表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
64/141

59 添い寝

夜の散歩でキリッとカッコつけた俺だったが、現在はそれらを終えてお風呂で一息入れてから、フローラと床を共にしていた。


勿論、ただの添い寝だ。


フローラのお世話係のメイドのアンネは娘の嫁入りのように涙を流していたが……初夜じゃ無いからね?と心の中で付け加えておく。


「こうして殿方と寝るのは初めてです」


隣のフローラがそんなことを言う。


まあ、体験あったら少しモヤッとしたかもしれない。


あるとすれば父親……は、話を聞く限りないか。


ヘルメス義兄様?


うーん、夜は忙しいだろうしないな。


かくいう俺は、婚約者との添い寝はコンプリートしており、1番多いのは正妻であるフィリアだ。


不思議と良く眠れるんだよねぇ……むしろ、フィリアにこそ聖女とかの称号が相応しい気がする。


それで、人気が出たら嬉しい反面男共に好かれるのはモヤッとするのだろうから、俺という人間は業が深いのだろう。


ワガママ過ぎるが、独占欲というのはなかなか無くならないもの。


大切であればあるほど、そうなのだろう。


「なんだか、シリウス様と居るとホッとしますね」


そう微笑むが、俺はフローラのフローラルな女の子の香りにドキドキだったりする。


……ダジャレじゃないよ?


なんというか、女の子ってどうしてこう、いい匂いなのだろう。


フィリアやセシルやシャルティアで学んでいても、そう感じるのだから、女の子って凄い。


まあ、男には出来ない子供を生むという事が出来る時点で女性という存在の偉大さは知ってるつもりだったが、好きな女の子の魅力に関してはこうして直面して初めて分かるものだったりする。


「それに、クイーンちゃんも柔らかいですね」


ちゃっかり俺たちの枕元に居るクイーンとフレイアちゃんだが、クイーンのもふもふ具合がフローラは気に入ったようだった。


「でも、クイーンちゃんがペガサスさんだったのはびっくりしました」

「そう?」


まあ、確かにマスコットというか、ぬいぐるみみたいな感じから神々しい聖獣になれば誰でもそう思うかもしれないな。


そのクイーンは久しぶりに俺を乗せて満足したのかどこかご機嫌だ。


「クイーンちゃんがペガサスさんってことは……ナイトくんとフレイアちゃんもお仲間だったりするんですか?」


当然ながら、ユニコーンのナイトはフローラの前でもきちんと姿を見せたらしい。


最近構ってあげられてないし、今度遊んであげないとね。


「まあね、ナイトはユニコーンだよ」


そう答えるとびっくりするフローラ。


「まあ、でもあんまり広めないでね?俺の大切な人にしか教えないことにしてるからさ」

「大切……分かりました」


念の為にそう言うが、フローラがペラペラ喋るような娘ではないだろうことは信じてるので、本当に念の為だ。


そのフローラは俺の大切な人という単語に嬉しそうな表情をしていた。


まあ、別にバレてもいいけど、こういうのはある程度秘密にしておかないと、色々と面倒事も招くからね。


平穏な今世を送るための処世術だと思ってもらって構わないかな。


「ねぇ、フローラ。フローラはどこか行きたい所ある?」

「行きたい所ですか?」

「うん、何処にでも連れてってあげるよ」


その言葉にフローラは少し考えてから、答えた。


「でしたら……シリウス様の領地を見てみたいです」

「うん、勿論いいよ。他には?」

「えっと……あとは、海というものが見てみたいです」

「分かった。じゃあ、行けるように準備しておくね」


まあ、海に関してはすぐには無理だが、領地ならいつでも行ける。


それに、婚約者になったフローラに嫁ぎ先である領地を見せるのは当然のことなので、予定に入れておこう。


「あの……シリウス様」

「ん?どうかした?」

「その……お願いがあるのですが……」

「うん、何かな?」


そう聞くと、フローラは少しだけ恥ずかそうに答えた。


「その……手を繋いで貰ってもいいですか?」

「勿論いいよ」


可愛いお願いに俺は即座に頷くとフローラの小さな手を握る。


女の子って、やっぱり柔らかいなぁ……なんて、思うが嬉しそうなフローラを見ていると、邪な感情よりもどこか優しい気持ちにさせられるので不思議だ。


その日の夜は、フローラと色々と話して互いを知ることが出来たが、性格も俺好みだと分かって大収穫だった。


手を繋いで寝るだけだったが、添い寝ということでフローラは嬉しそうにしていたので、やっぱり今後たまには婚約者と添い寝するのもいいかもしれないと思うのだった。


決して、俺が寝たいからとか、役得だからとかではないとは言い切らないが、多少のスキンシップはありだと思うんだ。


そう、これはあくまで軽いスキンシップ。


疚しい心がないとは言わないが、婚約者との絆を深めるにはもってこいなので、推奨するべきだと付け加えておく。


にしても、やっぱり女の子と添い寝って楽しいものだね。


あくまで、好きな人限定ではあるが、添い寝というのが素晴らしいものだというのには納得ができた。


にしても、フローラさん可愛すぎませんか?









評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
★書籍版公式ページはこちらになります|ω・)  書籍、電子書籍と共に4月8日発売予定|*・ω・)チラッ よろしければお手に取って貰えると幸いです|ョ゜д゜)

第3王子はスローライフをご所望
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ