66話 森の散策
朝の身支度が済んだところで、早速売り物集めに取り掛かった。
熊さんには河原でお魚を採ってもらい、私は森で木の実を中心に探し回る。
1人で森を動き回るのはやや心細いが、もし危険な生き物に遭遇しても飛んで逃げればいいし、森の中で遭難したりしても飛んで上から見れば元の位置に帰れると思うので大丈夫だろう。魔女箒が便利すぎる。
「と言っても売れそうな物なんて分からないなぁ…」
魔女箒で飛びながら森の中を散策しているが、なかなかめぼしい物は見当たらなかった。
先日熊さんに教えてもらった木の実ぐらいなら見つかるかと思ったがそれも見当たらない。
あとはファンタジーものでよくある薬草とかも生えているかもしれないが、そもそも見分ける方法が分からない。
そんなこんなで収穫が全然無いまま動き回っていると、ふと見覚えのあるものを見つけた。
「あれ、松ぼっくり?」
目の前の木にかなり大きめの松ぼっくりがいくつもなっていた。
ちょうど収穫時なのか、いい具合に開いていてイメージ通りの綺麗な形になっていた。
私の元いた世界では雑貨屋さんとかでたまに売っていたような気がするし、もしかしたら売れるかもしれない。
そう考えていくつか採っていくことにした。
そのあとも散策していたがこの前の木の実がいくつか見つかったぐらいだった。
木の実と松ぼっくりを売りに行く…果たして本当にこんなもの買い取ってもらえるのだろうか…。
GWが終わったので五月病になります。つれえ。