75話 お薬屋さん
なんも考えずに書いてましたがお薬屋さんって言い回しなんか可愛いですね。
「それじゃ、案内しますねー」
手続きが終わったのか、受付の人が奥から戻ってくると、依頼のお薬屋さんまで案内してくれるとの事だった。
「え、受付の仕事とか大丈夫なんですか?」
「大丈夫ですよ、すぐそこなのでー」
そう言うと受付の人は受付に離席中と書かれた紙を置いてギルドから出ていった。
誰か代わりの人が受付を引き継ぐとかではないのか…。
「着きましたよ。このお店ですー」
受付の人について行くと、依頼元のお薬屋さんに案内された。
「近っ!」
受付の人もすぐそこと言っていたが、本当にギルドからすぐそこだった。
具体的には徒歩1分ぐらい。ギルドの横の通りに少し入った辺りにそのお店はあった。
「ギルドで買い取った素材を持ち込んだりするので近いと都合がいいんですよねー」
受付の人曰く、このお薬屋さんはギルドと提携しているお店なのだそうだ。
ギルドから優先して素材を卸してもらえる代わりに、ギルドで依頼された薬の調合を優先して対応してもらっているらしい。
なので、風邪薬みたいな一般的な薬はあまり扱っておらず、傷薬のような戦闘系の依頼で使うものや、貴重な素材を使う特殊な薬を中心に扱うとのことだ。
何でもかんでも扱ってしまうと素材を優先して卸してもらえる分街の他のお店の客を奪いかねないので、その辺りは意識的に棲み分けするようにしているようだ。
「ま、詳しい事は気になるようなら店主さんに聞いてみるといいですよ」
そう言いながら、受付の人はお薬屋さんのドアを開いた。