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楽園地アヒルファイターズ  作者: Tsuyoshi&松山亮太
第一話『激走!! アヒルファイターズ』
5/10

#5

『右から順に、情熱の赤! 暴走特急列車のレッドフレイム! そして慎重の青! 計算高い分析家、ヒステリックスノー! 黄色い雷! 足は速いが食いしん坊、イエローボルト!』


 飼育員の実況に合わせて、三羽のアヒル漢が肩や首を回しながらスタート位置につく。


「スノー、今回はオレが勝たせてもらうぜ?」

「ハハッ。フレイム、冗談はよせよ。勝つのは私だ」

「へへっ、このボルトの足について来れるかな?」


『緑の疾風! 空に羽ばたけ、グリーンウィンド! 高貴な紫! 王となるか道化師(ピエロ)となるか、パープルクラウン! ピンクの兄貴! 次に鬼退治に行くのはこの俺だ! 桃次郎!』


「俺の顔いつ見てもヤベーわ。くしゃみ寸前の顔じゃん。いま撮り直してくれないかな」

「ミーの写真も撮り直してくれー! 今の美しい姿を撮ってくれ!」

「やぁだもぉ、アタイ鬼退治なんて怖くて行けないわよ。ね、グリーン、クラウン」


 紹介を受けた彼らもスタートラインに立つ。この三羽だけ決めポーズを決めている。


『最後は戦隊ヒーローの特別枠。清き白! 聖なる潜水(せんすい)(てい)、ホワイトマリン! 真の黒! 影の支配者ブラックニンジャ!』


「ブラック、もしかして今日もやるのかい?」

拙者(せっしゃ)、勝つためなら手段は選ばぬよ、マリン殿」


 最後の二羽もスタートラインに立つ。全員揃ったところで、飼育員がスタートケージの扉を棒でコンコンコンと叩く。その音を聞いてアヒル漢達は急に真剣な眼差しに変わる。


『さあ、よい子の皆、これからレースが始まるよー! 位置について~、よーい、ドン!』


 棒でケージを叩いていた手を止め、開始の合図と同時にケージの柵を上げる。


「「「うおらぁぁぁあああああああああああああああああ‼」」」


 野太い咆哮を上げて一斉に走り出すアヒル漢達。最初の直線はみんな固まって走行している。


「どけどけどけぇえええええ‼」


 群れて走るライバル達をエルボーで薙ぎ倒しながら、レッドフレイムが集団から先頭で抜け出る。エルボーを喰らったアヒル漢達は横に飛ばされ、転倒していた。

 彼らの豪快なスタートの様子をノリノリで実況し始める飼育員。


『おぉ! 流石は暴走特急列車! ライバルを次々に押し分けて、レッドフレイムがトップに飛び出たよ!』


 レッドフレイムが最初の長い直線を爆走していると、目の前に少し長めの坂が現れる。


「坂がなんぼのもんじゃーい! うおおおおおお、お・・・・・・・・・え?」


 レッドフレイムが一気に坂を駆け上がると、その先は断崖絶壁のようになっていた。下はプールとなっており、カラーボールが隙間なく浮かんでいた。崖から池までの高さが意外にも高く、彼は恐怖で思わず立ち(すく)む。


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