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Dの花
なんだい、キミは。あの彼を振った女生徒が誰かわからないのかね?
まあ、すぐにわかるはずだ。絡みつく視線、危険な罠で甘く誘惑する彼女の存在は、この学園でも異彩を放っているのだから。
「大体、私は誰も恋人にした覚えはないわ。」
もう、妖しい彼女の正体はわかったね。
* * * * * * *
「勝手にそっちからやってきて、私の恋人気取りでいるんじゃない。」
「ああ、待ってくれ!」
「しつこい男は嫌いなの。さようなら。」
どうやら、庭師としての最初の仕事は、彼女と彼を別の場所へ植え替えることになりそうだね。なに、よくあることさ。彼女は危険な花だよ。
花のデータD:女の子。
容姿は普通だが、独特の色気をもっているので何かとモテる。本人に悪気はない。
「あら、やだ。まるで私が悪いみたいじゃない。私からは指一本、触れていないわ。」