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80 空色の誓い

フィリアにたっぷりと癒しを貰ってから、次に訪れたのはシスタシア王国だ。


王城内に用意してもらった転移専用の部屋へと移動すると、フローラの自室に歩いて向かう。


途中ですれ違う使用人さん達に、後でヘルメス義兄様とローザ姉様に挨拶に行くと伝えておくことは忘れない。


普通は、国王であり義兄のヘルメス義兄様に先に挨拶をした方がいいのだろうが、婚約者を優先する旨は伝えてあるので、問題なかったりする。


むしろ、そう断っていたら大喜びされたほどだ。


まあ、フローラは大切な婚約者だし、それを少しでも伝えるには丁度いいのかもそれない。


それに、知ったらうるさそうな貴族が入れる場所でもないしね。


フローラの自室に着くと、部屋に居るような気配があったのでノックをしてみる。


「フローラ、俺だけど」

『そのお声は……シリウス様ですか?どうぞ』


返事を受けて、ドアを開くとそこには自室で本を読むフローラの姿があった。


ふむ、体調は良さそうだな。


「いらっしゃいませ、シリウス様。お会いしたかったです」

「やあ、フローラ。体調は大丈夫?」

「はい、シリウス様のお陰です」


笑顔が眩しいフローラさん。


うん、やっぱり美少女というのは見てて癒されるねぇ。


一応、週一でフローラの『厄集めの呪い』のガス抜きには来てるのだが、フローラとしても週一は少し少ないと感じてくれてるような、そんなことを思ってくれてるような言動が言葉の端々にあって、嬉しくなる。


「あれ?シリウス様、その子は……」


ふと、フローラが俺の足元を見て首を傾げる。


本日の俺は、見慣れたペガサスのクイーンやユニコーンのナイトではなく、ケルベロスの子犬のうちの、一匹、黒色のレントと白色のリンカの中間色であるルルカを連れてきていた。


レントは、スフィアが離さないし、リンカはセリアが可愛がっており、自動的にルルカのお世話を俺がしてる状態なのだが、多分ケルベロス三匹の中ではルルカが一番俺に懐いてると思う。


「新しく家族になってね」

「可愛いですねぇ……よしよし」


ルルカを撫でるフローラ。


前々からそうだけど、可愛いものが好きなのは俺の婚約者全員に共通する特徴かもしれないね。


まあ、女の子だからという理由もなくはないだろうが、それだと可愛いものが好きな俺も女の子にカウントされるので、『可愛いは正義』という言葉をそっと添えておく。


「それで、フローラに渡したい物があるんだけど……」

「はい、何ですか?」


キョトンとするフローラに近づくと、そっと懐から完成した婚約指輪を取り出して、それをフローラの左手の薬指に優しく嵌める。


「これは……」

「遅くなったけど、婚約指輪。フローラをイメージして作って貰ったんだ」


前に、ソルテを買った闇オークションで報酬代わりに貰ったスカイドラゴンの素材とその他を加工して作ったこの指輪は、綺麗な青と空色で飾られており、非常に綺麗に仕上がっていた。


遺跡の件が無ければ昨日渡しに来る予定だったが……まあ、いいお土産も出来たし良しとしよう。


「綺麗です……」

「気に入ってくれたかな?」

「はい、とっても」


ギュッと、大切そうに胸に抱くように包み込むフローラ。


そんなフローラに俺はきちんと気持ちを伝えておく。


「これからも、俺の側にいて欲しい予約……みたいなものだよ。フローラ、好きだよ」

「シリウス様……私もです」


軽い口付け。


でも、それが何よりも尊い。


そんな些細な触れ合いでも、フローラは愛おしそうにしてくれる。


そうして、暫くラブラブしてから、本題の携帯みたいな魔道具を渡したのだが、それにも喜んで貰えたようで何よりだ。


隣国に居る婚約者のフローラが、俺や他の婚約者といつでも話せるようになるというのは、やはり大きいようだ。


まあ、何にしても頑張った甲斐があったね。









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第3王子はスローライフをご所望
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