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94話 薬の調合
「なんか…思ったより普通だ…」
作業部屋に入った私達の前に広がるのは壮大な魔法薬の精製現場…なんてことは無く、理科の実験器具のようなもので何かやっていた。
専用の装置などもなくビーカーやフラスコなどを使っているだけなので、パッと見理科の実験をやっているようにしか見えない。
「普通と言われても普通に薬作ってるだけだし…。どんな風に作るのを想像したの?」
「なんかもっと魔法とか使って派手にやったりするとか?」
「どうやったら薬作りなんかが派手になるのさ…」
思ったよりこの世界は現実的というかファンタジーしてない世界観なようだ。
ライラさんが作業を開始して1時間ほど経った頃、薬が完成したとの事だった。
「よし、完成!」
「速いですね、もうできたんですか」
「まぁこれは成分抽出してから汎用的な薬品混ぜるだけだしね」
何やらよく分からないが比較的作るのは簡単なもののようだった。
完成した薬を見てみると、なんというか濃い緑色の液体がビーカーに入れられていた。
「それ、もしかしてなんですけど味は悪いタイプのものだったりしません?」
「まぁ…仕方ないよね…」
「ちなみにどんな味がするんです?」
「凄い濃い青汁みたいな味だと思う…」
なんというか、こういう不味い薬というのも定番と言えば定番ではある。




