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僕のRe:color

「Re:Color」1




これは僕の裏切りの物語

親愛なる友人の優しさや、その思いを

僕は裏切り彼を絶望させる。



「Re:cover」






もし仮に、瓜二つだが全く違う風景画が2つあったとしよう。

本物の絵はありふれた物

偽物の絵は素晴らしい物

無論、罰せられるべきは偽物の絵を描いた者だろう。

だが、偽物の絵が本物より遥かに評価されてしまったのも事実だった。



この偽物の絵を描いたのが僕

そして本物の絵を描いたのが僕がこの世でたった1人尊敬できる大切な友人



当然僕の起こした行動は彼を裏切ることになる。


そんなことはわかってた。

でもそれでいいんだ。

それが僕の、僕達の大いなる計画だから。



大いなる計画

僕がこんなことをしたのは僕が高校の頃、彼との出会いがあったから。

彼との出会いが無ければ、僕はこんなことをしようだなんて、考えもしなかっただろう。





僕は当時、周りから酷いイジメを受けていた。


僕が虐められていた理由は僕の性格にある。


何をするにも無気力で、夢や、生き甲斐なんてものはなく、自分の感情を表に出さなかった僕はいつしか[透明人間]と周りから呼ばれ、彼らのイジメの対象になった。


そりゃあ、少しは堪えることもあった。

でも、僕はきっとどこかで認めてしまっていた。

自分がなんの取り柄もない[透明人間]だってことに。


だけどある日、そんな透明人間の僕に運命的な出会いがあった。

ただなんとなく、楽そうだから

そんな理由で受けた美術の選択授業を受けたその日、僕は初めてきちんと人の絵というものを見た。

その絵はある風景画で、その絵を見た瞬間、なんだかこう…僕の心がぎゅっとなった。

きっとこの感情は「感動」という物なんだろう。

初めて体験した「感動」という感情、そしてその感情と共に、僕はある思いを胸に抱いた。

僕も、こんな絵を描きたい。

僕もこんな絵が描けたなら…透明人間の僕にも僕の色を見い出せるんじゃないか…

透明人間の僕にも…僕の色が…




そう思って僕は、素晴らしい絵を描く為に、僕の色を見い出す為に、初めて自分から行動を起こした。

まず僕はその絵を見た日に美術部に入部した。


「透明人間が今更なにを」

周りの奴らはそう思っただろう。

でも僕には周りの視線なんて関係なかった。ただひたすらあんな絵を描きたい。そう思ったから。

今まで変わりたいなんて思ったことがなかった僕が、初めて変わりたいと…思ったから。


それから僕はひたすら絵を描いた。

ひたすら絵を描いて、絵について勉強して

そんな日々を過ごしていた時、僕にはある才能がある事に気がついた。


人の絵を真似てその絵を描く

僕は模写が実は得意なんだと高校1年にして、やっと自分の特技を見つけることが出来た。



やっと見つけた僕の特技

正直嬉しかった。

透明人間の僕にでも、特技と言えるものがあったんだと


でもそれと同時に絶望もした。


模写が得意ってことは結局、自分に色なんてないんだ。

実際、僕が描いたオリジナルの絵が僕の模写を超えることはなかった。


やっぱり…無理なのか?

僕に色なんてないんだろうか…

結局僕は、透明人間なんだろうか…



そんな事を思って、半ば折れかけていたある日

彼は唐突にやってきた。


彼は僕の通っていた高校に転校してきた転校生で、どうやら過去にたくさんの賞を取るほどの絵の実力を持っているらしい。



「すごい絵を描くやつが来たらしい!」

「なんども賞を取ったんだってよ!」

「どんな絵なんだろう」

「見てみたい」

転校生なんて存在は軒並み噂になり、そしてそれが勝手にハードルになったりする。



だが彼はそんなハードルをものともしないくらいの素晴らしい風景画を、入部して1ヶ月足らずで描きあげた。


そんな彼の絵を見た時、僕の心がぎゅっとなったあの感覚と、すごく似たような感情になった。

そしてそれと同時に折れかけていた僕の心に、トドメを刺した。

結局僕には、こんな絵なんてかけるわけない…僕はただの透明人間なんだと。


それから僕は絵に対しての熱意も消え、たまに顔を出す程度になり、部活も辞めようとしていた時

初めて彼が僕に話しかけて来た。

彼「よぉ」

僕「えっ?あっ…うん…初めまして」

彼「最近見ねぇと思ってたけど今日は来てんだな」

僕「うん、まぁ退部する前くらい…ちゃんと出ようかなって…」

彼「はぁ!?お前辞めんの!?」

僕「えっ…!?うん…」

彼「まじかよー…困ったなぁ…」

僕「な、なんで…?困るって…」

彼「なぁ、お前だろ?透明人間なんて呼ばれて、いじめられてんの」


僕「…あの、多分君と話すの初めてだよね?」

彼「あぁー…まぁ、そういやそうだな」

僕「初めましてで早速人が触れてほしくないない事を聞く?普通?」

彼「あ、わりぃわりぃ…別に悪気があったわけじゃねぇんだ

ただ何となくお前のことずっと見てて、ついな」

僕「僕のことを?君が?なんで?」

彼「んーなんでだろうなー…お前ってさ、めちゃくちゃ暗いし、何考えてるかわかんねぇしで取っ付き難いやつなんだろうなーって思ってたんだけどよ」

僕「…君は凄くストレートに話をするね」

彼「まぁなんつーか絵を描いてる時だけは、いつもと雰囲気が違うよな」

僕「えっ…!?」


正直、透明人間の僕のことなんて誰も見ていないんだろうと思ってたから…彼が僕を見ていたなんて思ってもなかった。


彼「お前なんで絵を描いてんの?なんか夢でもあんの?」

僕「いや、まぁ…夢っていうか…そんなんじゃないけど…」

彼「なんだよ」

僕「僕のあだ名…」

彼「ん…?あぁ、透明人間ってやつ?あれ最初に名付けたやつセンスいいよな」

僕「…」

彼「あ、わりぃ」

少し彼は苦笑いをした。

僕「いや、いいよ」

彼「そんで?その透明人間と絵を描く理由なんか繋がりあんの?」

僕「…笑うなよ?」

彼「なんだよ…別に笑わねぇよ」

僕「透明人間の僕にでも、素晴らしい絵を描けたなら…僕にも色が見い出せるかな…って」

彼「お前の色を…見い出す?」

僕「う、うん」

彼「ふっ…ふふ…ははっ」

僕「笑うなよ!!!」

彼「あーいやわりぃわりぃ別にバカにしてるわけじゃねぇんだ」

僕「ほんとかよ…」

彼「本当だって、自分の色を見い出す…かぁ…なるほどなぁ…」

僕「な、なに?」

彼「絵って本来そういうもんなのかもな」

僕「え?」

彼「正直考えたことも無かったわ、そんなの、でもそっか…お前の考えも一理あるかもなぁ…ふふっやっぱお前俺の見込んだ通りだわ」

僕「なんだよ急に…」

彼「なぁ、お前友達いねぇだろ?」

僕「だからなんだよ急に…まぁ…居ないけど…」

彼「よぉしじゃあお前俺と友達になれ!透明人間!」

僕「はぁ?」

彼「そんでよ!俺の計画に付き合え!!!」




この時の彼との出会いが、後に僕に大きな決断をさせて、僕の人生を大きく変えることになる。


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