4 炎上
今日のトレーニングが終わり、夜夢と霞は自主トレで日の暮れた町を走っていた。
夜夢は焦げ臭い匂いがする事に気付く。
匂いの方角は昨日行った養護施設の方からだ。
まさかと思い、夜夢と霞は顔を見合せ
養護施設に向け走り出した。
日はいつの間にか沈み、養護施設に辿り着いた。
辿り着いた夜夢は言葉を失う。
養護施設はパチパチと燃えていて
夜夢は泣きそうな顔で
「そんな、何で」
霞は無表情で
「不条理は当然で、運命は残酷」
「トレーニングに戻ろう」
夜夢は驚いた顔で
「もう少し辺りを調べようよ」
霞は虚ろな表情で
「無駄だよ」
「それでも、私は諦めない」
夜夢が燃える養護施設に近付いた。
石田竜二、二ノ宮伸二、片野紗耶香の名前を夜夢は叫ぶ。
「誰か、誰か助けて」
養護施設の裏手の方から、女の子の悲鳴が聞こえる。
夜夢は急いで裏手に向かう。
霞は夜夢を追い越し裏手に回った。
裏手に回った夜夢は体が強張った。
何故なら吸血鬼が石田竜二の首を絞め、今にでも竜二は死んでしまいそうだったからだ。
霞は銃を握り
「夜夢、今何も出来なければ絶対後悔する」
夜夢は体が震え、それでも…
「動け、私の体」
「動け」
夜夢はホルスターから銃を抜いた。
しかし体が震えて照準が合わない。
霞は狙いを定め吸血鬼の頭を撃ち抜く。
竜二は吸血鬼の手から離れ、激しく咳き込む。
吸血鬼の頭は徐々に再生する。
休みなく吸血鬼の体に弾幕を浴びせる。
霞は手榴弾の安全ピンを抜き
吸血鬼に向かって投げる。
手榴弾は爆発し吸血鬼の体は分散し辺りに散らばった。
霞は夜夢を引っ叩いた。
「私がいなければ全員死んでたよ」
「何も出来ないなら、今すぐ辞めて」
夜夢は俯き何も言い返せなかった。
しかし三人の無事にホッとした。
竜二、伸二、紗耶香は光聖委員会メンバーとしてナノフに引き取られた。




