第0話 前作のあらすじ&前作からの変更点
東京でホテル業とリノベーション物件販売および宿泊施設運営を主とする企業『(株)ファミリア』の代表取締役であった冴木和馬。
2016年のある日、故郷である高知県に住む親友の及川司から思いがけない頼みごとをされてしまう。
『和くん。おれらのチームの運営、してくれん?』
まさかのサッカーチームの運営を頼まれたのだ。親友からの頼みを断れず、しかし性格上中途半端が出来ない和馬はアドバイザーとして話を聞く予定が、いつの間にやら自身の会社内にスポーツ事業部を作り、子会社『デポルト・ファミリア』として本格的なサッカークラブ設立を目指していく。
兎にも角にもチームを支える土台作りの為に自社内で希望者を募り高知へ移住。クラブ本拠地としたのは高知県東部に位置する芸西村。人口約3000人ほどの村落だった。
そんな芸西村の中にある自治体管理の宿泊施設を併設した運動公園施設を和馬の自己資金で買い取る。ここをクラブのホームグラウンドとする為だった。
農園運営、空き家をリノベーションしての販売や、廃業している民宿を買い取りリフォームして経営する等、多岐にわたる事業を少数精鋭で運営していく。
準備期間二年と言う時間を費やして2018年4月、ついにサッカークラブ『Vandits安芸』は高知県社会人リーグ2部から始動した。
2部リーグ、1部リーグと順調に昇格していく中で様々な出来事、そして仲間達の引退・移籍を経験し、クラブ自体はもちろん今までスポーツ事業に縁の無かった社員達や和馬自身も成長していく。
そんな順調なチームとは裏腹に親会社である『(株)ファミリア』の役員の不正によって、ファミリアの代表取締役を務める和馬は責任を取り辞任。それに伴い、(株)デポルト・ファミリアの代表取締役からも退く事となった。
そして2020-21年シーズン、Vandits安芸は四国リーグへ進出。それを機に女子チーム『シルエレイナ高知』を発足。未来の女子プロチームを目指しダブルトップチームで日本サッカー界へ挑んでいく。
そんなVandits安芸は公式戦負け無しで四国リーグを制覇。トップアマチュアリーグであるJFLへの昇格を目指し、全国地域リーグを勝ち上がってきたチームと昇格権を争う地域チャンピオンズリーグへ挑む。
全勝で予選リーグを突破したヴァンディッツは、決勝トーナメントで惜しくも敗れJFLへの昇格を逃してしまう。
そんな失意のどん底の中で、チームの精神的主柱である及川司が来シーズン限りでの現役引退を発表。それに伴い、運営・スポンサー・サポーターへ冴木和馬の運営への復帰を訴えた。
これにより運営への復帰を果たした和馬は、これまでのサポーターや地元住民との関わりの中で自分の経営哲学を改める機会を得た。そして、更なるクラブ発展に自分の全ての力を注ぐことを決意。今まで距離を取っていたサポーターとの関わりも深めていく事となる。
そうして迎えた2021-22年シーズン。Vandits安芸は昨年の悔しさを更なる糧として、見事に四国リーグを全勝して完全制覇。地域チャンピオンズリーグもその勢いのまま全勝で制し、文句無しでのJFL昇格を決めた。
そして迎えるJFLへの挑戦を前に親友である及川司は現役を引退。引退後はデポルト・ファミリアでセカンドキャリアをスタートさせる事になる。
司の現役最後の日、和馬は妻の真子と司と共にホームスタジアムでたった三人の初めてのパス交換をして新たな決意を胸にJFLへ挑戦していく。
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※ジュニアユースチームの名称を『Club Vandit』に変更いたしました。
※登場人物の年齢等が前作と1~2歳くらい違わない?と言う人物もいるかも知れませんが、今回の登場人物紹介の年齢が設定年齢としてお読みください。(分からなくなったとかそう言う事では....)
※今後、選手入れ替えが相当激しくなる事が予想されます。メインストーリーに大きく関わらない選手に関しては人物紹介にも登場しない可能性もございます。(あまりに登場人物を増やし過ぎると私自身が混乱してしまうのでww)
※登場人物紹介をお読みいただかなくてもストーリーは楽しんでいただけるように書いているつもりですが、読んでいただけると背景をより楽しんでいただけるかと思います。(それにしても多すぎます。)