7話 女神との出会い
「あっ起きたー?おはよー」
目の前の女の子はのんびりとした様子で話しかけてきた。
「えーと…おはようございます?」
困惑しながら私はそう返す。
「体調はどう?どこか悪いところはないー?」
体調は悪くないように感じるが、確かにトラックに轢かれたのだから、気が付いていないだけで怪我をしているのかもしれない。どこか怪我してないかと、体を動かしてみたが特に痛むところはなく、擦り傷ひとつ無いようだった。
「おかしい…トラックに轢かれたはずなのに擦り傷ひとつ無い…」
実は昏睡状態になっていて、怪我が完治した後になってようやく目覚めたといった状況だったのだろうか。その割には関節が固まったりした様子は無いのだけれども。
「うん、元気そうだね。良かったー」
体を動かす私の様子を見てか、女の子は私が元気になったと判断したようだった。
「ところで、状況を説明してもらいたいのだけれど、ここはどこ?あなたは誰?」
少し落ち着き冷静になった私は、そもそもの状況を女の子に聞いてみた。
「よくぞ聞いてくれましたねー!そうです、貴方はトラックに轢かれて死んだのですー!そして私は女神様ー!そしてここは私の部屋ー!」
急にテンションの上がった女の子の回答は突拍子も無いものだった。
「え…私死んだんですか」
「うん、お亡くなりー」
そんな軽いノリで人の死を告げないでもらいたい。それに女神ならもっと神々しくあれよ。
そんな事を思ったが目の前の自称女神には無理そうだった。