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Force  作者: 本願寺 裕真
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常識の範囲外

食堂はちょっとした喫茶店のようにサンプルが飾られている。


フォークが宙に浮いているナポリタンやカップの中に


コーヒー豆が入ったものが飾られていた。


遥はそのサンプルの中で新幹線の形をした皿に、


にぎやかに子供が大好きなものばかりが盛られている


お子様ランチのサンプルのチキンライスには日の丸の


替わりに小さい黄色いブラジル国旗が飾ってある。


日の丸ではなくブラジル国旗というだけで違和感を感じた。


手に取るとサンプルの下から、封筒と


『Congratulations!』と書かれたメッセージカードが見つかった。




岸谷と奈緒子は、先程通った客室の洗面所の


柱と柱に無造作に掛けられていた


水色のタオルのある部屋を探していた。


全て似たようなつくりの為に1部屋ずつ捜さなければ見つからない。


部屋を探しはじめて10分後、やっと目的の部屋を見つけた。


さっき見た時と全く変わらず、無造作に水色のタオルが


掛けられている。


岸谷は恐る恐る水色のタオルを手にする。


それと同時に白い封筒と『Congratulations!』と


書かれたメッセージカードが落ちてきた。


やはり自分の常識だけでは通用しないのが


この『Force』なのだと岸谷は改めて実感した。


固定観念なんて持ってはいけないのだ。


『永田さん、やっと1つ目の旗を見つけましたよ。』


岸谷は一幸の携帯にかけてそう言うと


『こっちは全然ですよ、青い旗らしいものすらないですよ。』


一幸が少し疲れた感じの声が返ってきた。


『青い旗は決して青とは限らないですよ。

水色も青だし、私が見つけたのも、水色のタオルでしたから。』


岸谷がそう言うと、『えっ、そうなんですか?』と


驚いた調子で一幸が言う。


『だからもしかしたら見落としているかもしれませんよ。』


確かに一幸は青い旗を自分が思い込んでいたものでしか見ていない。


確かに岸谷が言うのも納得がいく。


『わかりました、もう一度見てみます。』


一幸はそう言うと岸谷からの電話をきった。


『岸谷さんからだったの?見つかったの?』


由子は一幸にかかってきた電話の内容を聞いてきた。


『1つ見つかったらしい、こっちももう一度探してみよう。』


一幸は由子にそう言うと


『でも今まで青い旗なんて見かけなかったわよ。』由子は言う。


『由子は青い旗はどんなのを想像してる?』


一幸は由子に問い掛けると


『青色?青色といえば絵の具の純粋なブルーかな?』


そう答えてきた。


『俺も同じような物を想像してたよ、だから見つからないんだよ。』


『えっ、どう言う事?』由子は一幸に聞いてくる。


『実は岸谷さん達が見つけた旗は水色のタオルだったんだよ。』と


一幸が言うと由子は驚いた顔で、『えっ、そうなの?』聞いてくる。


『想像していたのと全然違うだろ?』と一幸は由子にそう言うと


由子は黙り込んでしまった。


『もう一度探そう、イメージしていたものとは別の視点でね。』


一幸がそう言うと由子は黙って頷いた。


『遂に岸谷チームも1つ目の旗を見つけたようです。』


グローバルTVのクルーも力が入る。


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