絶望の朝のはじまり
『お待ち致しておりました。長旅お疲れ様です。』
『うむ、米村はどうしている?』
『今は落ち着いています』
『お前がいて、何故こんな事になるんだ。』
本多圭一郎は不機嫌な顔で言う。
『すいません。』
『圭介は何をするつもりだ。』
『今はわかりませんが、米村が言うには全てを知っているとの事です。』
『全てをか・・・』
本多圭一郎は大きい身体を揺らしながら考える。
『圭介からは何と言ってきたんだ?』
『ただ1通の手紙が届いているだけです。』
圭一郎はその手紙を見る。
『いよいよ、このショーの幕を閉じようと思います。
明朝8:00に広場にてお待ち致しております。』
『あと1時間か・・・』
圭一郎はそう言うと、手紙をくしゃくしゃに丸めゴミ箱に捨てた。
AM8:00
ひんやりとした朝だ。
いよいよこのショーにも幕をおろす時が来た。
終わらないショーなど決してない。
始まりがあれば、終わりが必ずある事。
広場にぞろぞろと集まってきた。
Force参加者の12人、グローバルTVの田中雅美はじめクルー、
本多圭一郎、米村、加納、シェフの槙野までもが集まっている。
圭介は広場の中央で全員を迎える。
『ようこそ、皆さん。よくお集まり頂きました。
いよいよ、このショーの幕を閉じようと思います。』
『圭介!何をやっている!』本多圭一郎は怒鳴る。
『やぁ、継父さん。よくぞお越しに下さいました。
ここが懐かしくて、戻って来られたんですか?』
圭介は笑いながら、圭一郎に言う。
『なにぃ!』圭一郎は怒りに震えている。
『何だって?この島の出身なのか?』
岸谷は思わず声を出す。
『圭介さん、本当にそうなんですか?』田中雅美は圭介に聞く。




