56話 女神の目的
旅道具達を受け取ってから次の転移までの間、魔女箒の練習の合間に女神の本棚の本を読み漁っていた。
こうしてのんびりと読書をするのも久しぶりな気がする。前回の転移の前は魔女箒を受け取ったばかりで乗り回し続けていたし、転移の後は荷物まとめたり確認したりでドタバタしてたし。
改めて異世界ものを読んでみると、色々と発見があった。特に気になったのは3つだ。
1つは転生ものは転生先に生活基盤があるので、意外と危険が少なそうだということだ。
単純にいつもの転移事故のような事が起こりにくいのはもちろん、転生した際の家族が生活基盤になったり、今の私と比べたら全然苦労せずに済む割合が多そうだ。
もちろん例外的なものは多々あるが。主人公が冷遇されるような環境から始まる話も多いものだ。
私は異世界転生ではなく異世界転移をさせられている状況なので、こうした転生先の生活基盤を活用というのは出来ない。ただ、もし信頼出来る人が現地で見付かったりしたら、そういう関係性は大切にしていきたいと思う。
2つ目はチート主人公も何かと大変そうだ。
成り上がりと言えば聞こえがいいが、単純に力を奮っていれば良いという訳でもないようで、頭を使った立ち回りを求められているシーンも多い。
よくある悪役貴族という敵キャラのテンプレートが出てくる展開がまさにこれだ。チート主人公に武力をぶつけてもあまり障害にならないからこういう話の展開になるのかなとは思う。
これはもしかしたら私も気を付けなければいけない場面が出てくるかもしれない。
異世界の人里で生活していけるとなった時に、完全に馴染めるかといえばなかなか難しいだろう。
そうした感じで浮いてしまうと、出る杭は打たれるみたいな感じで目を付けられてしまう場面もいずれは出てくるかもしれない。
面倒になったらその世界を諦めて帰るでもいいが。
そして3つ目は転生、転移の経緯だ。
元いた世界で死んでしまって異世界に転生させられるというのがよくあるシチュエーションだが、なんで転生できたのかは結構作品によるようだ。
神様の手違いとかのお詫びでというのは比較的多いような印象だが、結構原因が語られない作品も多い。
あとは、勇者として召喚されるというのもあるが、異世界転生という作品フォーマットをネタにして書かれる作品に多い印象だ。
これは…私の場合は女神が異世界転移の実験目的に私の事を転移させているという状況なのだが、そもそも何故女神は異世界転移の研究?をしているのだろうか?
「ねー女神、そもそもなんで異世界転移の研究をしてるの?」
気になったら本人に聞いてみようということで、直接聞きに行ってみた。
すると女神からの回答は単純なものだった。
「ねこちゃんの世界の異世界ものの作品が面白いので、私もやってみたいなってー」
「なんか神様らしい崇高な目的みたいなのは無いの…?」
「全然無いですねー、興味があるからやってるだけですー」
この女神らしいといえばらしいが…。
特に深い事情なんてものはなく、ただの興味で私は転移させられ続けているとの事だった。
次回からまた異世界転移の章です。
GWは休止するかもです…書きだめも全然無いので…。




