表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/8

作中原作小説(灰かぶり少年は何者なのか?)あらすじ

作中に出てくる小説の設定。随時更新予定。

①幼少期

 物心がついたころにはアメデオの家にいたシンダー。家は森の奥で、交流があるのは町に住む気にかけてくれるクララという少女とその父親ジェラールだけだった。基本一日中部屋にこもりきりのアメデオの代わりに家事全般をこなし学校などには行っていなかった。

 幸い、アメデオの本が家に散乱しており、すきを見て自分で勉強をしたりしていた。それでも学校に通う子供をうらやましく思ったり、親の愛情を恋しく思うことがあった。シンダーはよく自分をほかの名前で呼ぶ夢を見て恋しくて、泣きながら目が覚めることすらあった。

 シンダーはほかの子供がやっている魔術をみて、見よう見まねでやってみるとできてしまった。そのとき、アメデオにそれがみられて、折檻を受けて箱に閉じ込められていた。しばらくすると、箱を開ける音がして、クララがスープを持ってきてくれていた。

 魔術の才能に確信を持ったシンダーはアメデオに隠れて練習をしたりしていた、ある時、アメデオの部屋に魔術の本があるのを知る。その時轟音がして、アメデオはシンダーを箱に入れ部屋に閉じ込めてしまった。出して、と泣きわめくシンダーを振動が襲う。壊れた箱をのぞき込んでいたのは巨大なヘルハウンドだった。とっさに「待て!」と叫ぶとヘルハウンドはそれに従う。その時、町の方から悲鳴が聞こえた。町を守っていた結界が壊れ、魔物が入ってきたという。ヘルハウンドに乗り町を襲っていた魔物を倒していった。しかし、従わせたことにより魔力に何らかの負荷がかかったのか、意識を失った。

 襲撃が収まったころ、町に派遣されたという騎士たちがやってきた。町の人々はヘルハウンドに隠れたシンダーが見えておらず、「何者かに助けられた」と証言していた。そこにアメデオが戻ってきて、手柄を横取りしていった。

 手柄があれば、両親が自分に気づいて、会いに来てくれたかもしれないのに、と意気消沈するシンダー。家にやってきたジェラールはうちに来い、と言ってくれた。ジェラールはかつては王国騎士団の中でも特に選ばれた第一騎士団の一人だったのだ。そこから十年間、シンダーは彼の家で育つ。魔術の練習はしていたが、あの日意識を失ったことが気がかりで多用はしていなかった。

 17になったある日、シンダーはジェラールの家で古い記事を見つける。それはアメデオが故意に要人二人を殺したというものであった。その時再び町が魔物から襲撃を受ける。あの日はなんとか持ちこたえていたようで、被害もあまりなかったというのに、今回は結界が早く壊れ多くの被害が起こっていた。シンダーは避難させながら応戦していたが以前より魔物の襲撃が強くなっていた。

 そんな時、逃げ遅れた人が目に入り、ジェラールがかばって大けがを負ってしまう。その時に慟哭した声に反応し、シンダーの影からヘルハウンドが現れ、協力し魔物を屠った。

 すべてを殺したころには町は火の海でジェラールは虫の息だった。ジェラールは死に際に「王立騎士学校にシンダーを推薦した」という話をする。紹介状が入っているという箱を燃える家からクララがなんとか持ち出していた。シンダーはそれをもち、その中に入っていたペンダントを胸に町を後にする。


②訓練生編

 ジェラールの推薦により入学したシンダー。しかし、学校は王立だけあり貴族や後ろ盾のある人ばかりで、平民で姓も持たないシンダーはその時点でさげすまれていた。特に同期には騎士家系ブラック侯爵家の娘ゾエと王家の血が混じっているアンリ公爵の息子リオネル、上に取り入る気満々なルルー男爵家のルネがいた。

 正々堂々気質のゾエは最初から仲良くしてくれはしたものの、リオネルは蔑み、同室のルネは益がない存在と知るや態度を急変させた。しかし、様々な訓練などを経て、リオネルは散々鼻っ柱が折られ、対等なライバルとして友情を築いていく。ルネははねっかえりな態度でいたが、シンダー自身が表に出さないルネの努力をみて心を開き、やがてルネもほだされていく。

 進級などをして、特待生アンジェなどの後輩も入ってくる。

 様々な学園イベントを経て、卒業の前ゾエと話していると、ゾエは分家から自分を引き取り、女だけれど才能を認めてくれたブラック家に恩返しがしたいと話しており、そこから以前伝説となった三人の生徒がいたことを知る。一人はブラック家嫡男ナタン、一人はアンリ家子女リリアンであった。ゾエはその肖像をみて、シンダーはリリアンに似ていると指摘した。親を求め続けていたシンダーはリリアンのことを知ろうとゾエと彼女の痕跡をたどると一枚の録画機能がついた書籍が出てきた。そこには「主席挨拶」とかかれていたが一部が破り取られていた。しかしそのわずかだけ残った歌声は夢でよく聞く声に近いものであった。

 その時、学園に魔物が入ってきた。応戦する学生たち。シンダーこそ村が魔物に襲われたことがあるが、この世界においても魔物とは太古の文献にあった伝説の生き物であり、生徒たちも困惑していた。その際シンダーたちはうまく応戦していたが、ルネの助言により反撃を開始する。そしてその中で後輩の中に隠れていたラミアを発見、最終的に魔術を使い辛勝し、ヘルハウンド以外に新しく使い魔を得る。

 それを見たゾエとリオネルは困惑する。そして、それを見てルネは「やっぱり」と言葉を漏らす。

「君は、アメデオ様の、息子だね、シンダー」

その言葉につい「どうしてそれを」と返してしまう。その瞬間、ゾエは怒りを込めて、リオネルは困惑しとある事実を告げた。

「私の叔母リリアン、それからゾエの家の有望な若者であったナタンは、同じく公職についていたアメデオ・ドラクロワによって殺されたのだ。」

そうして彼らはシンダーに決別の言葉を告げ去っていった。もしかしたら、自身の本当の母親はリリアンではないかと思っていたシンダーはアメデオへの憎しみを濃くした。両親を知り、アメデオの悪事を暴くため、王国騎士団に入らねば、と思った矢先、魔物襲来時の功績をたたえる通達が学校へ届く。後輩のアンジェが、実は王女アンジェリケだったのだ。その際シンダーは一つのお願いをする。

卒業式、最優秀生徒として肖像が残ったのはシンダーで、リリアンの向かいにその絵が飾られた。卒業後、四人は王国騎士団へ招集が決まる。ゾエ、リオネル、ルネは王直属の第一騎士団。そしてシンダーはアンジェリケ直属の第二騎士団へと配属となる。

 入団式の際、視線を感じてそこを見ると、氷のような目でシンダーを見つめている人がいた。そこにいたのは、今や王国内務尚書となっていたアメデオだった。



③王国編

 公職についたもののアメデオと顔を合わせることはほとんどなかったどころか、友人たちとも顔を合わせない毎日を送っている。というのも、近年魔物の襲撃が多く、それにかなりの数が駆り出されている挙句、王女のアンジェリケが進言しようにも「抱えの騎士が少ない団からは人員をだす必要がない」と言われ、内政の雑用ばかりが回ってきていた。そんな折、アンジェリケの内務資料をみていると魔物被害に対しての資料で、魔物をどうにか寄せ付けない策はないかと独自研究しそれを検討するよう進言している書類があった。それが何かと問うと、アンジェリケが目をかけている研究員ダニエルだという。シンダーはすぐさま彼女のもとへと向かった。

 彼女は最初こそシンダーにおびえていたが、研究結果を話すごとにだんだん彼に慣れてきた。彼女曰く、魔物とは古代文献には書かれていたが、民族史的にみるとそれは医療や化学の発達が乏しかった時代であり、また教会の力なども弱かった話で、多くの伝説は何らかの病気が原因だったり、負の感情から生まれる魔の澱も教会の建物が各地にできている今はそれのせいで動物が狂暴化したりする可能性は格段に下がっているはずだという。

 というのに件数は日に日に増していき、王国の武力なくしては今や安全な生活も送れなくなってきているという違和感がある。しかも未知の「魔物」が近年最初に現れたのは20年ほど前だという。アンジェやダニエルはそれについて何らかの意図をもって計画している者がいるのではと考えているのだという。そしてシンダーは彼らに自分が魔術を使えること、それから魔物を従わせることができること、気を失うことがあり完全に制御ができているわけではないことを告げる。

 アンジェはそれに対して「つらかったでしょう」と声をかける。このおかしくなっている現状の中で体に悪影響が出ている可能性もあるし、それを言うと迫害を受けるかもとおびえていたのでしょう、とアンジェは理解を示し、シンダーの体質、それからこの魔物事件の真相について独自で調べていくことと方針を決める。そこから一気にアンジェと距離が縮まっていくシンダー。

 アンジェは聖女として教会の浄化の奉仕をしていたが、その時大司祭エクスから浄化が魔に効くという話を聞く。

そんな中、魔物退治に多くの人が駆り出されていく城の中でアメデオが執務室以外に出入りしているのを発見する。ダニエルと城中捜索をしていると違和感のある間取りがあり、隠し部屋を見つける。そこにあったのは多くの魔の人体実験の資料と研究室であった。

 その中で初代適応した人間として多くの血液やDNAが残されていたのはリリアンとナタンであった。そして奥の魔術発動陣の上に立っていたアメデオをみつける。そこから怒りにかられシンダーはアメデオに襲い掛かる。しかしアメデオの剣術と術にかなわず負けそうになり、シンダーは魔術を発動、その時、そこにいた魔物たちが皆シンダーに味方した。強く、自我を持っているヘルハウンドとラミアは、シンダーの人となりを知っているだけに凶行に及びたくはなかったが、命令に従わされる。アメデオが死にそうになったその時、シンダーははっと自我を取り戻す。そこには浄化をかけるアンジェがいた。

 アメデオはとらえられ、地下牢に閉じ込められることとなった。浄化の力を持つアンジェはシンダーと婚約し、妾の子であった王クックゥは二人が成人し結婚した暁には正妻の子であるアンジェの夫となるシンダーに王位を譲ると宣言。ハッピーエンドとなった。


挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ