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21 姉家族

「おぉー、可愛いですね」

「でしょ!」


ドヤ顔をしているのは、我が姉である、レシア姉様。


ドヤ顔が可愛いっていうのは、美少女の特権だよね。


今年で18歳となった、彼女には生まれたばかりの赤ちゃんがいる。


男の子なので、きっと侯爵家の跡取りとなるのだろう。


レシア姉様に似た、綺麗な金髪のその子は、姉の夫であるリクレルト侯爵にはあんまり似てない。


姉の遺伝の強さが流石と言えるだろう。


子供の名前は、アスハ。


これで、俺以外の兄と姉の全員が子持ちになった訳だ。


「シリウスは、フィリアちゃんと最近どうなの?」


赤ちゃんの顔を見てから、お茶でもと久しぶりに姉様と話していると、そんなこを聞かれる。


「仲良くやってますよ」


姉に惚気けてもいいのか分からないが、婚約者としての関係は良好を遥かに超えてると断言出来るだろう。


「そっか、でも、シリウスが結婚して子供出来る頃には、私もすっかりおばあちゃんになってそうね」


何となくだが、姉様がガッツリ老けるのは想像出来なかった。


むしろ、母様みたいに若く見える感じになりそう。


「姉様は結婚生活はどうですか?子育てとか」

「使用人が居るし、特に苦労は無いわね。結婚生活も……うん、順調だと思うわ」


まあ、貴族の子育てって、家によって変わるらしいし、使用人や乳母に任せっきりの人も居れば、ほとんど全て自分でやる人も居るそうだしね。


俺とフィリアの子に関しては、出来る限りフィリアが面倒を見たいとこの前話していたな。


フィリアもお義母さんに大分良くして貰ってたらしいし、同じようにしたいそうだ。


いい母娘関係だよね。


俺は、父様も母様も忙しいし、乳母や使用人さんの方が一緒に居る時間は長かったけど、多忙な中でも1日1回は絶対顔を見に来てくれたのを俺は知ってる。


愛情がちゃんと、向けられてるというのが、これほど嬉しいことだとは今世になるまで知らなかったよね。


最初と2番目の前世なんて、今と比べるまでもなく、物や道具扱いに等しかったのだが、もう一度あそこに放り込まれて生き抜く自信はあんまりないかな。


やっぱり俺は贅沢になってるみたいだ。


「なら良かったです」

「心配してくれてたの?」

「少しだけ、大切な姉様ですから。でも、結婚式の時の様子から大丈夫そうかなとは思ってました」


幸せそうな姉様の姿を見てたので、きっと大丈夫だろうとは思っていたのだ。


まあ、それでも、多少なり心配もあったけど。


側室の人と上手くやれるかとかね。


家格は圧倒的に姉様の方が上であり、第2王女だったから、むしろ相手が萎縮してそうだけど……その辺も大丈夫だと姉様は話していた。


「心配してくれてありがとうね」


頭を撫でてくれる姉様。


まだまだ子供扱いは抜けそうにないが、こうして庇護されてるのも悪くはない。


とはいえ、領民や民の前では第3王子っぽくすることも忘れない。


フィリアの前でもカッコつけていたいけど……なんだか、フィリアの前だと色々と安らいでしまって、カッコつける機会が少ない気がする。


うん、これから頑張ろう。


大人になって子供の頃と違う大人びた顔をみせてドキッとさせる……ありだね。


逆に、フィリアの時々顔を見せる母性的な面が俺をドキッとさせてさらにフィリアへの愛情を深めているのだが……その辺は、フィリアの天然なの小悪魔さ加減が光ってるのだろう。


ロリコンだと呼ばれようが、惚れたのは事実なので仕方ない。


その称号も甘んじて受け入れよう。


まあ、肉体年齢的にはロリコンのロの字もないけど。


同い年だし。


何より、この世界での年の差結婚自体はそう珍しくもない話だったりする。


王族や貴族、国王や当主などの責任のある地位の人は、比較的若いうちに子孫を残すことを義務付けられてるようなものなのだが、例えば側室に若い娘がを娶ったり、あるいは本妻が亡くなって後妻に若い子を選んだりと、ロリコンが聞いたら喜びそうなシチュエーションも多い。


逆の、女性の方が年上で男性が年下というのもあるにはある。


例えば、権力者の子供が身近な綺麗な女性を大きくなってから娶ったり、女性当主が年下の子に迫られたりと、そういうのも割と聞く話だ。


近親婚も、ある程度例外的に認められることもある。


何代も続くと不味いが、ある程度は許容しているのだ。


まあ、俺は姉様を寝取ろうとか思わないけど。


姉様は姉様で、恋愛対象にはならない。


それに、他人の幸せを奪うほど暇でもない。


フィリアとイチャイチャしたり、まったりしたりと俺も忙しいのだ。


同性婚は……教会がうるさいから、隠れてやってる人が居るとは聞く。


俺は同性愛に目覚めることはないが、百合に関しては想像するとそれなりにワクワクするので、密かに応援してる。


まあ、フィリアをその道に走らせようとしたら許さないけどね。


そうして、姉様と楽しくお喋りをしてから、お土産のお菓子を渡して最後にもう一度、甥の顔を眺めてから帰路につく。


やっぱり子供って可愛いね。


まあ、俺も子供なんだけどさ。













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第3王子はスローライフをご所望
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