表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
断罪終了後の悪役令嬢はもふもふを愛でる~ざまぁするつもりはないのですが~  作者: 一番星キラリ@9/2やられる前に発売:商業ノベル&漫画化進行中
【遂に】

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
28/48

28

サール王太子は、乙女ゲーム『シュガータイムLove』の攻略対象の中で、騎士団の団長に次ぐ、武力が秀でているキャラクターだった。まさにヒロインのお相手として、ヒーローであり、魔物に対して怯むこともない。周囲の兵士が総崩れなのに、ただ一人、魔物に立ち向かった。


それは……相手が本当に魔物だったら、称えられるべき行動。


だが、相手は魔物ではない。

幻影スキルを使った、ただのもふもふの猫なのだ。クロなのだ。


クロは私を一方的に攻撃するルナシスタから私を守ろうとしただけだった。

もふもふと言ってもクロだって鋭い牙と爪を持っている。

ルナシスタに飛び掛かることだってできた。

自身も扇子で打たれるているのだから。

でもそうはせず、幻影スキルを使い、脅かしてルナシスタを止めようとした。

ルナシスタを傷つけずに、ただ止めようとしただけなのに。


「ギャッ」と一声鳴いた後、その場に倒れたクロは動かない。


同時に魔物の姿は消えたので、兵士達が立ち上がり、サール王太子も剣を握ったまま固まっている。


「殿下、魔物はこの女が、チェルシーが連れていた猫だったのですよ! 化け猫だったのです! まだ生きているかもしれません。とどめを刺し、燃やしましょう」


ルナシスタの「まだ生きているかもしれません」という言葉に脳がようやく動き出す。

それでもその脳の動きは正常とは程遠い。

正しく認識することを、本能が拒否していた。


「クロ」と呼びかける。


少し離れた場所で倒れたクロはピクリとも動かない。


そんなことはない。そんなことはないわ。

中庭でも突然クロは倒れたけれど、ちゃんと呼吸して生きていた。


「クロ、クロ、クロ!」


四つん這いでクロに近づき、その体を抱き上げる。

まるで軟体動物になったかのように、手足にも尻尾にも力がなく、首が頭ごと後ろにそれた。

その瞬間。

何が起きたかを理解して、心臓が止まりそうになった。


「チェルシー、離れろ。それはルナシスタの言う通り、化け猫だった。魔獣となり、我々に襲い掛かった」


肩に触れたサール王太子の手を振り払い「触らないで!」と叫んでいた。


「殿下! その女は不敬罪です! 今すぐ処罰すべきです!」


ルナシスタが吠えたその時。


「そこまでです」


セフィラスの凛とした声が聞こえ、その場にいた全員が、私も含め、意識を失った。



ベッドに横たわる私は夢を見ている――と思う。


『エルフにとって、時間とはあってないようなものです。よってこれがいつの出来事なのか……。きちんと記録にとらないとダメですね』


セフィラスの澄み渡った声が聞こえてきた。


『これはまるで童話のようにあなたには聞こえるかもしれません。でもこれはOnce Upon a Time……そう、遥か昔に起きた出来事なのですよ』


そう言ってセフィラスはこんな物語を聞かせてくれる。


とある王国に待望の王子が誕生した。

サファイアのような瞳にアイスブルーの髪。

赤ん坊ながら鼻筋が通った端正な顔立ちをしており、透明感のある艶やかな肌をしていた。

将来はさぞかし立派な王子に育つと、国王も王妃も大喜びとなった。


王子の誕生を祝い、周辺の森で暮らすエルフや沢山のもふもふがお祝いに駆け付けた。


その中に四人の魔女がいたのだ。


北の魔女、南の魔女、東の魔女、西の魔女。


北の魔女は美しい赤ん坊の王子を見て、将来間違いなく、麗しい貴公子として育つことを確信した。魔女もエルフと同じで永遠を生きる。命を奪われなければ、死ぬことはない。よってまだ赤ん坊の王子に求婚したのだ。


これには国王と王妃は驚いてしまう。


まだ誕生したばかりの赤ん坊の王子。しかも魔女からの求婚だ。国王と王妃が動揺するのも当然だった。


だが北の魔女は強欲。国王と王妃が即断しないことに腹を立てる。


「私の物にならないのならば、この王子の魂に呪いをかけてやる。王子が愛した女性は必ず死ぬ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【一番星キラリの作品を紹介】
作品数が多いため、最新作を中心にバナーを並べています(2025年12月の大掃除で・笑)。 バナーがない作品は、作者マイページタイトルで検索でご覧くださいませ☆彡

●本編完結●
バナークリックORタップで目次ページ
やらかしてしまったモブ令嬢です
『やらかしてしまったモブ令嬢です 』

●新連載●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢に転生!婚約破棄で推しと家族が闇落ち!回避したいだけなのに
『悪役令嬢に転生!婚約破棄で推しと家族が闇落ち!回避したいだけなのに』

●溺愛は求めていませんよ?●
バナークリックORタップで目次ページ
平凡な侍女の私、なぜか完璧王太子のとっておき!
『平凡な侍女の私、なぜか完璧王太子のとっておき!』

●紙書籍&電子のコミカライズ化決定●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢に転生したらお父様が過保護だった件~辺境伯のお父様は娘が心配です~
『悪役令嬢に転生したらお父様が過保護だった件~辺境伯のお父様は娘が心配です~ 』

●これぞ究極のざまぁ!?●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢は死ぬことにした
250万PV突破『悪役令嬢は死ぬことにした』

●出版社特設サイトはコチラ●
バナークリックORタップで出版社特設ページへ
婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!
80ページが試し読みできる特設サイトへ
『婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!』


●出版社特設サイト●
バナークリックORタップで出版社特設ページへ
婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!②
『婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!② 』

●もふもふも登場!●
バナークリックORタップで目次ページ
断罪の場で自ら婚約破棄シリーズ
『断罪の場で悪役令嬢は自ら婚約破棄を宣告してみた』
日間恋愛異世界転ランキング3位!

●壮大なざまぁを仕掛けます!●
バナークリックORタップで目次ページ
婚約破棄された悪役令嬢はざまぁをきっちりすることにした
『婚約破棄された悪役令嬢はざまぁをきっちりすることにした』

●章ごとに読み切り!●
バナークリックORタップで目次ページ
ドアマット悪役令嬢~ドン底まで落ちたらハピエンでした!~
『ドアマット悪役令嬢はざまぁと断罪回避を逆境の中、成功させる~私はいませんでした~』

●9/2発売決定●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢はやられる前にやることにした
『悪役令嬢はやられる前にやることにした』

●宿敵の皇太子をベッドに押し倒し――●
バナークリックORタップで目次ページ
宿敵の純潔を奪いました
『宿敵の純潔を奪いました』

●コミカライズ化も決定●
バナークリックORタップで書報ページへ
断罪後の悪役令嬢は、冷徹な騎士団長様の溺愛に気づけない
ノベライズは発売中!電子書籍限定書き下ろし付き
『断罪後の悪役令嬢は、冷徹な騎士団長様の溺愛に気づけない』


●妹の代わりに嫁いだ私は……●
バナークリックORタップで目次ページ
私の白い結婚
『私の白い結婚』

●[四半期]推理(文芸)2位●
バナークリックORタップで目次ページ
悪女転生~父親殺しの毒殺犯にはなりません~
『悪女転生~父親殺しの毒殺犯にはなりません~』

●現実世界の恋愛物語●
バナークリックORタップで目次ページ
せと恋~瀬戸内の夕陽がつなぐ島の恋~
『せと恋~瀬戸内の夕陽がつなぐ島の恋~ 』

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ