駆け引き
『席順は確かに重要ですね。』
岸谷が一幸に話しかける。
『私が先頭に座りますから、岸谷さんは最後尾でお願いします。』
一幸がそう返事をすると、奈緒子と由子が、合わせたように
『そうしましょ。』と返事をした。
一幸を先頭に由子、奈緒子、最後尾に岸谷の順に席に着く事で決まった。
『まずは相島さんが先頭で間違いないでしょ!』
大友が相島に向かって話しかける。
『じゃあ、大友は最後尾な!俺の後ろは山本さん、
大友の前が来島さんでどうかな?』
相島は3人を見て返事を待っている。
『山本さん、来島さんじゃなくて香織、千夏って呼んでいいですよ。』
千夏はそう答える。
『じゃあ、先頭は俺で次に香織、香織の次に千夏、最後に大友な!』
3人は相島の顔を見て頷く。
『先頭はやっぱり遥でしょ!』優子が言う。
『えぇ、何でよ~!』遥は困った顔をしている。
『だって学年でもトップクラスじゃない、みんなもそう思うでしょ?』
健吾はうんうんと頷く。
『わかったわよ。』と遥は渋々優子と健吾の意向を受けた。
『じゃあ、私は2番目ね。』優子は言う。
『優子の次は俺だな、最後は浩平だな。』健吾が続く。
こういう時には健吾と優子の連携は最高だ。




