還りたい
鬱の突発的な衝動書きです。
クソ死にたい朝だった。理由はない。敢えて言うなら雨が降っていた。低気圧。私は寝不足というか寝てない。
部屋に戻って頓服薬を飲むくらいの理性は残っていた。雨音が五月蝿い、親父のいびきはいつもだが、五月蝿いものは五月蝿い。私は目が悪い代わりに聴覚過敏だった。
オーバードーズも考えたが、出しにくい錠剤の包装とシャー芯をつまむより難儀な薬の小ささからくる厄介さと天秤にかけた結果、判定は「死ぬのはめんどくさい」だった。
ああ、今日はどんな一日になるんだろうね。真っ暗な天井を見上げながら考える。雨粒が大粒になった。もう嫌だ。
昨日はただでさえ体調が最悪だったのだ。寝不足の今日はその尾をまだ引いているようだ。
早く寝ないと。まあ、真人間はもう起き出す時間だろうけどね。
眠りから覚めた私が、せいぜい少しはこの世界をましだと思えるように、誰にでもなく祈った。私に祈る神も仏もいない。
私は無宗教でいい。神も仏も私のことなんか放っておいてくれ。私は死んだら海に沈みたい。墓なんかいらない。私に宗教はないのだから。私は宗教を信じないのだから。
今死なないから、死んだときのことを考えるのは許してくれ。私は墓に埋まりたくない。自然に生まれた人間らしく、自然に還りたいのだ。それから、ドナーにもならない。誰かの体の中で自分の体の一部が生き続けるなんておぞましい。私は私という存在を死ぬときこの世から抹消したい。
どうか、どうか。この願いは叶えてほしい。
死んでまで生きたくないし、墓になんて埋められたくない。遺体は焼いていいから、遺骨は粉々にして、海に蒔くか、空に蒔いてほしい。
今はこれが、私の切なる願いだ。