表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
迷宮神獣Ⅰ~汚染獣襲来~  作者: J
終わりの始まり
80/106

ナスタージアの勇者たち・上

  汚染獣――それは瘴気から生まれし、世界を喰らう獣。


 人種と汚染獣の戦いの歴史は遥か太古より連綿と続いていた。

 その流れが変わったのが――〈大災厄〉。それが世界の転機となった。

 本能のままに全てを喰らう汚染獣に自我が芽生えたのだ。その原因を作ったのが勇者召喚である。


 汚染獣の喰らう力の正体とは――上位格魔法が1つ暗黒魔法。

 全てを喰らう〈浸食〉に際限なく増え続ける〈増殖〉。 


 この力が汚染獣の全てである。そしてこの力は常時発動している。〈浸食〉で喰らった力を、そのまま自身の魔力へと還元しているのだ。一種の永久機関と言えるだろう。喰らうものが無くなるまでの期間限定ではあるが。


 〈増殖〉を持っている汚染獣が進化することはない。それは世界の不文律であった。何故なら蓄えられた力が一定以上に達すると増殖する汚染獣は、進化に必要な力を蓄えることが出来ないからだ。


 では“知恵ある汚染獣”とは何なのか。

 彼らは汚染獣の進化個体(上位種)ではなく、異世界人の変異個体(変異種)なのだ。




 異世界人とは異なる世界から次元――世界の壁――を越えて来たものを指す。そして、壁を越える際に莫大な魔力と『歪み』を宿した存在であり、この『歪み』こそ汚染獣の素となる。


 本来であれば人種(ひとしゅ)が生み出した負の感情が『歪み』を(もたら)し、魔力を瘴気へ変える。そして瘴気が(こご)ることこにより汚染獣が生まれる……これが汚染獣発生のプロセスである。


 だが異世界人はこの逆だ。

 最初から『歪み』を持っている異世界人は彼ら自身が負の感情を抱くことにより汚染獣へとその身を変えるのだ。これには個人差があるが、長くこの世界に留まる程負の感情が蓄積され、汚染獣に変わる確率が高まる。

 いや、最終的には例外なく汚染獣へ変わると言った方が正しいだろう。早いか遅いかの違いだけである。


 知恵ある汚染獣が知能を有しているのは母体となる異世界人の影響に他ならない。そして、変異種たる彼らは〈共喰〉の権能を有している。


 〈共喰〉とは文字通り同種である汚染獣を喰らう力だ。

 これで得た力で彼らが増殖することはなく、喰らえば喰らうほど力を増していく。この力こそ、かつての戦いで竜王ヴィルヘルムを苦しめた主原因である。



 異世界人が持つ『歪み』を解消させる方法が1つだけ存在する。それは、現地人との間に子を儲けることだ。これにより異物であった彼らは世界に受け入れられ『歪み』が消えるのだ。

 実際に勇者マサキは神獣カトレアとの間にルーファスセレミィを授かったことで汚染獣に変わることなく最期まで戦うことが出来た。





 〈大災厄〉では原魔の森の中心部に存在する魔湖とギガント王国にある最北の街ノースティア――現在は王都――を除く世界の全てが汚染獣に喰われ、人々は極限まで追い詰められた。

 竜王ヴィルヘルムはその原因となった勇者召喚を世界の禁忌とし、現在でも汚染獣の発生に常に目を光らせている。



 ――其れにも関わらず、勇者召喚は為された。



 何故、〈大災厄〉で使用された勇者召喚陣が残っている事に、ヴィルヘルムは気付かなかったのか……。彼はアカシックレコード強制介入を持っているというのに。


 それは()()()()()()から。文字通り、汚染獣が喰らいつくした大地には何も残らなかったのだ――そう、建物ですら。故にヴィルヘルムは誤認した。勇者召喚陣も喰われたのだと。


 だが……それは残った。


 知恵ある汚染獣は自分たちが産まれるプロセスを理解していたのだ。奴らは意図的に自分たちが産まれる土壌を残した。いつかこの世界を喰らいつくすために。


 ――奴らは憎む。全てを憎悪する。


 それは理不尽に召喚され、戦いを強いられた末に汚染獣へと変わった異世界人たちの怨みの(こころ)なのかもしれない――。








 勇者召喚陣の起源はガリリアント魔法帝国まで遡る。

 勇者召喚魔法の刻印魔法化を成功させた古代魔法帝国だ。


 ガリリアントはラスティノーゼ大陸の実に半分以上を支配した超大国。

 当時は原魔の森も今ほど広大ではなく、大陸の西側一帯がガリリアントの領土であった。原魔の森が広がったのは〈大災厄〉以降であり、リーンハルトとベリアノスも古代魔法帝国の一部だったと言えば、その強大さが分かるだろうか。

 

 かつてガリリアントにより勇者召喚が行われていた地こそ、現在のアンセルム王国。


 アンセルム王国とは大陸西部に位置する小国だ。

 フォルテカ公国、シリカ騎士王国、そしてベリアノス大帝国と領土を接する人族至上主義を掲げる国となる。 


 アンセルム王国初代国王は、ベリアノスの皇族であった。


 野心が強く当時の皇帝に地方へと封じられていたのである。英雄王ガッシュが蜂起したのを、これ幸いと便乗して独立を勝ち取ったのだ。

 しかしながらベリアノスを裏切ったはいいが、人族至上主義を掲げるアンセルムに味方する周辺国などいるはずなく、戦後孤立した。


 その結果、独立を維持することが難しくなり、アグィネス教の宗主国である神聖皇国ナスタージアに仲裁を申し込み、ベリアノスと和解した経緯がある。

 現在では、ナスタージアの属国の様な扱いの国となっている。





 アンセルムに密やかに眠っていた勇者召喚陣の封が破られたのは新世暦5120年。今から75年前のことだ。


 アンセルム国王から勇者召喚陣発見の報せを受けた神聖皇国ナスタージアは直ちにこれを徴収。原魔の森に程近い場所にある迷宮内に勇者召喚陣を移し、迷宮の入口を隠すように()()()が設立された……そう、これが研究所の原点だ。


 だが、〈保存〉の魔法が掛かっているとはいえ、5000年以上前のもの。劣化した勇者召喚陣は読めない箇所が散見し、とても実用に耐え得るものではなかった。だが、彼らは諦めることを知らず、長きにわたる研究の末に勇者召喚陣は復活を遂げたのだ。





 新世暦5174年


 〈大災厄〉以降初となる勇者召喚が行われた。


 結論から言えば、これは失敗だった。いや、勇者は問題なく召喚されたのだが隷属に失敗し、やむなく討伐することとなった。


 何故なら勇者を魔法で隷属できる期間が決まっていたから。


 本来、上位格魔法を持つ勇者に下位格魔法である隷属魔法は効かない。だが、勇者の固有魔法が彼らの魂へと定着するまでの時間であれば、隷属が可能となる。その間凡そ10日。


 更に、特殊な条件を満たすことにより、この期間は大幅に短縮できる。


 彼らは召喚された勇者の力を確かめるために、即座に真実の水晶を使用した。勇者が自身の力を知ることが、固有魔法の定着を早めることになるとも知らずに。これが隷属魔法の失敗へと繋がったのだ。


 時を置かずに再び勇者が召喚され、討伐するということを繰り返しながら彼らは学んでいく。勇者の思考を隷属する方法を――。





 同年、遂に勇者の隷属に成功。


 そして……(おぞ)ましい実験が幕を開けた。


 勇者は自分達とは何が違うのか……彼らは生きたまま勇者を切り刻み、身体能力の差、臓器の反応、再生力、脳の機能、生殖能力――ありとあらゆる事を試した。

 その魔の手は勇者だけに留まらず、魔物・人種・汚染獣にも波及していった。研究所がリーンハルトへと進出していったのもこの頃からだ。要は一か所では手が足りなくなったのである。


 彼らは魔物の研究を主とする施設と、汚染獣の研究を主とする施設に別れて研究を開始した。かつて、バーンとアイザックが破壊した施設もこの内に含まれる。


 だが、勇者の研究はアンセルムの研究所のみで行われた。

 文献によれば、いずれ知恵ある汚染獣へと変わるはずだからだ。彼らは〈浄化〉を使える魔法士と固有魔法士を配備し万全の態勢で臨んだ。迷宮の中に勇者召喚陣を設置したのも、人知れず勇者と汚染獣を()()するためだ。


 竜王ヴィルヘルムに気付かれぬように。






 新世暦5184年


 彼らは転機を迎えた。


 それは、今まで不明だった勇者の召喚条件を定義するための術式を解明したのだ。これにより彼らは自分たちに都合の良い力を持つ者を召喚できるようになった。


 彼らが最初に召喚したのは“聖女”。


 アグィネス教の権威を高めるために神聖な力を有する勇者を欲したのだ。彼等にとってうれしい誤算は、聖女の力が汚染獣に対して絶対の優位性を誇っていたことだ。



 彼女が宿すは純潔魔法。その権能は3つ。


 〈神聖結界〉結界内に存在する邪悪なるもの――これに汚染獣も含まれる――を滅ぼし、それ以外の者を癒す。

 〈神聖封印〉邪悪なるものを封印する。解除すれば再び動き出す。

 〈純潔ノ守〉保持者に害意ある者が触れればその命を奪う。



 彼女の権能を知った時、彼らは狂喜した。いくら万全の体制を敷いたからといって知恵ある汚染獣の処理には相応の犠牲を伴っていたのだから。最早、汚染獣を恐れる必要のなくなった彼らは、次々と異世界人を召喚していく――。


 そして……更なる欲望に火が灯る。汚染獣を従える権能もあるのではないのか、と。






 新世暦5190年


 遂に彼らは汚染獣を従える“力”を手に入れた――その先に破滅があるとも知らずに。



 



 ◇◇◇◇◇◇




 

 美しい男が豪奢なソファーに寝そべっている。他の者がすればだらしなく見えるその所作でさえ、物憂気(ものうげ)に顔を曇らせた男がすれば、まるで世を儚む佳人のよう。

 男がため息を吐くと銀色の髪がサラサラと揺れ、悩まし気に細められた銀色の瞳が顔を覗かせる。もし、この場に誰かいたのならば迷わず男の憂いを晴らすために行動したことだろう。


 儚げな容貌を持つこの男こそルーク・ジルベスタ・シエル・ナスタージア。


 アグィネス教の教皇にして神聖皇国ナスタージアの支配者である。

 


 コンコン



 ノックが聞こえたにも拘らず、男は身体を起こすことすらせずに入室の許可を出す。


「失礼します」


 若い女の声が聞こえ、7人の男女が入室する。


「教皇様におかれましては、ご機嫌麗しく……ないようですね」


 女の言葉にようやくルークは顔を上げた。

 ルークの目の前には20歳前後の男女が拝跪(はいき)することなく立っている。これは彼らに許された特権だ。彼等こそ、ナスタージアが誇る勇者たちなのだから。



 最初に声を掛けた女の名は望月愛姫(もちづき あいき)

 柔らかそうなウェーブがかった長い黒髪に、優しそうな目の下にある泣き黒子が得も言われぬ色気を演出している。メリハリのある肢体からは成熟した女の色香が放たれ、とても19歳には見えない。ルークを見つめるその目は情欲に濡れており、肉厚の唇からは熱い吐息が吐き出されている。



 そんな愛姫の脇腹をチョイチョイ突いている、おっとりとした小柄な少女が水野椿(みずの つばき)。中学生に間違えられるほど幼い容姿に凹凸の無い身体だが……実際は22歳、7人の中で最年長となる。



 愛姫と椿の横には手を繋いだ仲の良さそうな少女達が2人。

 つり目がちのショートカットの少女が九鬼天音(くき あまね)、お姫様カットの色白の少女が園部翼(そのべ つばさ)だ。翼の目は始終閉じており、無表情も相まって感情というものを窺わせない。




 ここからは男性陣だ。


 腕を組み、背の高い知的な男が挑発的な眼差しを隠そうともせずにルークに向けている。容姿はルークに劣るものの十分美形だと言っても良い。鳳壱星(おおとり いっせい)、それが彼の名である。



 7人の中で不機嫌な様子を隠そうともしない少年が1人。葛谷和真(くずたに かずま)だ。ポケットに手を突っ込み斜に構える姿は我儘な子供を彷彿させる。



 6人と距離を置くように1歩下がった位置に佇んでいるのが服部大夢(はっとり ひろむ)。時折、視線を周囲に走らせる様子は何かを探っている様にも見える。



  



 1つため息を吐いたルークは、気だるげに頬杖をつく。


仮面(ペルソナ)が失敗したのだ」


 驚きの表情を浮かべた勇者たちの目に動揺が走り、各自心配そうな色が浮かぶ。


仮面(ペルソナ)さんは大丈夫なんですか!?」


 居ても立っても居られないといった様子で天音が一歩前へ出る。仮面(ペルソナ)は天音にとって……いや、彼ら全員にとっての命の恩人なのだから。

 

 ルークはそこでようやく勇者たちに今回の戦略を教えていなかったことを思い出し、否定の意味を込めて手を振った。頬杖をついたまま、更に言えば寝転がったままのルークの姿は投げやりにしか見えないが……。


「あぁ、問題ない。仮面(ペルソナ)の策が失敗しただけだ。今回、汝らを呼び出したのはその件だ」


 ルークはゆっくりと身体を起こし、芳醇な香りが漂うワインに口を付ける。唇の端から零れ落ちたワインをペロリと唇を舐める様は、まるで誘っているかのようだ。


 銀色の目が勇者たちを捉えた瞬間、ルークの雰囲気が一変した。

 その身に(まと)うは支配者の覇気。強い光を宿す目が勇者たちを貫き、紅い唇が弧を描く。


「余の覇道を邪魔する者がいる。汚染獣の大部隊を動かす。汝らの仕事は汚染獣を人知れずカサンドラ近郊まで運ぶことだ」




 反射的に居住まいを正した自らの行動に、壱星は内心舌打ちししつつ言葉を紡ぐ。


「運ぶだけですか?」


 その目は好戦的に輝き、戦闘の期待に濡れていた。


「今回は……な」


 意味深にルークは嗤い、壱星を流し見る。


「心配するな。直に嫌でも戦うようになる」


 ルークの妖艶な所作に顔を赤らめた壱星は、誤魔化すかのように矢継ぎ早に質問する。


「っ全員出動ですか?」


「椿、翼、壱星は確定だ。他は自由にしてよい。知恵ある汚染獣を指揮官として1体連れて行け。場所は

この地図に記してある。他に質問はあるか?」

 

「標的を聞いてもいいですか?それと、余計な事かもしれませんが獣王がメイゼンターグに詰めていますよ。邪魔が入るんじゃないですか?」


 大夢の趣味は情報収集だ。

 彼の持つ固有魔法も情報収集に特化したものとなっている。当然、魔物暴走(スタンピード)から始まった一連の事件も知っている……が、途中から彼の〈偵察ノ目〉を以てしても状況を把握することが出来なかった。


(……何かある)


そう大夢の勘が囁くのだ。

 



「流石だな」


 ルークは満足気に大夢を見つめ微笑む。基本的に彼は無能な者が大嫌いだ。この反応はある意味当然のことだと言える。


「標的は神獣。それも対汚染獣に特化した力を持っている。成長する前に何としてでも潰しておきたい。獣王は気にする必要はない」


 そう言ってルークは先程渡した作戦の詳細が記された地図を指さす。



 汚染獣の数――50万体



 増殖することを考えれば、カサンドラに着くころには倍になっている可能性すらある。ガッシュが助けに動こうと動くまいと関係ないのだ。1人で止められる数ではないのだから。


 問題は竜王ヴィルヘルム。


 アレが動けば状況が引っ繰り返る可能性がある。

 だが……とルークは思う。正気かどうかすら分からぬ程荒れ狂っている竜王が動くか否か……。恐らくは動けまい。母なる神獣を害した犯人が捕まったという情報もなく、竜王軍も未だに各地を飛び回っている。この状況で()()()()()()を置いて西部に来ることはないだろう。


 だが……万が一という事もある。

 一気に片を付ける、そのための戦力だ。




 息を飲む勇者たちの反応は2つに別れた。驚きと絶望。


 前者は先程ルークに名を呼ばれなかった4名。後者は今回の作戦に参加が確定している3名。この3名が50万体もの汚染獣を運ぶのだ……重労働(ごうもん)である。だが、彼らが選ばれたのには理由がある。


 この中で、瘴気渦巻く荒野に転移できるのは、水野椿、園部翼、鳳壱星だけだからだ。




 転移には3種類ある。



 1つ目が決まった場所から場所へ移動するもの。


 これは、転移したい場所に印を事前に付ける必要があり、どこでも自由に転移できるという訳ではない。また、印をつけられる回数にも制限があるものが多く、特殊魔法の転移はこれにあたる。


 瘴気の影響で転移できなくなるのはこのタイプの転移だ。何故なら印から発せられる自身の魔力が瘴気によって攪拌(かくはん)されるからだ。



 2つ目が行ったことのある場所に転移するもの。


 これは座標を入力する必要があり、演算や思考能力に関する権能とセットになっていることが多い。この場合、印をつける必要がなく、瘴気の影響を受けないのだ。



 最後の1つが特殊な目を持っている場合だ。

 

 ルーファの〈時空眼〉と〈次元転移〉のセットがこれにあたる。この目で捉えられる場所であれば何処へでも好きなところに転移できるという破格の力を有する。勿論、これも瘴気の影響は受けない。




 

 翼の空間魔法の権能には〈千里眼〉と〈転移〉がある。これは上記の3番目にあたるものだ。


 壱星が持つ傲慢魔法に転移は無いが……彼は相手の権能を解析することで獲得できる力を有している。つまり、翼の権能を取得済みなのだ。


 そして椿の暴食魔法は強奪系。

 以前に敵から奪った転移魔法は2番目にあたる。

 更に3人は収納系の能力も有している。汚染獣を運ぶのにはうってつけだと言えるだろう。





「椿に生物を収納する力あったかしら?」


 愛姫は訝し気に椿を見る。既に3年の付き合いだが、そんな話は聞いたことが無かったためだ。


「汚染獣なら大丈夫……多分……息してないし、平気だよね……?」


 両手を握りしめ自信満々に言い放った椿だったが、途中から自信がなくなったのか声がどんどん小さくなっていく。   


「ま、まあ、今回確かめればいいんじゃないかしら」


 微妙に引きつった顔で愛姫はフォローを入れた。 

 じゃれ合い始めた勇者たちを見つめ、ルークは思い出したかのように一言付け加える。


「ああ、そうそう7日後までに全て運んでおくように」


 絶望に顔を歪ませる3人とは裏腹に、ルークは実にイイ笑顔であった。 

 





強奪系ついに解禁!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ