禁忌の森
あらすじ。
見知らぬ惑星へと不時着した俺達は、何とか無事に生き残り周囲の探索を開始する事になった。
「え? 森から出られないって? 何それ?」
『Yes。肯定します。不時着後から行っている、偵察ドローンを使った周囲への探索は難航中となっています』
――その突然の報告に、船内で過酷な飛鳥教官指導によるブートキャンプ……いやトレーニング中だった俺は、動きが固まってしまって何とも間抜けな言葉を吐いてしまった。
「え? そうなの? 何で?」
『周囲の森のMAP作成などは、ほぼ完了しております。しかし、この件を具体的に申しますと……森から一歩でも出ようとすると、何故かまた森の中に居るのです。飛行中の偵察ドローンでも同じ現象が起こりました。森の外へ出ようと、森の境界を抜けた筈が何故か森の中へと進んでいたのです。理解不能です』
「うぇ~っ!? マジか~この森から一生出られないってか」
『Yes。肯定します。飛行ドローン及び私の子機による徒歩での探索でも、この森からは抜けられませんでした』
「迷いの森……。いや、俺達が閉じ込められている現状で判断するならば、もっと強い目的意識を感じるな。そう言えば不時着から今日まで、一切外部からの干渉が無かったのも同じ理由からか?」
『……と申しますと? マスター?』
「俺達も出られないが、外からも中へ入れないって事かもしれないな。つまりこの森は、外部から隔離されていたりするのかもな。一種の結界……閉鎖空間……封印? まだ情報のピースが足らないから、今すぐそう断言は出来ないけど、逆に言えばこの森には何か秘密があるんだ。封印されし邪悪な何かとか、ここを閉鎖している仕組み(装置)とかがさ」
『ナルホド。確かに何らかの装置などはありそうです。いえむしろ、逆に何も無かったなら、この森から今後も出られない事になるので非常に困ります。この宇宙船を、完全に修理する為には物資が全然足りませんし、出来れば早急にどこかの街で物資を調達しなければいけません』
「ああ、そうだな。その為には、この森の謎から解いていかないと行けない訳だな。本当の冒険の始まりみたいで、オラちょっとワクワクしてきたぞ。船内でトレーニングして、ご飯ドカ喰いして寝て起きるだけの生活も飽きたし。そろそろ俺も森で探索開始していいよね?」
『あ、飽きた……。もしやマスターは、私に飽きてしまったのでしょうか? 確かに私は、文武両道で才色兼備ですが調理だけは何故か不得意で……実は特別な料理ユニットがマスターの料理を担当しておりますが、ひょっとしてお口に合いませんでしたか? まさか、完全にマスターの趣向に合わせて内緒で造型した私の顔や体が、お気に召しませんでしたか? もしそうでしたら、言って頂ければすぐに次の私を再生産しm……』
「おーい。飛鳥さ~ん、戻ってきて~。俺は一言もそんな事は言ってないよ~? 早く正気? に戻って下さいませんかね。ハァ~……最新型AIが、何でこうも度々暴走するのかな~? 性能が優秀過ぎるのも問題なのかもね。でもまぁそこが気に入ったんだし、見てて面白いから良いんだけどね」
『マスターに気に入られた……。つまりマスターは、私の身も心もありのままが全てゾッコンLove? そこまで言われると、流石の私も照れますね』
――目の前に居る、飛鳥の子機で完全に俺好みなグラマー美女で有能秘書姿な飛鳥が、腰などをクネクネとさせて照れを表現している。これはこれで、可愛いものだ。
「あー……。うん、まあいいや。それでね? 飛鳥さん? 僕もそろそろ、お外で冒険をしてみたいかな~ってね? 良いかな?」
『YES。了承致します。ただ単独行動は禁止、常に子機である私(秘書)か、探索型の私の子機を護衛にお連れ下さる事が条件です。それは宜しいでしょうか?』
「オッケーオッケー。それで良いよ。流石に1人で、未知の惑星を探検したいとは思いません~。命大事に! 俺は長生きしたいからね~」
こうして俺達は、この不時着した見知らぬ惑星、その森の謎を解き明かす為に動き出すのであった。
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