64話 異世界お金稼ぎ
「そんな訳でしてね、売れるような物をどうにかして見繕わないといけないわけですよ」
「グルル」
「なんか売れるような物を調達する方法ないです?」
「グルル」
お金が無くて宿屋に泊まれないとなった後。野宿をするならということで熊さんの所に戻ってきた。
そのまま村の近くで野宿をするのは、村人達に白い目で見られそうだし、森に戻ってくるのであれば熊さんと一緒にいた方が安全だろう。
そんなこんなで携帯食で夕食をとりつつ、熊さんと今後について相談をしていた。
とりあえず当面の課題としては金策手段だ。まずは宿屋で教えてもらったように、ギルドがあるという大きな街に向かう必要がある。
大きな街自体は上空から見渡したら、遠目に大きな城のようなものが見えたのでそこに向かえばまず間違いないだろう。また門番に追い出されるかもしれないが。
問題はその後だ。何かを売るか仕事を斡旋してもらうかとの事だったが、前者はどうやって売れそうなものを用意するかが問題で、後者はどういった仕事をさせられるのか分からない。
売り物については熊さんに相談してみたが、人間が欲しがるようなものは食べ物ぐらいしか分からないとの事だった。
とりあえず山の魚や木の実でも持って行ってみればよいだろうか?
普通に運ぶと痛まないかが不安なところだが、魔女箒で全力で飛んでいけばここから2時間もあれば着くと思うので、流石に大丈夫だろう。
もしかしたら採れたて新鮮ですみたいな売り文句で売れたりするだろうか。
仕事の方はなんとも言えない所で、正直言ってみないと分からない。
ただ、勝手なイメージだが異世界もののギルドの依頼となると魔物を倒してこいみたいなのがありがちなイメージがある。
そういった戦闘とまで言わなくても、力仕事を求められたら正直できる気がしない。
とりあえず明日の朝、熊さんに手伝って貰って売る用の食料を確保してから城下町に向かってみよう。
そう決めて熊さんと一緒に眠りにつくのであった。
なんか熊さんすぐ再登場しましたね…。