#7
「フハハハハ、御先御免!」
ブラックニンジャがコースの横柵の上を落ちないようにバランスを取りながら走る。水上の集団を横から一気に抜き去る。そんなブラックに池からアヒル漢達がヤジを飛ばす。
「汚いぞ、ブラック!」
「勝てば何でも良かろうなの・・・・・・だ、あぁぁぁぁあぁああぁああ‼」
ヤジに言い返そうとよそ見をしたせいで、足を滑らせて柵からコース外へ転落。
「ぐふっ・・・・・・・・・無念」
『ブラックニンジャもコースアウト! さてさて、今度は途中の島で一休み。餌置き場で体力回復・・・・・・あっと、しかしイエローボルトがほとんど食べてしまっている!』
「うんまぁああああああ!」
アヒル達を誘導する為に、池の途中の島に餌を設置しているのだが、食い意地が張ったイエローボルトとパープルクラウンがいつの間にか最初に上陸。イエローボルトは我先にと餌が入った器に顔を突っ込み、食い尽くす。
パープルクラウンは餌よりも観客に興味津々で、一番観客が密集するコーナー内側に向かって謎のダンスを踊りながらアピールをしている。
「クソッ! ボルトに先を越されたか。飯は無視だ!」
遅れて餌のある島に着いたアヒル漢達は、イエローボルトに蹂躙される餌を見て、先に進んで行く。集団に置いて行かれたイエローボルトはしっかり餌を平らげた後、彼らの後を追う。
誰よりも早く池エリアを攻略したホワイトマリンが、必死の形相で走っている。しかし、彼の表情とは裏腹に、さっきから全然前に進んでいない。
「うおおおおおおおおおお・・・・・・おおっ⁉ なんだ、全然前に進まない‼」
『ホワイトマリンがひと足先にやってきたのはローラー床のランニングマシーンエリアだ! 走れば走る程、前に進めないぞ! さぁどうする⁉』
丸くて可愛いアヒルがまるでランニングマシーンに乗っているような光景に、観客の子供達や親達が笑っている。
遅れてローラーエリアにやってきたアヒル漢達もローラーに挑み、そして弄ばれる。
「分かったぞ! ここはっ! こうするんだ‼」
皆がローラー床に苦戦している様子を少し離れていた場所から見ていたヒステリックスノーが、助走をつけてローラー床に猛進。そして床を踏んだ瞬間に急ブレーキ。すると助走でつけた勢いの慣性で、ローラー床を滑るように攻略する。
「あがっ! オゴゴゴゴゴゴ・・・・・・」
ヒステリックスノーが滑った事でローラーの回転が突然逆向きになり、走っていたアヒル漢達は躓いて転倒。勢いよく嘴を強打するホワイトマリン。