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閑話 女湯

「2人とも、綺麗ですね」


折角なので、私は同じシリウス様の婚約者であるセシルさんとシャルティアさんと一緒にお風呂に入っていました。


普段は侍女さん達に洗ってもらうことが多いですが、お母様も私も1人でゆっくりお風呂に入ることが好きなので、たまに侍女さん達の目を盗んで2人でお風呂に入っていたので、こういうのは新鮮です。


シリウス様が用意した小さなお屋敷のお風呂は、3人でも広いくらいで、ゆっくりと入れるのですが、改めて2人の姿を見て少し羨ましくなります。


セシルさんは、服を着てる時には分かりづらかったですが、そこそこスタイルが良くて胸も大きめです。


シャルティアさんは鍛えてるので、綺麗に筋肉がついており、綺麗な金髪と相まって凄く美人さんって感じで素敵です。


私は、まだまだ小さいですが……シリウス様に相応しい素敵な女性になりたいです。


「……フィリア様も、綺麗な髪」

「はい、肌も白くて可愛らしいです」


不思議なもので、シリウス様の周りの方たちは私の容姿を受け入れてくれます。


初めてシリウス様の領地へと行った時は、何か言われるかもと少し不安だったのですが……結果として、皆さん私の容姿を気味悪がることもなく、受け入れてくださいました。


その時に、領民の皆さんから慕われているシリウス様を見て、私は心底シリウス様と出会えて幸せだと思いました。


この人の側に居たいと心底思ったのです。


「……覗きには来ないみたい」


ふと、そんなことを呟くセシルさん。


覗きですか?


シリウス様がそのようなことするのでしょうか?


結婚前ですし、そういうことはまだ早い……でも、シリウス様が望むならいいかな……と思っていると、シャルティアさんが少しだけ呆れながら言いました。


「シリウス様がそんなことする訳ないだろ?それに、レグルス殿下が居るのにそんなこと出来ないだろ」

「……じゃあ、覗きに行く?」

「ば、バカ言うな!それにレグルス殿下が一緒だったらどうするんだ!」


お二人ともそこそこ長い付き合いだそうで、聞いてると面白い会話をしています。


こういう所も、シリウス様は気に入ったのでしょう。


私も貴族の令嬢ですので、側室のことは理解してましたし、シリウス様のような素敵な方が私だけというのは難しいと知っては居ましたが……こうして、上手くやれるお二人で心底ホッとしています。


お母様も側室の方と仲良しですが、他の家では不仲という話も少なくないそうなので、こうして仲良く出来ることは素直に嬉しかったです。


「……そういえば、フィリア様。今日の料理凄く美味しかった」

「シリウス様とお二人のお陰ですよ」

「……ううん、フィリア様も凄く上手だった。シリウス様は別格過ぎるけど·……」

「確かに……」


色々と新しいことを思いつくだけではなく、様々な技術や力を持っているシリウス様。


料理にしても、私の家の料理人よりも上手かもしれません。


そんなシリウス様に少しでも追いつきたくて、私も料理を覚えてますが……先はまだまだ長そうです。


魔法も教わってますが、シリウス様は無詠唱で魔法を普通に使っているので、凄すぎます。


しかも、この屋敷のようなものを持ち運びする空間魔法も、過去に使い手が居たという話しか聞かない魔法なのでびっくりです。


王都から私の領地まで、転移魔法で一瞬で来れるので、頻繁に会えるのは嬉しいです。


シリウス様の側でお世話をする点では、お二人が心底羨ましいですが、私とお二人ではシリウス様のための役目が違うので仕方がありません。


でも、2人きりの時は甘えることにしてます。


シリウス様も、私に甘えてきてくださるので、凄く可愛いです。


普通にお話してるのも楽しいのですが、シリウス様を膝枕したり、頭を撫でたりと、そういうことをするのも凄く楽しくて、その時間は直ぐに過ぎてしまうのが残念ですが、仕方がありません。


学園に飛び級で入学して卒業したら領地入り……そんな話があるので、早く学園を卒業したいです。


そうすれば、もっとシリウス様の側に居られるので楽しみです。


「……フィリア様、髪触っていい?」

「ええ、いいですよ」

「……本当に凄く綺麗な銀髪」

「本当ですね、綺麗です」

「ふふ、ありがとうございます」


以前なら、お世辞にも思えたそのセリフですが、お二人が本心で言ってるとなんとなく分かります。


だって、シリウス様が私の髪や目を褒める時と似た雰囲気があるのですから。


シリウス様はいつも、私のこの髪や目を綺麗だと言ってくださいます。


髪に触って感触を確かめたり、じっと瞳を見つめられるのは少し恥ずかしいですが……本心というのが、分かって、嬉しいです。


そんなシリウス様が選んだ方たちは皆優しくて、私は今凄く幸せです。


それに……シリウス様と一緒に居られる時間が、何よりも私にとってはかけがえのないものだと心底思います。


きっと、シリウス様は私やお二人のような方をまた助けてしまうでしょう。


でも、そんなシリウス様だからこそ、私は大好きですし、そんなシリウス様の選んだ人となら仲良くできると――そう、思うのです。


そうして、3人でお風呂に入りましたが……お母様以外と入ったのは初めてですが、楽しかったと、シリウス様にご報告するつもりです。














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第3王子はスローライフをご所望
― 新着の感想 ―
[気になる点] そういえば、セシルもオッドアイになるのでは? 左目が母親ゆずりということは、右目は父親ゆずりなのかな? マンガでは髪がピンク色だったから、ヒロイン色だなー、 と思いました。 フィリア…
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