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Force  作者: 本願寺 裕真
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宝探しへの第一歩

その頃、浩平達は群がる人の波を摺り抜けて必死に


問題の入った封筒を探していた。


非常階段灯の上でやっと見つけた封筒も中身を見たら、


世界史の問題であった。


ラッキーな事は2つ続いた。


早く見つかった事、そして問題が1学期の期末テストの範囲だった事。


しかしこのラッキーは長くは続かなかった。




香織達は相島と香織、 大友と千夏の2組に


分かれて封筒を探して会場内の隅々まで仕切りに探している。


その時に会場全体にアナウンスが流れる。


『最初の1次予選通過者が出ました。残り49組です。』


通過者のアナウンスに香織の周りがざわめく、


まだ10分くらいしか経っていない。


『こんなにも早い予選通過者がいるなんて・・・』


香織達は驚きを隠せない。


香織達だけじゃない、今、必死に会場全体で


封筒を探している参加者全てが、更に焦りの色が顔に出ている。


『どこにあるの?』


香織達は会場のホテル内にある飲食店の中を探している。


会場のホテルはForce主催関係者と参加者以外はいない。


全部貸し切っているみたいだ、冷静に考えたらホテルを


まるごと1棟貸し切るなんてこの大会って凄いと感じた。


その時、香織の携帯に千夏からメールが届く。


千夏達は1階フロント内で2通の封筒を見つけたらしい。


その事を相島に伝えると、相島は『負けられないな!』と言い、


ホテル内の飲食店内の厨房に入っていった。


香織は飲食店の店内をぐるりと見渡す。


人ひとりいない飲食店は不気味だ。


誰もいない飲食店がこんなにも不気味とは思いもしなかったが


体験する事のない新鮮な感覚も香織は感じていた。


そしてその静寂を打ち破るように相島の大きな声が響く。


『やっと、見つけたよ。』


その声に香織はびっくりしてフリーズ状態だ。


『わりぃ、声大きかったか?』と


笑いながら相島は香織に封筒を見せている。


香織もフリーズから解除され、笑顔で親指を立てた。




岸谷達は運のいい事に、問題の入った封筒も


岸谷の機転から素早く見つけ、隣の会場に向かう。


『間違いなく1番乗りであろう。』


岸谷の予想は見事に当たる。


隣の解答会場に向かうと10セットの長テーブルがセットされて、


それらは全て簡易的な壁で仕切られている。


その会場の中心に先程の紺色のスーツを着た男性が立っており、


『記念すべき最初の挑戦者の皆様、お待ち致しておりました。

1番のテーブルへご案内致します。』と丁寧な口調で案内した。


岸谷が何か言いたそうな感じを察したのか、


紺色のスーツの男は岸谷に対して、


『ご健闘お祈りします。』と言葉をかけると、


すぐにまた会場中央に向かった。


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