2次予選開始
『最後尾の方は解答後、前の方に問題用紙を廻して下さい。
先頭の方まで問題が行き、解答後はまた後ろに廻す。
それの繰り返しとなります。』
問題用紙が先頭に座る人達の全てテーブルに配られた。
『以上、ご質問はありませんでしょうか?』
会場は静まり返り、唾を飲み込む音すら聞こえそうなくらいだ。
『では、始めます。』
一斉に問題用紙を開き、運命の2次予選が始まった。
あらゆるジャンルの問題が数多くある。
数学、歴史、日本文学、化学反応式、雑学になぞなぞまで。
最初の3分が間もなく近づく。
遥の問題は夏目漱石の前期3部作は『それから』『門』
残るひとつは 何かという問題であった。
遥はマークシートにチェックすると優子に問題を渡す。
次は優子の問題、夏目漱石の晩年の思想はという問題。
いきなり優子は遥に相談する為に手を挙げる。
それを見た健吾と浩平は、心の中で『1問目から相談かよ!』と叫んでいた。
手を挙げ相談する合図を優子。
しかし遥はそれをきっぱりと拒否した。
いつもは相談すると断れない性格の遥が断ったのだ。
遥が拒否の姿勢をした事で優子は顔を膨らまし、
不快感をあらわにし、マークシートにチェックすると
後ろの健吾に問題用紙を投げ出すように渡す。
浩平はまだ1度も自分のところに廻ってきてないのに、
優子の態度に危機感を感じていた。




