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87 魔法少女と騎士さんとお出掛け

ティファニーと遊んだ翌日、本日はセシルとシャルティアを連れて王都にお忍びで来ていた。


「……シリウス様とデートは久しぶり」

「そうだっけ?」

「……うん、最近は新入りに遠慮してた手前、今日は思う存分甘えることにする」


そう言いつつ、抱きついてくるセシルだが……俺のお世話で最も傍に居るのがセシルとソルテの2人だったりする。


無論、俺だってしょっちゅうフィリアやフローラの元に行ってるわけではなく……嘘じゃないよ?ホントだよ?


確かに足繁く通ってはいても、向こうのスケジュールを鑑みて俺だって控えめに訪ねてるのだが、領地の視察とかやる事もあるし、その領地視察の時にはスフィアとセリアの2人との時間が多いけど、護衛のシャルティアとお世話のセシルとソルテ、この三人が婚約者の中で最も長く一緒に過ごしてるかもしれない。


まあ、ソルテはまだ婚約者ではないけど。


でも、なんとなく城の皆や領民たちは俺が娶るような空気になってそうだけど……それはそれ。


それは、ソルテがその気になるようなら話せばいいだけだしね。


「おい、あまりくっき過ぎるとシリウス様が歩きにくいだろ」


そんなことを思いながら、いつも通りセシルに抱きつかれていると、シャルティアがそう割って入ってくれる。


「……シャルティアも、久しぶりのデートでシリウス様に甘えたいんでしょ?」

「そ、それはそうだが……私はシリウス様の騎士でもある。こういう時こそシリウス様をお守りしないと」


何とも生真面目で微笑ましい俺の騎士だ。


こういうシャルティアの真面目な所大好きだったりする。


そんなシャルティアの言葉にセシルは頷いて言った。


「……確かに、外は危険。だから、私はこうしてシリウス様をいつでも庇えるようにしておくから、シャルティアは離れてても構わない」

「明らかに貴様の欲望が混じってるだろが!というか、その、私だって……」


フニフニとセシルの柔らかい感触に包まれつつ、シャルティアが素直になれないのを見て微笑んでしまう。


「ほら、シャルティア。右手……というか、右半身は埋まってるから、左手でもどう?護衛も嬉しいけど、婚約者としての時間も欲しいかなってね」

「そ、それなら……」


こうして理由をつけると、素直になるシャルティア。


控えめに俺の左手を握るその様子は微笑ましいが、アピールするようにセシルが俺を抱きしめる力を強くするので何とも言えない気持ちに。


「セシルさんや。随分と楽しげだね」

「……うん、なんか久しぶりにシリウス様を独占できてる気がする」

「私も居るのだが……」

「……シャルティアは居ても居なくても変わらないから」

「そんなに存在感薄くはない!」


何とも楽しげな2人だが、元々冒険者としてパーティーを組んでいたし、俺の傍に居る機会も多いから一緒にいるのが自然なのだろう。


でも、確かにたまには独占させてあげる時間も必要かな?


「うーん、じゃあ、今度からもっと婚約者達それぞれの時間作れるようにするよ」

「……期待しておく」


ぎゅむっと抱きしめられるが……相変わらずの柔らかさでなんか実家のような心地良さに思えてきてる。


フィリアの膝枕以外だと最もボディータッチが多いのがセシルとセリアの2人だが、出会ってそう時間も経ってない上に領地を任せていて、週に1回会うくらいのペースで会うセリアと比べて、俺のお世話で一緒の時間が長いセシルの方が遥かに触れてくることが多いのは必然と言えた。


「あの、歩きにくくはないですか?」


左手を繋ぐシャルティアからのそんな心配そうな問いかけ。


うむ、歩きにくいけど、この柔らかさを手放すのに比べればマシかな。


「うん、大丈夫だよ。シャルティアの手は相変わらず長くて綺麗だね」

「そ、そんなことは……訓練でその、あんまり綺麗じゃないですし……」

「そんな事ないよ。俺を守るために頑張ってくれてるその証が嬉しいかな」


指を触りつつそう素直に告げると恥ずかしそうに頬を赤く染めて黙ってしまった。


年上なんだけど、こうして愛でたくなる魅力……うん、これがシャルティアらしい魅力かもね。


「……シリウス様はジゴロ」

「どこでそんな言葉覚えたの?」

「……冒険者の時に。ちなみに私は?」

「セシルに抱きつかれるのも好きだよ。柔らかくて温かいし、いい匂いするし」

「……じゃあ、夜のお供に」

「それは、成人してからね」


グイグイくるセシルにウブなシャルティア。


何とも面白い組み合わせだが、一緒にいて楽しいし安心する2人でもある。


なお、本日ソルテは領地の方でスフィアとセリアのエルフ姉妹と交流を深めてるが……居たら、左手はソルテが控えめに抑えていたかもしれない。


その場合、シャルティアはどこになるかといえば……多分、後で埋め合わせとかする感じになるか、後ろで俺の袖を掴む可能性もあったかも。


……客観的に見たら、本当に俺は男の敵だよなぁ……昔はそちらに身を置いていた……なんてこともなく、そもそもモテるモテない以前に人間として見てもらえてなかったので、比べる基準がないか。


何にしても、可愛い婚約者が居る今世は最高だね。


あと、積極的もいいけど、シャイなのもいいよね。












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第3王子はスローライフをご所望
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