ー常勝の章85- さて、追加の注文をするぜ?するぜ?しちゃうぜ?
さて、無事?に俺の一発芸も終わったことだし、次は菜々さんと椿の出番だな。って、あの2人、畳みの上に横たわったまま、まだ腹を抑えて、ぴくぴくと痙攣してんだけど?
「うふふっ。よっぽどツボに入ってしまったのですわね?どうしましょう?2人が復活するまで、しばらく待ちましょうか?」
「そうぶひいねえ。あのツボに入った状態で何かやろうとすれば、その芸ちゅうにぶふう!と吹き出して、大参事になりかねないぶひい」
「では、10分ほど休憩に入りマショウ。そろそろ、食べるモノも尽きてきたので、お酒を頼むついでに追加の料理を頼みまショウカ」
「そう、ですね。では、何を注文しま、しょうか?鳥肉料理ばっかりだったので、ここはお刺身を注文したい、ところです」
「うーーーん。今は夏本番なんやで?お刺身はちょっと危険な香りがしまへんかなあ?ひでよしくん。ここは安全に火が通ったものを注文しといたほうがええと想うやで?」
「そうっしねー。四さまの言う通りっしー。特に青魚はやばいっしー。いけるかな?と想ってみたら、ぴーごろごろ!なんて、よくある話っしー」
「では、お刺身はやめま、しょう。焼き魚や、煮魚が良い、でしょうね。あと、漬物も頼みま、しょうか」
「漬物なら、茄子ときゅうりの糠漬けが食べたいんだぶひい。ああ、でも、白菜の浅漬けも捨てがたいんだぶひい。困ったんだぶひい」
「いっそ、全部、注文すればいいのですわ?田中さん。こんなに人数がいるのですから、食べ残す心配もないはずですわ?」
「そうぶひいねえ。風花さんの言う通りなんだぶひい。ひでよし、悪いけど、茄子ときゅうりの糠漬けを5人前と白菜の浅漬けを5人前、頼むんだぶひい」
「では、漬物を追加、ですね。他に何かあるなら、今の内にお願い、しますね?」
うーーーん。俺としてはお茶づけを食べたいところなのだが、それは飲み会なら、しめに食べるものだしなあ。まだ、一発芸大会も終わってないところで、注文すべきものじゃあないし。何か良いモノないかなあ?
俺がそう想いながら、お品書きをまじまじと見ているわけだが。うん?焼きおにぎりってのがあるな。これ、注文しておこうかな?
「なあ、ひでよし。焼きおにぎりが食べたい。2個くらい、がっつり食べたい」
「はい、彦助殿。焼きおにぎり、ですね。うーーーん、皆さん、どうします?皆さんの分も2つずつ、注文しておき、ます?」
「ふふっふふっ、ひでよし、私も焼きおにぎりをお願いするわ?ふふっふふっ」
「あたしもー、焼きおにぎり食べるー。ふふっふふっ」
あかん。椿と菜々さんがさきほどのもみじまんじゅうから回復しきってないな。これは、復活を成し遂げるまで、時間がかかるんじゃねえのか?
「はい、椿さん、菜々さん。わかり、ました。では、うーーーん。そうですね。焼きおにぎりは皆さん、2つずつ注文しておくことに、します。食べきれなかった場合は、田中さんが責任を持って食べてくれそう、ですし」
「良いぶひいよ?僕のお腹は底に穴が空いていると言われているんだぶひい。どんどん、食べ残した分は、僕の口の中に放り込んでほしいんだぶひい」
「うふふっ。では、田中さんの言葉を信じて、私は追加でゆでだこを1匹、注文してほしいのですわ?私は足を1、2本だけいただきますが、残りは田中さんの口の中に入れるのですわ?」
「そ、それは勘弁してほしいんだぶひい。ひでよし、タコさんの足だけ注文してほしいんだぶひい」
「はい、わかり、ました。では、とりあえず、漬物3種と、焼き魚と煮魚、それに焼きおにぎりを皆さんの分、そしてええっと、ああ、タコさんの足を茹で上げたもの、ですね。では、ちょっと注文しに行って、きます」
ひでよしがそう言うと、障子を開いて、カウンター席のほうに向かい、直接、注文を言いにいってしまうのである。
「ひでよしは気が回る奴だなあ。なんで、あんなに出来た猿なのに、彼女ができないんだろうな?」
「そこはやっぱり猿だからじゃないデスカ?人間の女性を諦めれば良いだけのような気がシマス」
弥助はひどいなあ。俺、口が裂けてもそんなこと言えないわ。まあ、俺も常々、心の中では想ってはいるんだけどな?
「弥助くんはひどいひとでんなあ。わい、口が裂けてもそんなこと言葉にできませんわ」
「弥助くんの評価が今、駄々下がりになったっしー。本当にそれでもひでよしくんの友達っしー?」
「ひどいんだぶひい。弥助はひどいんだぶひい。ひでよしはアレでも、人間界の住人だと自分では想っているだぶひい。必死に動物界に帰ってしまわないように踏みとどまっているんだぶひい」
「そうだぞ?弥助。言っていいことと悪いことがあるぞ?本人の前で言わないだけマシだと想っているかもしれんが、ひでよしは猿なりに必死に生きてきてるんだぞ?」
「うふふっ。田中さんも彦助さんも大概な気がするのですわ?でも、本人には言わないほうが吉なのですわ?想うまではいいかもしれませんが、口は災いの元と言いますわ。ですので、ここらで、ひでよしさんのことを猿と口走るのはやめておくのですわ?」
「あ、あのー。風花さん?聞こえています、からね?あと、弥助さん、田中さん、彦助殿。あとで、お仕置きをするので覚悟しておいて、くださいね?」
あっ。ひでよしに聞こえてたのか。うーーーん。これは飲み会が終わったあと、ダッシュで逃げないとなあ?