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The man of a dark blue suit,No2
周りには紺色のスーツの主催者が一人いるだけで、他には誰もいない。
『よく見つけたね』と言いたそうな眼でこちらを見ている。
年齢は20代後半くらいのスラリとスーツの似合ういい男である。
岸谷は部下ならかなり仕事が出来るだろうな感じた。
岸谷が話かけようとしたが、その男は会場内控室に消えていった。
『どうしたの?』と岸谷に奈緒子が話かける。
『いや、別に・・・』と気の抜けた返事をする。
岸谷は紺色のスーツの男が消えた控室から視線を戻し、
『では、隣の会場に行きましょう。』と言う一幸に頷き、
4人は一番乗りで隣の解答会場に向かった。
『お見事ですよ、年の功とでも言うべき事かな?』
紺色のスーツを着た男は岸谷達を遠くで見ながら呟いた。
封筒の半分は実は司会者が趣旨説明した、ここにあるのだ。
『灯台もと暗し』
慌てて出て行った者達は、確かに封筒は見つけるだろう。
但し問題は大学入試問題相当の難易度の高い問題に
悩ませられるだろう。
しかもルールを最後まで聞かなかった者達ばかりだ。
紺色のスーツの男は会場をざっと見渡し、控室に消えていった。






