69話 親切なおじさん
おじさんの馬車に乗り込んだら酷い目に…なんて事は無く、普通に街まで送ってくれるようだった。
我ながら警戒心が薄いというか、色々と雑になっているのは問題点かなとは思う。最悪死んでも女神のところに戻るだけだしいいかとなってしまっている所がある。
なんというか、自分に対して悪意を持った人がいるとか、危険な動物がいるとかを検知してくれる、防犯センサーみたいなものは無いだろうか。今度女神に相談してみよう。
そんなこんなで1人反省会を脳内でしている私の心境を知ってか知らずか、私を馬車に招いたおじさんが話しかけてきた。
「それにしても、あんな所で女の子1人で歩いているとは危ないじゃないか。お仲間とかはいないのかね?」
「えーと、まぁ、一人旅なものでして」
「気をつけたまえよ、魔獣なんかに出くわしたらひとたまりもないだろうに」
この世界、魔獣なんているのか。街に近い平原だし道も整備されている風だったので平和そうに感じていたが、まさかそんな危険があるとは。
魔女箒で空を飛んでしまえば大丈夫だと思うが、街や人里の外を移動する時は注意が必要そうだ。
……空を飛ぶような魔獣とかいないよね?
そんなことを話しているとあっという間に城下町の門まで到着した。
また、門番にどう説明して城下町に入れてもらうかは今回の転移の課題の1つだったが、おじさんの連れという事で特に何も聞かれずに通してもらえた。
門から街へ入ってすぐの辺りで、おじさんが用事があるとのことだったので、そこで下ろしてもらうことになった。
なんでも、馬の世話をしてくれる所があるとの事だ。
「送ってくれてありがとうございました。あとすいません、ギルドに行きたいんですけどこの街のどの辺にあるか分かりますか?」
「いやいや、気にせんでくれたまえ。ギルドならこの通りの先の広場の所にある。大きな建物だし看板もあるから行けば分かるはずだ」
お礼を言って、お別れする。
最初はやや不安だったが本当に親切な人で良かった。
ちょいとリアルがバタついたり新しいゲームやり出したりしてモチベが…。
このおじさんは裕福な商人というイメージで書いてました。