94/111
91話 魔獣撃退
懐中電灯の光を魔獣に向けたまま出力を強めていく。
始めは特に動きはなくこちらを睨むばかりだったが、真ん中ぐらいまで出力を上げると魔獣は光を避けるような仕草をとるようになった。
そして、7割ほどまで出力を上げた辺りで飛び退くように魔獣は逃げ出した。
「驚いたね…本当にそのランタンのようなもので追い払っちゃうとは…」
「結構驚くぐらい出力上げれるみたいなんですよね」
「一応こういう所で使うなら気を付けてね」
そう言ってライラさんは魔獣がいた所を指差す。
光が当てられた影響か、地面を見ると焦げていた。
放置して山火事にでもなったら大事なので、一応水筒の水をかけて消火しておく。
枯葉にでも当てて本格的に火がついていたら危ないところだった。
今後もいざという時の自衛手段に使えそうだが、火事には気をつける必要がありそうだ。
「さて、魔獣が戻って来るかもしれないし、早いこと夜月草を回収して帰ろうか」
そう言ってライラさんは夜月草の生えている所に向かった。