた。




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