57話 冒険の始まり
旅道具達を受け取ってから数日後、次の転移の準備が出来たとの事だった。
リュックを背負って魔女箒に跨る。最初は準備なんてほぼ無くてその身一つで転移していたが、用意も増えたものだ。
「今回の転移先は前々回転移した人里の近くになるように調整しておきましたー」
「あー、あの大きなお城がある辺りね。またあの門番にあったらどう説明しようかな…」
「まーねこちゃんなら上手いこと信用してもらえますよー」
私に対するその謎の信頼はなんなんだ。
言葉が使えるようになって会話ができたとしてもそう簡単な事では無いと思うのだが。
「ちなみにこれで転移先で即死したり遭難したりせず、生活できるようになったら転移は完成になるの?」
そもそもの話、既に宇宙に放り出されたり空から落ちたりはしなくなっている。
ここ2回は餓死するだろうなって感じになって失敗と言えば失敗であったが、それを乗り越えて生活できるようになれば転移は完成となるのだろうか。
「うーん、そこまでいけたら成功でいいと思いますが、まだ今回の世界この場所でだけしか成功しないってなるのでもっと他の世界でも成功するようになったら完成ですかねー」
「転移先の位置さえ調整が安定したらすぐかもね?」
「それがなかなか安定しないからここまで苦労してるんですよー」
確かに、今回の世界に初挑戦する時も調整にかなり苦労していたはずだ。
転移先の世界を変えたら、また宇宙に放り出されるようになる可能性は高そうだ。
そんなこんなで少し話したところで、転移を開始する事になった。
「それじゃー、行ってらっしゃーい」
いつもの掛け声と共に、私の視界は光に包まれる。




